HRギーガー

2014年11月16日

ギーガー日記4 Dark Star編

20141118今年5月に自宅内事故で突然他界してしまったH.R.ギーガー

そんな彼の74年間の生涯をドキュメントした映画が現在スイスで公開中との事…作品名は「Dark Star / H.R. Giger's World」

亡くなる二ヶ月前までの彼のお姿が記録されてるようで、とても気になる作品です。その予告編がリリースされていますので早速ご紹介。

H.R. ギーガーについてはブログで何度かお伝えしてるので割愛いたしますが、予告編を見る限り、彼の創作活動のプロセスが詳細に描かれているようですね。

日本公開は未定ですが、多分彼のヴァリューから察するに間違いなく公開されるでしょう。既に決定してるかもですが・・。

もし、このドキュメントが他界する直前までの映像だったとすると、とても運命的な何かを感じますよね…早くこの目で天才H.R.ギーガーの思考プロセスを感じてみたいものです。

【DARK STAR HR.GIGER OFFICIAL TRAILER】

【Dark Star: H.R. Giger's World web】
http://www.darkstar-movie.com

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2014年06月20日

アレハンドロ・ホドロフスキー日記 『芸術に許可が必要だと?』編

20140621今月の14日から30日まで渋谷パルコのギャラリーXで開催中のアレハンドロ・ホドロフスキー展に行ってきたわ。

ホドロフスキーは御年85才、「エル・トポ」「ホーリー・マウンテン」等でマニアな方々に絶大な支持を得てる映画監督だけど、なぜ今ホドロフスキー展かと言えば彼が監督をする予定だった幻のSF大作映画「ホドロフスキーのDUNE」が絶賛公開中なのよ。

これは後にデヴィッド・リンチによって映画化されるのだけど、その前に企画進行されていた時を振り返るドキュメント作品…この詳細は明日ピックアップするわね。

これと同期して彼のトリビュート・エキシビションって事なんですね。

展示会と言っても目玉はたった一点のみ…それはSF超大作「DUNE」の企画段階でまとめられたストーリーボード集…通称『赤版』と呼ばれ当時関係者のみに配布された20部のもので、現存確認できてるのはそれを含む5点のみ。

20140622今回の展示されてるのは、なんと10年前e-bayオークションに出され日本人が落札したと言う情報の元に、半年ほど前から公開で落札者を探していて映画公開直前に見つかったお宝なのよ。

このお宝、日に一回15時半から15分間、スタッフの手でページがめくられ閲覧できる儀式のような光景なのです。写真は禁止だったのでお見せできないけど、無言にめくられる絵コンテを数人のお客さんで取り込みながらのぞく様はブードゥーっぽいわ。

時間的に全ページは見られなかったのだけど、丁度一番見たかったハルコネン男爵の場面だったのがとても貴重な体験だった…先頃他界したギーガーのイラストが挟まれてる部分だけでも感激もの。なぜ、この「DUNE」がホドロフスキーの手を離れたのかは映画で確認するとして、いいもの見せて頂きました!

【アレハンドロ・ホドロフスキー展】
http://www.parco-art.com/web/gallery-x/exhibition.php?id=665

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2014年05月24日

ギーガー日記3 安らかに眠れ・・・編

H.R.ギーガー、74歳の生涯を閉じる
またひとつの時代が終わってしまった
20140526
丁度このブログで何度目かの彼の作品をモチーフにしたアートワークを紹介した矢先、彼の訃報を聞きて暫く信じられなかったわ…もう今更彼の作品についてあれこれ語る必要は無いけれど、彼の作品を初めて目にしたときの衝撃は今でも忘れられない。

音楽に興味を持ちだした10代の頃、彼の画集を偶然目にして、そのメカニカルな淫靡さに心を奪われてしまったの…「エイリアン」は何となく知っていたものの、生みの親がギーガーだとは全く知らず、錆び付いた深緑と鉄に彩られた世界に浮き彫りになった、人間の丸みを帯びた美しいパーツにただただ魅せられてしまった。

人間の骨や局部は歪で醜悪、どうしても直視できない羞恥や恐怖などを感じていたけれど、この瞬間からそれぞれの美しさや生命感に気付かされたの。

画集を見た帰り道、なけなしのお小遣いを持って画集を買い、それからは色々なミュージアム・ショップを渡り歩き、カード集とノートを入手したわ。当時はまだギーガーのグッズは入手困難で、この3つは今でも私の宝物よ。ギーガーの作品はエロティシズム、などと簡単に形容できない。
20140528彼の作品は母親の、そして愛した女性達からの愛情を養分に成立している。だからこそあれほどに目を覆いたくなるパーツでさえ、冷たい錆びた鉄板に血が通ったようになんとも暖かく描かれているのよ…これこそがギーガーの究極の愛の表現と言えるわね。そして美しい女性と対照的に描かれた、でき物で覆われた太った醜悪な子供達・・・彼らの存在は作品の中にほっとしたものを与えてくれるわ。

どこをどう見ても気味が悪いとしか言い様が無いのだけれど、彼らの苦しんでいるような表情はヒューマニズムに溢れており、己の醜さに気付くことなくひしめき合って存在している…それはもしかしたら、美しいものを生み出す為、守る為の代償だったのでは・・・などと考えてしまう。

これほどまでに1つの作品に様々な物語を凝縮させているからこそ、ギーガーの描き出す世界は奥深い。だからこそ様々なミュージシャン、映画制作者、アーティスト達を魅了してやまない訳よね。もうこんな風に描ける人は現れないでしょうね・・・。

聞いたところによると、ギーガーは"夜驚症"という睡眠中に突然起きて叫ぶという恐怖症状があったそう。大抵は発達に伴い良くなっていくそうなのだけど、彼はずっと症状が出ていたようね…夜驚は深い眠りで怖い夢を見て、部分的に覚醒する事で起きるそうで、元々の脳の素質に起因しているの…もしかしたらこの症状があの素晴らしい作品を生み出す源となってしたのかしら・・・そう考えると、彼を失ったのは非常に残念ではあるけれど、これから先はゆっくり休んで次のステージで絵を描き続けて欲しい。

日本で再度「ギーガーズ・バー」をオープン出来たら、今度は日本の内装もチェックしに来て下さいね。
20140527
GIGER's BAR at NY
どうか安らかに・・・母の元へ


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2014年05月13日

レトロ&オルタナティブポスター日記5 プロメテウス編

20140515無事続編が北米で2016年3月公開決定したリドリースコット監督の「プロメテウス2」を記念して、「エイリアン」と「プロメテウス」の綺麗なオルタナティブポスターをご紹介しましょうね。

「エイリアン」はスコットランドのアーティストでブライアン・テイラー氏の作品…シガニー・ウィーバーの表情がいいですよね!視点の定まらない虚ろな目が不安感と、本能的な生存の狭間にある自分をよく表現してます。

公開当時のポスターと決定的に違うのは、殆どのファンが物語を知ってる事…ですからこのオルタナティブポスターが成立するのですよね。

そして、「プロメテウス」はアートの定番Mondoで、マケドニアのグラフィック・デザイナーでマルコ・マネヴ氏の作品…ギーガーのテイストを匠にデザインした記憶に残るポスターですね。

いったい彼らの文明と哲学はいかなるものなのか…そんな謎も「プロメテウス2」で描かれるのか・・色々想像を膨らましてくれる秀逸なポスターです。

あぁ~スイスのギーガー博物館に生きたいなぁ~。

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2014年03月17日

レトロ&オルタナティブポスター日記4 エイリアン編

20140314恒例のレトロ&オルタナティブポスター…今回はまたMONDOのアーティスト達が美しい作品をリリースしてくれたの…それはあのエイリアンシリーズから3作品。

先ずはKevin Tongによる「エイリアン」…エイリアンと言えば何しろHR.ギーガーの強烈なアートワークが存在してるので、これを違う視点でオルタナティブに仕上げるには簡単そうで難しいと感じるのよね。

その為にも一見してエイリアンよりも主役をどう描くかが課題なんだけど、そこもスルーしてマーベル系の悪キャラみたいなテイストで純粋にストレートにエイリアンを表現してみましたって感じかしら。

正直うぉ!って印象はないのだけど、アメコミ文化を深く感じるポスターです。

次はMartin Ansinの「エイリアン2」…こちらも1枚目と同様にアメコミなマザーエイリアンに立ち向かうリプリーのとても分かりやすい構成になってますね。

特に物語から抽出した比喩的な部分は描いてないけど、両作品とも商売を意識した作風が見え隠れしています(^^;)

で、面白かったのが最後のKevin Tongによる「プロメテウス」…これはやっとギーガーの呪縛から少し解かれたようなタッチがうかがえるの。

前の2作品と違い物語のテーマをお上手に抽象化していていい感じ…ちょっとザック・スナイダーの「WATCHMEN」を彷彿させるような部分もありますが・・。

正直最近はオルタナティブポスターブームに乗って安易な商売用の作品も多くなってきて、ただそれっぽく描けば売れるみたな傾向もありますから、しっかりと感度の高い作品だけ見極めないとですね。

でも、結論として思ったのが、HR.ギーガーはやっぱり凄いなって(笑)

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2013年09月28日

エイリアン日記 家族が揃って雛祭り・・・!編

20130921

最近はまってしまった「ガチャガチャ」…球体のプラスチックのケースから何が出るかはお楽しみ、なんて言っていたのは遠い昔のこと…この歳になってはまるとはなんたる不覚かしら!昔のガチャガチャは100円程度の価格帯で、中身もどぎつい着色の消しゴムなどのおもちゃが主流だったのよね。

しかし今回のガチャガチャは凄いわ!400円と高額ではあるけれど、中身はあのH.Rギーガーの「エイリアン」が再現されたものなのよ!!僅か5㎝ほどしかないフィギアのその精巧さと言ったら・・・これはファンでなくても一見の価値有りね。偶然このガチャガチャを発見してからというもの、通りがかる度にひとつ買い、ふたつ買い・・・。

このガチャシリーズは全部で5種類あり、エイリアンの赤ちゃん期にあたる第一形態「フェイスハガー」、幼虫期の第二形態「チェストバスター」、成長したエイリアンの立ち姿とおじぎをした形状の「ビックチャップ」シリーズ、そして"エイリアン"に登場した貨物船ノストロモ号オ船外活動用宇宙服姿の隊員というラインナップ。

最初は第二形態と「ビッグキャップ」2種をゲットし、販売機の前で大喜びしたわ。1週間後再チャレンジすると「ビッグキャップ」おじぎ版と宇宙服という好成績!残るは第一形態のみよ・・・。家に戻ってパーツを組み立ててみると、エイリアンの頭部は取り外し可能で、中から本編さながらの不気味な骨のようなものが出てくるし、口からはきちんと独特な形状のベロのようなものが飛び出しているのよ。

エイリアン独特の黒光りしたようなボディの色合いも美しく、つま先と爪には銀のマニキュアが・・・凝ってるわ!第2形態の「チェストバスター」は卵からかえって少し経った凶暴なは虫類というか幼虫が、歯をむき出しとぐろを巻いて今にも襲いかかってきそう。宇宙服はどこかクラシカルで、4体並ぶと物凄い迫力になるの。

しかし第一形態だけがまだ揃わないことにやきもきして、2週続けてガチャガチャに挑戦。しかし出てきたのは「ビックキャップ」の立ちエイリアンとお辞儀エイリアンばかり…この2種類だけで7体、更に「チェストバスター」が3体、宇宙服2体という結果になったわ。ガチャガチャ本体の中身も行く度に減っており、このままでは第一期の赤ちゃんに会えない・・・!と落ち込んでいたところ、見るに見かねたうちのスタッフが赤ちゃん単体をネットで発見してくれたの。

在庫1体だけのみの販売だったので速効購入し、翌日エイリアン一家は一堂に会することが出来たのよ!

半透明の卵から花のように生えた赤ちゃんは、それはそれは不気味で可愛らしい。しかし大家族になってしまったエイリアンの迫力は相当なものなので、メタリックな雛壇を作って「エイリアンおひな様」を作る事にしたわ。3月にはこれを飾ってお祝いをしなくては・・・これで婚期が遅れること間違いなし!

いや、ガチャガチャは根気がいりますなぁ・・・おあとがよろしいようで。

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2012年10月28日

ネクスト・プロメテウス日記 真のリドリー・ワールドは!?・・・編

20121031リドリー・スコット監督というと、最近では映画「プロメテウス」よね。彼のこだわりの凄さは有名な話で、代表作のひとつでもある「ブレード・ランナー」でもディレクターズ・カットでのエンディングでファンを騒然とさせたのは伝説といっていいくらい。

今作でも同じようにまた別のエンディングがあるとの事・・・そう聞いたら気になって仕方が無いわ!

劇場版「プロメテウス」はブログで紹介させて頂いた通りの内容で、2089年の未来、最新の宇宙船プロメテウス号に乗り込んだ科学者チームが人類発祥の謎を追うというものだけど、一行は手がかりとなる古代遺跡を調査していくうちにとてつもない恐怖に襲われるというストーリー。

しかしここで登場した数々の謎は、来年1月9日に発売されるDVD&Blu-ray版で解き明かされるんだそうよ!しかも劇場版には入れなかった別のオープニング、更に別エンディングがあるというから触手が伸びるわね。11時間にも及ぶ豪華映像特典には未公開シーンとスタッフによる音声解説・・・というのは定番だけど、今回モバイルアプリケーションなる仕掛けもついてくるから感覚的にも楽しめそう。

でも何より気になるのは、やはりH.Rギーガーの描き出したエイリアン・ワールドがいかにして築かれていったかという事だわね。彼の世界観があってこその「エイリアン」であり「プロメテウス」と言っても過言ではないわ。生命の生々しさと醜悪なまでの狂気に満ちたフォルム・・・これぞまさに究極の美よ。

人類の発祥は本当にギーガーの描く世界そのものだったのかも、そう思わせるほどの説得力があるのよね。もし自分が監督だったらこの作品のエンディングをギーガー祭にする事は間違いないけど、リドリー監督の一番描きたかったエンディングはどうなのかしら?恐らくこうかな、という予想はあるからそこは敢えて裏切ってほしいものね。次回は是非私の案を映像化してもらおうっと。

【プロメテウスOfficial】
http://www.foxmovies.jp/prometheus/

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2012年10月20日

ギーガー日記2 淫靡という名の愛情編

20121020プロメテウスも公開になって、バチカンからクレームが付けられるなどで賛否両論になってるけど、自分的には背景にあるギーガーがやっぱり気になるわね。

今でこそ「ELP」のジャケットや「エイリアン」のデザインで有名過ぎるほど有名な画家HRギーガーだけど実は初めて10代の時お小遣いを貯めて買ったのが彼の画集なのよ!

ギーガーの情報は何一つ知らなかったのだけど、偶然目にした彼の絵を見て恐ろしいほどの衝撃を受けたのがきっかけなの。メタリックな質感の中に生々しい淫靡さ…そしてその美しさといったら!これほどまでの確固たるオリジナリティを突きつけられては、手も足も出ない…ものを作る人間に対して警告していると言っていいわ!

彼の作品には欠かせないガールフレンド、リーをモチーフにしたイラストはため息もの。彼女の両頬から剥き出しになった金属…そのストレートとラウンドした線が一体した美しさにはどんな宝石やメイクもかなわない。いわば究極の美ね!!

ギーガーは人間のパーツを愛し、特に母体に関しての執着は凄まじいと思うの。生命が生まれてくる事の神秘、メカニズム・・それにより生まれてくる畏怖、敬意・・人間が量産されるのは機械的に見えるけど、それはとてつもなく暖かみのある事だと思うわ。だから彼は曲線だらけの赤い肉塊を描くのかも。

メタリックでSF的な雰囲気をもつ作品はいくらでもあるけど、ここまで見る者を虜にしてしまうものは皆無ね。きっとギーガーのドクドクと波打つ鼓動と温度を背景に感じるからなのかもしれない。昔、白金に"ギーガーズ・バー"というギーガーの描く世界がそのまま表現された空間があると知り、親にせがんで連れていってもらおうとしたけどピポママに却下されたわ。

お酒が飲める年になりやっとの思いで行った時には・・閉店してたの。

凄く残念だったけど後で聞いた話によると、その店はギーガーの哲学よりもビジュアル的なものにこだわり過ぎていたのと、バーというより入り口でチケット販売機で券を購入して入る様なクラブだったらしいわ・・。

やはり上辺だけなぞっても何事も長続きしないものなのね。今後の目標はスイスのギーガーミュージアムとバーに行って、ギーガー家具を入手してやる!!その為にも今日もお仕事・・お仕事・・。

【ギーガーミュージアム】
http://www.hrgigermuseum.com

【ギーガーOfficialサイト】
http://www.hrgiger.com

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2012年09月01日

プロメテウス日記1 夏休みだよ!ギーガー祭!編

20120903H.Rギーガーファンとしては、ずっと公開を待ち望んでいた映画「プロメテウス」・・・ようやく見る事が出来たわ!

時は2089年。人類は一体どこからやってきたのか、その根源的な謎を追い続ける科学者チームは遂に古代遺跡からそのヒントを得る事になったの。一行はその答えを見つけるべく、巨大企業ウィランド・コーポレーションが技術の粋を集めて作り出した宇宙船プロメテウス号に乗り込みある惑星を探索するのだけど、そこには思いもよらなかった恐ろしい出来事が・・・というストーリーよ。

監督のリドリー・スコット氏は自身の作品で常に精神的、肉体的にも強い女性を登場させるけど、今回も主役の女性科学者エリザベスは半端なく強かったわ。後半容赦ない展開にドキドキさせられっぱなしだったけど、監督お得意のドキドキからやや安堵、又ドキドキといったジェットコースター進行は健在。

少し気になったのは、プロメテウス号に乗り込んだエリザベスを始め、乗組員達の心の推移を描くのに時間が不十分だったかなという事よ。惑星に降り立ってからほんの数日のお話だから仕方がないけど、もう若干そこに重みを加える事が出来たら更に後半の流れがスムーズに受け入れられたかも。

個人的にはアンドロイドと人間との関係もあとひと味濃くしてもらえると嬉しかったけど、それはきっと続編で・・・という事で期待大だわ。惑星内の洞窟やそこに存在するものすべてが美術品のように美しく、これが最大の見所と言って良いわね。

背骨のように長く這い回る柱や人間のパーツを模した建築物など、最早これはギーガー祭よ!3Dだと細かいディテールが潰れてしまうので2Dで鑑賞したけど、色合いもデザインも人類の起源にふさわしい古代的でありながらモダンなデザインになっているわよ。

もともと人間の体の中にあるものって丸みを帯びているから、きっとこの中にいたら不気味さを感じるより落ち着いてくるかもしれない・・・あぁ、いつか自宅スタジオをこんな内装にしてみたいわ。「人類を作ったのは神でも進化論でもない。」という言葉通り神をも恐れぬテーマではあるけれど、人間の"生きる"という本能は凄まじいもの。どんなに辛く過酷な状況であっても生き延びようとするそのパワー・・・人間が長い間生存し続けてきた理由はそこにあるわよね。

人間同士は常に戦いながら、その一方で強く結びついている。その歪な輪をまんまるな円にする為、もしかしたらこの宇宙のどこかで何かが動き始めているのかも・・・なんて危機感をちょっぴり持ってしまったわ。あっと言う間の2時間の船旅、夏が終わる前に体験してみてはいかが?

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2012年07月21日

ギーガー日記1 光あればこその闇・・・編

20120718HRギーガー・・・何度もこのブログでも登場しているけど、愛してやまないアーティストの一人よ。「エイリアン」に始まり「スター・トレック」のボーグデザイン、「エマーソン・レイク&パーマー」を始めとするジャケットなど、機械と人体のその見事なまでの融合は、類い希なる美しさとしか言い様が無いわ。

骸骨や女性と無機質なメカニックが見事に構成されたその独特な世界観は一体どこから生まれてくるのか、疑問に思う事ばかり。幼い頃ギーガーは難産で、母親は彼に胎内から離れたくなかったせいだろうと言ったそうよ・・・なんという素敵な感覚のお母様なのかしら!父親は薬剤師で厳格者だけど、母親は息子の芸術的才能を伸ばそうと惜しみないサポートをしたというから、鬼才ギーガーは母の愛ゆえに誕生したと言っても良いかも。

彼の作品が、母親の胎内への回帰を象徴しているというのは納得がいくわね。子供時代暮らしていた家にはぽっかり口を開いた穴があり、彼はその中で段ボールと石膏で模型の骸骨を作っていたそうよ。しかも父親からもらった人の頭蓋骨を大事に今でも持ち続けているんですって。

ここまで聞くと、なんとも不気味な幼少時代のエピソードだけど、あの独特な感性はこんな小さな時から研ぎ澄まされてきたのね。ギーガー青年が20歳になった頃、地元の街では自殺者が相次ぎこれらの事件が彼の作品に大きく影響したのではないかとも言われているわ。

1966年に発表された「精神科医の祝宴」というポートフォリオでは、ゴーグルを書けて銃を持った胎児が痩せた子宮に閉じ込められたり、縛られた手足の無い胎児の胴体が果てしない階段を降りて行くという絵柄が存在するの。ギーガーにとってこれらは一種の心理療法の意味もあり、階段を上り下りする機械的な繰り返しの行為は、夢の中では性行為と同じだということだそうよ。彼特有の機械と性的なシンボルとの結びつきはこういった考えから生まれて来たのね・・・素晴らしい。

そして忘れてはならないのは、ギーガーの作品には欠かせない亡き恋人リー。

彼にとってリーは女神でありインスピレーションの源だったに違いないわ。残念ながら彼女は精神的疾患により自殺してしまったそうだけど、きっと彼らの結びつきは只の恋人同士というものではなくもっと深い部分で繋がっていたのではないかと思うのよね。そうでなければこれほどまでに美しく、心の奥底に響く作品は生まれるはずはないもの。とても辛いことではあるけど、表現者として羨ましいわ。

ギーガーはドキュメンタリーで「自分の内にある痛みの理由がわかれば、才能は発揮される。」とコメントしているのだけど、確かにその言葉には大きく賛同する。光は闇があればこそその輝きや美しさが色濃く感じられるし、表面的な明るさや美しさだけでは心は動かされないものね。

小さな子供が首を切断する絵を描いたりすると、母親が心配してそれを禁じたという話を聞いたことがあるわ。将来犯罪を犯しやしないか、うちの子は普通の子じゃないのかと・・・。でもそれは無垢な心で感じ取った人間の闇の部分であり、それを素直に表現している良すぎないわ。逆にそこを感じられない方が問題だと思うのよね。もし自分の子供がそんな絵を描いたら、ギーガーのように研ぎすまされた感覚を表現出来るかは別としても大事にその感性を育てて行きたいと思うわね。暖かい光を感じていきたいからこそ暗闇の部分を感じる必要があるもの。

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