猫のダルシーの物語

2014年07月07日

猫のダルシーの物語日記 愛は哀に勝るもの編

20140705"泣ける話"とか"泣ける本"なんて良く聞くけど、こう言った書評をするのは嫌だわ。だって、はなから"泣くぞ!"と準備しているようなものですもの。

しかし、しかし・・この本はわかっていたけど読んでしまった。「a CAT'S life ~あたしの一生 猫のダルシーの物語」…タイトルからして大雨注意報の予感よ。生まれたばかりの白と黒のまだら模様の雌猫ダルシニア、通称ダルシーは人間の女性と出会い引き取られる事になったの。一見人間がダルシーを選んでいるようだけど、本当は彼女が人間を選んでいたのよ。

この物語は全てがダルシーの視点で描かれているのだけど、江國香織さんの訳がテンポ良く、シーン毎の情景をパッと思い浮かばせてしまうからお見事。ダルシーは飼い主を『あたしの人間』と呼び、しもべだと思っているの。だから人間が『あたしの仔猫よ』と言うと腹を立たせてしまう。けれど彼女が囁く愛の言葉はダルシーを優しく包み、その絆をより深いものにして行ったわ。

ある時飼い主が友人との付合いを優先し家を数日空けた時、ダルシーは不安で餌も喉に通らなかったの。やっと帰ってきた彼女に甘えながらも、きちんと人間を教育しなくては・・と勝ち気な考えを持ったりする。でもこれらはあくまで人間の勝手な思い込みで描かれてるけど、必ずしもダルシーの感情は思い込みとは言い切れないわ。

家には3匹猫がいるのだけど、物語を読み進めて行くうちに「ああ...うちの子もこんな風に思ってるかも」と思い当たる節満載なんだもの。これほどまでに猫に愛情を持っていなければこの作品は生まれなかったでしょうね。

どのページを開けても日だまりのような暖かい愛でいっぱい。言葉で意志疎通が出来ない分心を通じ合わせられている証拠だわ。果たして人間同士寄り添って生きたとしても、ここまでの濃厚な愛を与え合う事が出来るのだろうか・・。うちの猫達も長生きして欲しいなぁ~あ、ドライ出さなくちゃ。

pipopipotv at 00:00|PermalinkComments(0)