家族

2016年03月04日

アンチ・サザエさん日記 家族の絆は時代錯誤か・・・!?編

20160302これまで日本家庭のスタンダードな形態であり理想とされてきた「サザエさん一家」の家庭像…三世代同居の大家族であり夫が一家の大黒柱で妻は専業主婦というスタイルは個人的には違和感を感じるものの、常に灯りのともる家、食事や団欒など親子のコミュニケーションなど家庭たる暖かさというものに憧憬を抱いていたわ。

近年の調査によるとこの「理想的な家庭」に対し現代の人々はデメリットを感じている人が多いという事がわかったの…少数派ではあるけれど、自分同様三世代の家族が助け合い、家庭が賑やかで羨ましいという意見もある中、人が多すぎて疲れる、家族に監視されているみたいで息苦しいという意見も多かったそうよ。

最近は人間関係が苦手であったり一人の時間を重んじる若者が多いせいか、サザエ家の様なプライベート全開放という状況が落ち着かないのかもね。個々に自分の趣味などに没頭しても、家族はその詳細は知らないまでも何となく把握は出来、コミュニケーションの一端になる。

こういった繋がりを煩わしく思ってしまうというのは何とも淋しいことではあるわ…近年、家の中で子供が犯罪を犯しているにも関わらず親が知らずにいた、という事件が多発していたけれど、少しでもこうしたコミュニケーションが取れていれば悲惨な事件は食い止められたのかもしれない。

更にサザエ家の中心である父、波平についても異論が。昔ながらの厳格で支配的な父親、夫というものに対して否定や拒絶の意見しか挙がってこなかったそう。まあ、この点に於いて否定はしないけれど、経済的な部分を父親が担い母や子はそれに従属するしか選択肢がなかったのだから仕方が無いかも。

何より父親は家族の中心で尊敬される対象であった、という点が現代と大きく異なっているものね…自分の親を尊敬できる・・・そうはっきりと言い切れる現代の子供達が果たして何人いるだろう?毒親、などと子供を束縛し私物化する稚拙な親が取りあげられる昨今では親の位置付けは脆くなってしまっているもの。

確かにサザエさんは戦後の貧しい時代から復興、発展する時期を描いたもので現代の家庭の形に投影出来ない部分は沢山あるわよね。でもどんなに時代が変化しても変わらないもの・・・それは家族の絆であると信じていたいわ。

でも、損得勘定無しでお互いを思いやるのは血縁関係だけでは無い…血の繋がりはなくともそんな風に思える相手がいればそれは”家族”であることは間違いないから…個が重んじられる現代では家庭を暖めるか冷やすかは自分の匙加減ひとつ、なのかもしれないわね。じゃんけん、ぽん!!

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2013年12月31日

ザ・ロイヤル・テネンバウムス日記 愛すべきパパの形編

20131229年末家族愛テーマのピックアップ最後の作品はそのままズバリ!家族大集合の2001年傑作「ザ・ロイヤル・テネンバウムス」で決まり!

何が秀逸かと言いますと、それはズバリ家族キャスティング!…勿論それだけではないけれど、あまりにもピタッと全てがハマっていると思ったのはこれよ!

元弁護士だが今は流浪の生活をしているジーン・ハックマン演じるロイヤルが、妻が会計士に求婚されていると知り自分が余命僅かと嘘をついて、22年ぶりにテネンバウム家に帰ってくるの。

幼い頃からビジネスの天才の長男、養女であり天才劇作家の長女、トップテニスプレイヤーの次男と、変わり者だが優秀な子供たちとの絆を修復したいと思った彼はようやく父親らしい気持ちで家族に接する様になれたわ。次男は密かに長女を愛していて、彼女が結婚してからその思いを抑えて旅に出ていたものの死期が近いという父の呼びかけで家族が一堂に会する事になり、その気持ちを抑え切れなり告白するの。

それぞれの秘密を打ち明けて妻は再婚し納まる所に納まった後、父親は家族全員に送られる事になったわ。妻は1人で強く生きてきたけれど夫の愛が欲しかった、長男はいつも次男ばかりを遊びに連れ出す父親に"怒り"という形で愛を求め、次男は血のつながりはないにしても、幼い頃から姉を女性として愛し、長女は自分が養女であるという事で疎外感を持ち心から人を愛する事に不慣れ・・家族の誰もが愛が欲しくてたまらなかったのね。

父が長男の子供たちにいたずらや子供らしい遊びを教えるシーンや、長男が子供時代を取り戻すかのように父と一緒に遊ぶシーンは脳裏に焼き付くほど印象的で素晴らしい!

家族愛をテーマにした作品は数あれど、これほど切れ味の良い描写は他に類を見ないわ。一つ屋根の下に居ながら家族の事は何も知らない父親・・ありがちな設定だけど、その子供たちが10代で天才の称号を得たゆえに、堕落して行く父と、子育てを誤ったと自己を振返りながらもどこまでも真っ直ぐな母。家族の結束は結局、ある種の愛でどんな事があろうとも結ばれているというのがこの作品のテーマかしらね。

長男を演じるのはベン・スティラーなんだけど、さすが!よくそんな表情が出来るものだと感動したわ。キャラクターは全員幼い頃から服装が変わってないし、背景がリアルなんだけど切り絵のようで登場人物も2次元的に感じさせる演出手法、とても小気味よいおかしさがあるのに、心の奥底にズーンと染み入ってくる暖かさがあるの。最早コメディと言えないわよ!役者の力は勿論だけど、こんな怪作は久しぶりよ!とにかく、家族の絆シリーズを締めくくるには完璧な作品!

それでは皆さま家族共々に良いお年を(^_^)v

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2013年12月30日

STAR WARS日記1 エピソード4銀河神話編

20131228年末家族愛テーマのピックアップ4作品目は壮大な銀河を舞台の大家族作品…それは「STAR WARS」でしょ。そこで大ブレイクした最初の1977年作品「エピソード4」

ルーカス社もディズニー社に売却され、ジョージ・ルーカス氏の手を離れJJエイブラムスによって2015年に待望の新作がリリースされるわけだけど、その原点とも言うべき「エピソード4」

デジタルリマスターでお化粧が施されていて、当時には無かったカットとかCGの追加とかで今風に近づけてたヴァージョンを久しぶりに鑑賞ね。1977年…オリジナルの頃はまだ生まれて間もない頃なので、当時の質感や、SFに対する世間の評価はどんな感じだったのかは誰か教えて欲しいわ。

「エピソード4」…ルークがジェダイの騎士オビ=ワン・ケノービやR2、C3POと共にレイア姫を救出するという有名過ぎるストーリーだけど、とにかく新鮮で飽きさせない!

きっとPIPOKOより読者の皆さまの方がずーーーーっと詳しいでしょうから特に語る必要も無いかと思いますが、CG全盛期の今から想像すると当時の技術ながらも"これだけのものをやろうと思えば作れるのだ!"という心意気を見せつけられるわ。

冒険と愛とロマンス、コメディ、すべての娯楽要素がバランスよく取り入れているし、何より日本人として客観的に日本の美しさを認識させてもらえたことが嬉しいわ。着物の袂、兜の曲線、編み上げた髪・・どれをとっても誇らしいもの。

色使いの描写も単純ながらそれぞれの意識を的確に表現しているわね・・やっぱり黒沢監督の影響かしら…唯一残念なのはここに日本人が存在しないという事かしら。オファー通りオビ=ワンを三船敏郎が演じていたら・・もっと日本人役者のあり方は変わっていたかもしれない。皮肉なものよね、当時は子供向けのSFとしか思われていなかったからしらね・・。

しかしこうして今もなお色褪せない名作として君臨しているのは、これもベースに家族の、それも父と子の壮大な絆があってこそのドラマよね!この2本のライトセーバーが輝く限り銀河神話は語り継がれていく・・。

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2013年12月29日

ラブリー・ボーン日記 天国への階段編

20131227年末家族愛テーマのピックアップ3作品目は同じ家族でもちょっと次元の違った家族の絆のお話。それは「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソン監督の「The Lovely Bones」…原作は近年の世界的なベストセラー小説として有名なアリス・シーボルトの「ラブリー・ボーン」。

物語は1970年代、衝撃的な14才の少女スージーの殺害から始まるの。平和だった家庭は徐々に崩壊し始めるのだけど、その様子を天国のような場所から見守るスージー。そしてそのスージーが本当の天国へたどり着くまでの過程を幻想的な映像を中心に描かれるのよ。

「天国に行ってからのお話・・」というコピーだけど、物語では現世と天国の中間的な世界、ダンテで言うなら煉獄的な要素もあって、天国一歩手前のような空間なのかしら。

物語はジャクソンの言葉を借りるなら「原作の親なら誰でも持ってる最悪の恐れ、それは子供を失うこと。それが結局は愛が人を救うパワーを描くお話へと変わる。だからこの本は多くの人々をひきつける・・」。だからこの映画は文面だけだど悲しくてショッキングだと感じてしまうかもしれないけど、とても明るい作品なの。

彼女がさまよう世界…それは次のステップへ進む準備が出来るまでの修行のような場所なの。現世に思いを残し、生々しい感情をあらわにして自縛してしまうか、愛を信じて旅立つか・・。映像的にはシュールでマジカルな彼女が現世で経験したものが特殊効果でアイテム化され、心の有り様がダイレクトに情景化されている。環境音楽のパイオニアのブライアン・イーノの音楽と響き合い、それは時には心地よく、時には寒々とするの。

現世では、彼女を殺した異常殺人犯と愛する子供を失って翻弄する両親と、成長するスージーの妹と家族を再生させようと頑張るおばあちゃん(スーザン・サランドン)が描かれているわ。

怖いのは殺人犯の描写よ。名優のスタンリー・トゥッチが演じるのだけど、監督曰く「真の恐ろしさは示唆されるもので目には見えない暗に分かっていた」。この役のオファー後に犯罪プロファイラーと協力して、極秘の犯罪者の自白映像を見たり、文書を見たりと、普通らしさを利用して自分の心を闇を隠す犯人を見事に演じているの。その犯人の家の様子も、陰気で物寂しい緑色を使って、殻にこもった精神病質の感じを演出してるわ。

主役の少女を演じるシアーシャ・ローナン。死後の世界で感情のままに演じる様は凄いわよ。合成部分が多い映画だけに撮影時は全て想定の元に演技するのだもの。オーディションに時間を割いて素晴らしいキャスティングをしたんじゃないかしら。

そう、現世のテイストがどこか「アメリカン・ビューティー」と似ていて、気になってSTUFFを確認したら、やっぱりデザイナーが同じ人だったわ。あの薔薇の感じ・・ゾゾっときたのよね。憑依的な描写も斬新!!

そんな感じで、現世と中間的な世界をシュールにつなぎながら、怒りと恐れ、そこからの脱出して欲しいと見る側に期待させながら物語は進んで行くの。そして、最後にある奇跡が起こるのだけど、それは見てのお楽しみ。

ジャクソン監督からメッセージでは…『私がこの映画を撮ったのは、原作の独創的な世界観と全ての登場人物の心の動きに、魂を揺さぶられたからです。この映画はショッキングな題材を扱っているため、ご覧になる皆さんに深い悲しみと喪失感をもたらす事があるかもしれません。しかし、最後にはきっと力強い希望を感じて頂けると信じています。どうぞ、この奇跡のドラマをご覧下さい』

生きてる家族、遠くへ旅立ってしまった家族…絆は永遠に続くもの・・忘れずに大切にしたい・・。

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2013年12月28日

マイレージ・マイライフ日記 彼が最後に交換した物は・・編

20131230年末家族愛テーマのピックアップ2作品目はアカデミー主要5部門にノミネートされたものの残念ながらオスカー獲得は逃してしまった2009年作品「マイレージ・マイライフ」…でも、授賞式終了後にアカデミー会員が作品賞の1位に投票したのが多かったのが実は本作と言われてたのよね。


オリジナルのタイトルは「Up In The Air」で、年間300日以上を飛行機の中で過ごすビジネスマンのお話なのよ。主演は俳優業よりもプロデュース業の方が忙しいかもしれないジョージ・クルーニ。彼が演じるのは、様々な企業からの依頼でリストラ宣告を代行するという、ちょっと複雑なお仕事。だから、北米を股にかけて飛行機で飛び回り、滞在ホテルと飛行機の中が我が人生。

それを嫌がるのではなく、楽しみ、励み、人にアドバイスし、人生を語る生きる達人。彼にとってリストラの宣告はされる側を新たなステップへのガイドと考え、ポジティブシンキングなこれからの生き方を布教する愛ある宣教師のようないい人。そんな彼が、同じように飛行機で飛び回る女性と出会うのね。その女性も慣れた者。同じ匂いの彼との縁のない一時の愛に興じるわ。これがとてもサッパリしていて「だよね~」と共感してしまう。

その女性と対比するように一人の若い女性が登場するの。それはリストラ宣告代行の会社にエリートとして入社してきて、全てを机上的に処理しIT全開で会社を効率化させるの。そして出張業務も無くなるのだけど、その前に研修と言うことでクルーニの最後の出張に付いていくことに。理論専攻型の彼女は初めて、生身の人間と接することで壁に突き当たるのだけどクルーニが優しく諭す・・。そして先ほどの彼女とこの女性の出会いから彼の人生の見つめ直しが始まるというお話。

人間臭さをひたすら追いかける作品が良いわね…孤独の達人とストレスレスな達人と理論の達人はそれぞれが心のどこかに愛の欠片を隠しているのよ。それがふとしたキッカケで第三者に気付かれてしまった時の気まずさと嬉しさ。でもそれ以上踏み込めない人間の寂しさを見事に表現しているわ。

人は自分探しをする時、必ず故郷に戻り自分のルーツを確認しにいくもの。これこそBackHomeだけど、そのBackHomeとリストラされる側のBackHome、二人の女性のBackHomeが無理なくシンクロできてる。映画だからどこかで盛り上げなくっちゃなんて気負いもなく、ただただ自然に物語が進むのよ…素晴らしいわ。

キャスティングも完璧でクルーニは辛い宣告役を冷酷ながらも優しさを充分に表現してるし、お相手の女性もどこか影のある部分をしっとりと表現してる。部下の女性も快活さと若さ故のもろさをお見事な間を使って見せてくれる。そして、この3人の背景にある家族の存在…孤独の中に描写される家族は見えないレイアーのようにそれぞれの心に宿っているのよね・・。

この三人が最終的にどんな生き方を選択するか内緒だけど是非覧になってね。果たして彼のマイレージはどうなるのか・・見物よ。

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2013年12月26日

ニューヨーク東8番街の奇跡日記 ほこほこ人間ドラマ編

20131226最近ちょっと心が疲れ気味なので、今年の年末映画特集は家族愛をテーマにピックアップしてみることにしたわ。まず最初は心がじんわりと暖かくなるような作品を見たくなるわ。そこでチョイスしたのが1987年の名作「ニューヨーク東8番街の奇跡」。

原題は「Batteries not Included」…電化製品によくある注意書きの「電池は含まれません」という意味なのだけど、このセンスが素晴らしいわ。

舞台はNYの東8番街にあるある古いアパート。再開発が進む中、大家の年老いた夫婦と住人達はアパートから立ち退かず頑張っていたけれど、立ち退きの執拗な嫌がらせは続き疲労困憊していたの。そんなある日UFOの夫婦がアパートに訪れ、住人達との不思議な共同生活が始まった・・というストーリーなのよ。

とにかく驚かされたのは、無機質なはずのUFOが情感たっぷりの役者として存在し、物語の核になっているということ。当時の映像技術ではかなり大変だったろうなと思われるシーンも多数あったけど、全く違和感が無いし、これだけ彼らが活き活きと演じきれているというのは実にお見事よ。

公開当時、SFファンタジーというカテゴリーにされていたけど、これは完璧な「人間ドラマ」だと言うべきだと思うわ。アパートの住人達のそれぞれの背景もよく描かれていて、亡くなった子供を未だ生きてると信じる老女、いつか迎えに来てくれる彼を待つ若き妊婦、孤独の中でひっそり生きるボクサーなど、その中にも幾つもの細やかなストーリーが存在するの。

悪役の立ち退き屋が、老女の母性によって人間としての温かみを取り戻すという一見ベタそうな展開も、自然にグッとくる仕上がりになっていているのはさすが。UFOはあくまでエッセンスであって、登場人物達のドラマの分だけ、共感出来る範囲が広いというのもお見事と言うべきかしら…熱いお茶でも飲みながらゆっくり心を癒やしてね。

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