原田美砂
2016年11月04日
MISA HARADA日記3 海の香り漂う展示会にて・・・編

当ブログでお馴染みの帽子デザイナー原田美紗さんのブランド『MISA HARADA LONDON』2017年春夏展示会にご招待され早速初日にお伺い。
MISAさんは素敵なレースのワンピース姿で登場・・・6年前にお会いした時と変わらず可憐で笑顔が印象的だったわ…ご本人と関係者の方々にご挨拶後、展示会場であるギャラリーに並べられたMISAさんの新作とご対面!!
今シーズンのテーマは「Underwater Love」・・・海や砂浜、花や鳥などがモチーフとなり、それはそれは色鮮やかなコレクションが会場を華やかに彩っていたの。
これまでのMISAさんの作品は女性らしさの中に尖った部分を秘めているという印象が強かったのだけれど、今回はガラッと変わり軽やかで自然体。ご本人サーフィンをされると聞いていたので、きっと海や海中の中に息づく生命体、太陽や風などを作品に投影されたのかもしれない・・・と思いながら、ひとつひとつじっくり拝見したわ。
パナマ帽にフレンチレースや蜂の巣のようなベール、鮮やかな配色のスパンコールで出来た鳥のアップリケなどポップな作品が目白押しよ…どれもMISAさんらしさ満載で飾って置いても楽しくなってしまうし、実際被ってみると相も変わらず頭にしっくりはまる被りやすさ。

身につけるとアフロの様に見えるのだろうけれど、この配色の美しさと華やかさは海の中で輝きを放つ珊瑚そのもの。ブランドのタグにも使われているMISAさんが撮影した線香花火の燃え上がった瞬間の美しさをも彷彿とさせるわ。
今回帽子自体に使われている青は所謂ブルーではなく、シアンの優しい色合いに近くて上品なのよ。
ストローハットでこういう色合いを出すのはなかなか難しいのではないかと感心していると、関係者も同じくこの青の美しさに魅せられたそう。

会場ではライブ・ペインティングのパフォーマンスが行われペインティング中も気さくにお話させて頂けて楽しかったわ。
手描きのお帽子というのは希少価値だし、キーダさんが描き出すこれまた鮮やかな色合いは今回のテーマにぴったり…意外にも彼女とはあるミュージシャンが共通のお知り合いだったりして御縁を感じてしまった。
東京はこれから冬を迎えるけれどMISAさんワールドは海の香りが漂う夏全開!!次にお迎えする帽子はどれにしようかしら・・・楽しみ。
2016年10月18日
MISA HARADA日記2 直感を信じて、進め。編

MISAさんの作品については何度かピックアップさせて頂いているけれど、彼女が英国を代表する帽子デザイナーの地位を確立するまでの経緯は誰もが知りたいことなのではないかしら?
そんなパワフル且つ人間らしい一面を垣間見る事の出来る自伝的エッセイ…「直感を信じて、進め。」を改めて読み直してみたわ。
丁度この本が発売される前、ご本人にお会いする機会を得たのだけれど本当に華奢で素敵な方だなという印象が残っているの…でも作品のオリジナリティは言うまでもなく、その男気溢れる潔さやフェミニンさには今も惚れ込んでいるわ。
10代で「海外で一旗揚げてやる!!」とロンドンに…そこから「帽子デザイナーとして成功する!!」という目標を達成するまでの努力や行動力、そして信念は並外れたパワーに裏打ちされているのよ。
読み進めていくうち女神の前髪を掴む人は目標へのベクトルが揺るぎないのだなと痛感…階級制度が色濃く自己主張がスタンダードという保守的なイギリスで外国人である彼女が、フィリップ・トレイシーなど数々のアーティストを送り出した名門ロイヤル・カレッジ・オブ・アートで学ぶ権利を取得し、更にデザイナーとして仕事をしていく事がどれほど大変だったか想像もつかない。
虐めに対してもユーモアで返し自分の考えをきちんと相手に伝えるという”郷に入れば・・・”をきちんと実践…全ては自分の毎日のお洒落にプラスαになる良質な帽子を提案する為の「自分のブランド」…そして「帽子文化を絶対廃れさせない」という信念。
人生面白いもので何かに突き進んでいる時は敵も現れるが強力な指導者も登場するもの・・・家族などのプライベートな問題もタイミング悪く起きてしまいがち…それらを乗り越えることで精神力も鍛えられていくのよね。
パワーを持つ人の周りには同じ周波数の人が集まるし己の道を切り開いていけばチャンスを得る事が出来る…本編で彼女自身「ものを作る人は孤独であり二兎を追うことは出来ないと痛感した時期があった…」と語っているのだけれど、まさにその通りだと思う…でも信念を貫き走り続けて行くことは本当に素晴らしい事だわ。