新子連れ狼

2014年01月18日

新子連れ狼日記 ちゃんからてちょへ・・・編

20140115

名作「子連れ狼」の続編である「新・子連れ狼」…噂には聞いていたけれど、まだ読んだことがなかったので愛蔵版リリースを機に一気に大人買いして読み切ったわ。

原作は勿論、前回に引き続き小池一夫氏、作画は今回、森秀樹氏が担当よ。物語は八丁河岸での拜一刀と柳生烈堂の死闘後からスタート。父の亡骸の前で力尽きてしまった大五郎は、偶然通りかかった元薩摩藩士の東郷重位に助けられ、父と烈堂を荼毘に付す事が出来たの。

重位は武者修行で全国を旅していたのだけれど、自分と一刀の愛刀が同じ同太貫であり、一刀の鞘に自分の刀が寸分狂わず納まること、大五郎の幼いながらも武士魂を持つ姿勢に因縁を感じ、共に旅することになったわ。重位は薩摩示現流の開祖で、薩摩藩の藩主・島津光久の剣術指南役を務めていたほどの名手で、大五郎は道々彼からスパルタ的指導を受けながら剣士として成長していくのよ。

そんな中、島津家を断絶させようとする老中松平伊豆守の陰謀に巻き込まれ、新たに親子となった2人は再び冥府魔道の道を歩むことになったわ。今回は己の性を自在に変幻可能の能力を持つ忍、自分の顔を焼き切り息子を刺客にしてまで自分の欲を満たそうとする松平伊豆守、敵を愛し老いても尚その愛を貫いた女剣士など、登場人物たちの悲しく過酷な人生がたっぷりと描かれているのだけど、前作の様に個々に際立った感じはない気がするのよね。

登場するロシア人女性のネーミングもミラ・ジョボビッチ、となんだか直球すぎる感も否めない。しかしながら、前作の小島剛夕氏の作画スタイルを踏襲しているかのような森氏の劇画タッチと構成力は圧巻よ!両雄とも筆と墨の魔術師と言って良いほど、このアイテムだけでダイナミックに躍動感溢れる線を表現しているのよね。

小島氏は筆で大胆さとスピードを、森氏は大胆な中にも細やかな美しさと度肝を抜く構図と、腹立たしい程のレベルの高さよ。相も変わらず穏やかな生活を送ることを許されない大五郎・・・またもや刺客に狙われる日々を送るわけだけど、"ちゃん"である一刀は無口で身を以て剣のなんたるかを教えるのに対し、"てちょ"になった重位はよく話し、厳しいながらも最後は大五郎を暖かく包んでくれる。

同じく過酷な境遇ではあるけれど、今回、本当の親子の様に感情をぶつけ合っている2人を見てなんだかほっとしてしまったわ・・・心なしか大五郎の表情も明るい気がするの。重位の武士としての姿勢は一刀同様筋が通っており、剣を持つ者としての重さや魂の部分は、現在をただ安穏と生きてしまっている自分に渇を入れてくれるわ。「子連れ狼」は自分にとって人生のバイブルであり、ものづくり刺激剤でもあるのよね。

今作のラストは又もや・・・の結末だけど、次のシリーズに繋がるエンディングなのでまた大人買いしちゃおうかしら。大五郎!とにかく幸せになって。お母さんは心配です・・・。

pipopipotv at 00:00|PermalinkComments(2)