ロビン・ウィリアムス

2016年02月06日

ナイトミュージアム日記 テンポと天賦の成功編

201602032006年09年そして14年と3部作で綴った映画「ナイトミュージアム」…ファミリー向けのストーリーだろうしと後回しにしていたけれど、あの曲者ベン・スティラーと故ロビン・ウィリアムズの遺作という事も気になり3本一気見。

3部作というと1作目は予算の理由などから創意工夫が際立ち、結果を出した事で進められた2作目で制作費が増え見せ場も増やすことで中だるみ、3作目はフェードアウトか没という展開が多いわ。

しかしこのシリーズは1作目でベンとロビンの実力が軸となって見事なテンポで進行…2作目で大人の事情が見え隠れし若干停滞気味…3作目で2トップの演技力と共に見事なキャスティングで元のテンポに戻っていたわ・・・素晴らしい!

物語はNY自然史博物館の夜警の仕事を得たベン演じるラリーの初勤務から始まるの…彼は離婚した妻との間に出来た1人息子ニックを養い、彼に父親らしいところをみせようと一生懸命。しかしここでの夜警の仕事はなんと、夜な夜な動き出す展示物の管理だったのよ…ティラノザウルスの骨は猫のように尻尾を振り自らの骨で遊びたがるし、ミニチュア人形たちは集団で攻め入るし、サルの剥製はいたずらばかり・・・そんな彼らを鎮めてくれたのはロビン演じるルーズベルト大統領の蝋人形。

やがてラリーは持ち前の明るさで展示物達との意思疎通をはかることが出来るようになったわ。彼らが動き出した理由は、古代エジプトの王アクメンラーの持つ石板の力によるもので、それを狙う者が次々と現れるのよ。

1作目では秘密を知る古株の夜警たち、2作目はアクメンラーの兄、3作目ではアーサー王の騎士ランスロットとそれぞれ敵対はするけれど、どの人物、いや人形達も憎めないおとぼけキャラばかり。3作目で石板の秘密を探る展開になるのだけど、その石板を発掘した人物の息子が1作目で盗みを働いた元夜警の1人という設定も面白い。

3作通して恒例となったミニチュア人形の視点と実際の視点を対比させた画面のおかしさ、サルの役者顔負けの演技も見逃せないわ。場所も自然史博物館からスミソニアン博物館、大英博物館と移り、エッシャーの絵の中に入り込んだり、アル・カポネがモノクロームのまま出てきたりと視覚的な面白さもさることながら、やはり最大の見どころはラリーね。

テンポの良い応酬は勿論のこと、ひとり芝居とも言える猿人とのダブルキャストは大爆笑よ…更に最終章で登場した「ブライズメイズ」でもお馴染みレベル・ウィルソン演じる女性警備員との絡みは何度も見返してしまうくらい最高!!

1作目で「サッカーパンチ」のカーラ・グギノが出演したのは嬉しいけれど、それ以外でもヒュー・ジャックマンや「スタートレック:イントゥーダークネス」で印象的だったアリス・イブのカメオ出演など、スパイスの如き見事なキャスティングには脱帽ね。何よりもラリーとの絶妙なコンビネーション、蝋人形であることの嬉しさと悲しさを見事演じきったロビンには圧巻!なのだけど、この作品を最後に旅立ってしまったなんて・・・本当に辛いことね。改めてご冥福をお祈りしたい。

ブログで何度も名作が名作たる所以という事をお話させて頂いているけれど、やはり役者の天賦とストーリーのテンポというのは最も大事なのだな、と改めて痛感させられたわ…ファミリー向けというよりは映画好き向けと言えるこの3部作、是非ともご鑑賞あれ!!

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2014年12月08日

saving鬱日記 会話より耳を使おう編

20141207鬱病…以前は認知度が低かったけれど、最近では逆にそうでない人を探す方が難しいほど認知度は高まっているわ。

最近では俳優のロビン・ウィリアムス氏の悲報が記憶に新しいけれど、この病気を”治す”という概念で捉えるのは難しいと思うのよね。最愛の人を亡くして落ち込んだり、感情的な葛藤に苦しんだり、逃れられぬ状況に嘆き悲しんだり、人間は常に悲しみや苦しみに対面するもの。

鬱病はその人自身だけで無く対人関係に於いても苦痛をもたらすわ。以前精神病棟でボイストレーニングの講師を務めた際、患者さんに対して最も発してはいけない言葉は「頑張れ」だと言われたことがあるのよ。人が傷付いていたり落ち込んでいる時、善意から出た言葉や行動がマイナス効果になってしまうことが殆ど。

問題を過小評価してしまったり、「時間が傷を癒やしてくれる」「運動すれば気分が良くなるよ」などありきたりの言葉を口にしたが為に反感を買い、どう接して良いかわからず落ち込んでいる人を避けてしまうという最悪のパターンも少なくは無いわ。

自分も当初トレーナーとして患者さん達とどう接したら良いかわからず悩み、自分自身が落ち込みそうになってしまったの。一番最悪なのは「あなたの苦しみは理解出来る。自分も~を失った。」などとその人の気持ちがわかると断言してしまう事よね。その人の状況を知りもせず、問題にどう対処すべきか助言するなどと独善的でしかない。

本当に辛い時こそ、その人の立場に立った精神的支援が必要だわ。鬱を患った人達が救われたという例が幾つかあるのだけれど、病人として扱わずいつも通りに接して話を聞き信頼してくれた、話したくない場合には「自分に出来る事があれば何でも良いから言ってくれ。」とメールをしてくれた、「1度に全てを克服しようと思わず、1日、1時間、1分単位で対処していけば良い」と提案してくれた等、その人の立場に立ってきちんと考えられているのよね。

落ち込んでいる人は何よりも聞いてもらうこと、気遣われること、優しく愛されることを望んでおり、友人が自分を見捨てることはないという確証を得たがっているわ。話し相手になっても会話を無理じいせず、自分を楽しい時間を過ごす相手と思ってもらうべきだと専門家は助言しているの。

鬱になるなんて精神的に弱いから、なんて非難する人もまだ少なくはない日本・・・。友達がもし落ち込んでいたら、まずは話を聞くことから始めなくては。自分自身大のお喋りだけれど、これからは聞き上手になって少しでも穏やかで楽観的な時間を過ごしてもらえるよう心がけたいものね。と、悩むキャップを見ながら・・・ちょっとお喋りが過ぎたかしら・・・ふふふ。

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2014年09月23日

ミセス・ダウト日記 ロビンあっての物語編

20140921ロビン・ウィリアムス追悼月間最後の作品はやっぱりこれ1993年「ミセス・ダウト」でしょ…彼の出演作品は数多くて、前・中期はコメディを中心に彼の特異とする話術と器用な表現で一世を風靡し、後期はそのイメージからの脱却を目指してダークな役柄に挑戦してみたり頑張ってみたのですが、やはりロビンはそのユーモアと優しさが溢れた役柄こそが真骨頂だったのですね。

1980年の「ポパイ」に始まり「ガープの世界」、ブレイクのキッカケとなった87年「グッドモーニング・ベトナム」、確固たる俳優としての地位を固めた93年「ミセス・ダウト」、奇抜な物語を現実感たっぷりで魅了した95年「ジュマンジ」、役者の幅を広げた96年「バードケージ」

アカデミー助演男優賞受賞した97年「グッドウィルハンティング」、自らのルーツに制作総指揮として挑んだ99年「聖なる嘘つき/ジェイコブ」、ロボットに感情を与えた同年「アンドリューNDR114」、イメージチェンジを試みた02年「ストーカー」、そして自分に回帰した07年「ナイト・ミュージアム」。

数多くの話題作に関わり良くも悪くも作品毎に注目された彼ですが、「ミセス・ダウト」がロビン無くしては成立しない映画であり唯一無二的な傑作なので、個人的にこれがMr.ロビン・ウィリアムスと勝手に確定させて頂きます。

お話はシンプル…離婚した夫婦…ロビン演じる夫は子供に会いたいが為に家政婦に化けて再び子供と一緒に時間を過ごしますが、最終的にバレてしまって・・。結末は皆さんもご存じと思いますがここでは言わないでおきましょう。

シンプルな物語を登場人物のキャラだけで映画に集中させるのは大変です。脚本は勿論、男なのに家政婦を演じきるロビンの表現力に全てがかかりますが、彼はそれを完璧に演じきってしまいました。どう見ても背格好が女性的な部分がまるで無いのに、優しい女性。

これはロビンが本質的に持っている気持ちの優しさが、女装によって出てしまったのですね!絶対!そこに話術が重なってオバサマが出来上がり、自分に自分が憑依したパーフェクトなキャラクターが確立したのです。

彼は本質があまりに優しすぎる為に、後にストーカー的な役や殺人犯を演じても無理があったのですね。その意味ではオールマイティな優れた役者と言うよりも、専門分野に特化した学者のような役者で、それが心温まるコメディであったり、人を癒やすドラマだったり、子供になれるファンタジーだったりと、日溜まりの暖かさを持つ役者だったのです。

あまり「ミセス・ダウト」の内容には触れませんでしたが、基本はそんなロビンの優しさ全開を感じ取る事のできる素晴らしい作品なので、まだ見てない方は是非ご覧になって下さいね。

死後、彼はパーキンソン病を患っていたり、鬱病に悩んでいたりと報告されていますが、人に優しさを届ける送り手がだんだんそれが叶わなくなってきた時、どれだけのプレッシャーが襲いかかるのか常人には計り知る事はできませんがとても残念です。

あらためてロビン・ウィリアムス氏のご冥福を祈って今月の追悼特集を終わります
…安らかに
20140922


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2014年09月17日

アンドリューNDR114日記 200年越しの愛編

20140918ロビン・ウィリアムス追悼月間3作目は…ロボット三原則で有名なアイザック・アシモフの小説「バイセンテニアル・マン」を原作に製作されたヒューマン近未来SF「アンドリューNDR114」

ロビンが演じるのは主役のロボット『アンドリュー』…ストーリーは王道なのだけど彼の演技の素晴らしさが際立った素晴らしい作品だったのでピックアップよ。

舞台は近未来…NDR114と呼ばれる家事用ロボットを購入した一家は最初扱いに戸惑っていたけど、やがて人間的な感情や創造性に富んだ個性的なロボットに家族的愛情を持つようになったの。特に一番下の娘はロボットを"アンドリュー"と名付け全幅の信頼を寄せるようになり、アンドリューも彼女を"リトル・ミス"と呼び友情を深めていったわ

やがて時は流れ、アンドリューはリトル・ミスの結婚や主人の臨終などを経験し、自分自身の自由を求め仲間を探しに旅に出る事にしたの。そこで彼の生みの親であるロボット技師の孫と出会い、人間に近づけるように体の改造に取り掛る。

外見は完璧な人間になったアンドリュー・・やがてリトル・ミスの孫娘と恋に落ち、共に生きたいと思う強い気持ちから不老不死の体を捨て、"本物の人間"になるというお話なの。オープニングで、機械の部品をアレンジし工場のような流れでキャストを紹介している映像は凝っていて素晴らしいけど、やはり見どころはアンドリューの金属製の体から人間のボディに至るまでの動き、表情かしら!

金属ボディの時は被ってるのか貼り付けているのか、あまりにも良く出来ていて分からない。でも"自己"を持つ前と後の表情や感情の変化がバッチリ伝わるから、演技力と技術力の勝利と言うべきね!ブラボー!人間は"限りある生命"というものに不安や悲哀を抱きがちだけど、"期限"がある事で人間は努力するし、美しく有意義な時間を送れるのよね・・作品を見終わって改めて考えさせられたわ。

昔から自分の最期の時を思い描く癖があって、それは臨終の時「やり残した事がないな、よし!」と今までの人生に納得し、うさこを抱きかかえて逝くという図なのよ。だからこそ、今やりたい事を後悔の無いようにすべてやり切らなくちゃいけないと日々思えるわ!最期に「しまった、あれをやっておくべきだった~」という事態は避けたいものね。

この作品でのロビン・ウィリアムスは「バードゲージ」同様の特異なキャラクターだけに演じれる人が限られてくるわ。同じヒューマノイドで「スタトレ」のデータもそうだけど、感情への驚きと不思議、感情を通してのコミュニケーションと愛情、感情があるが故の憎しみと争い・・これら経験過程での微妙な表情や言いまわしがとても難しい…きっとロビン・ウィリアムスの内面的な影が演技に深みを与えていたのかと思うと…なんだかちょっと悲しいです(泣)。

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2014年09月12日

バードケージ日記 自由な鳥籠は本当の家族編

20140909ロビン・ウィリアムス追悼月間…今週は「グッド・ウィル・ハンティング」に続き1996年「バードケージ」…フランスで舞台・映画共に大ヒットした「Mr.レディMr.マダム」の米版リメイク作品ですね

「バードケージ」を一言で表現するなら笑ってホロリ…内容は本当にハートフルよ…フロリダでショークラブ『バードケージ』を経営するオーナー(ロビン・ウィリアムス)の息子が結婚すると言い出し、父の元に帰ってきたの。相手は上院議員のお嬢さんでご両親はかなりの堅物。

でも最近派閥の議員のスキャンダルに巻き込まれ、マスコミに追われる身になっていたので、クリーンなイメージ作りにこの結婚話はまたとないチャンスと大喜び。しかしクラブ経営者では結婚を許されないと思った息子は、婚約者と口裏を合わせ自分の父は外交官だと嘘をつくのよ。

そして更に大きな問題が…父はゲイで店のトップスターの男性と暮らしており、店もドラッグクイーンだらけなの。急きょ婚約者の一家が息子に会いに来る事になったから大変!

男性的振る舞いが無理だと分かった父の恋人は、いつもの女装に磨きをかけ母親代わりを演じ切るのだけど、家族の大切さに気付いた息子が告白し全てばらしてしまうの。マスコミに嗅ぎつかれ囲まれてしまった議員一家は、母親代わりの機転により女装し店のショーに紛れて無事脱出!その後若い二人は無事ゴールインよ。

とにかく何が凄いってゲイ二人(ロビン・ウィリアムス&ネイサン・レイン)の演技がとにかく素晴らしい。ロビン・ウィリアムスの器用さが十二分に楽しめるし、ゲイとしての視線のあて方を実に良く研究してる。

特に母親代わりが必死で男性になり切ろうとする場面は傑作!男性でありながら、"男性の立ち居振る舞いを否定する"演技はお見事としか言いようが無いわ。洗濯物に触れる、クッキーをつまむ、ファンデを塗る…どの仕草も表情もあまりに自然で思わず疑ってしまうぐらいよ。

もしこんな家族がいたら、絶対愛情深い素晴らしい家庭が出来るだろうな…性別うんぬん血のつながりうんぬんではない、固い絆が人間の心を幸せにしてくれるに違いないもの。美しい歌声を披露する鳥達は、世間から鳥籠で身を守る事はあるけど、本当の意味で自由。ふとした家庭の暖かさを感じたい方にピッタリ…そしてロビン・ウィリアムスの最も得意とする役所は必見です。

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2014年09月03日

グッド・ウィル・ハンティング日記 経験から生まれるもの編

20140902先月のお盆中に突然の訃報…それは名優ロビン・ウィリアムスの死去…それも自殺。なんて悲しい事でありましょうか…アルコール依存症他、様々克服しながら役者としての素晴らしさを見せてくれた彼だけに、この死は辛すぎます。

追悼の意味も込めて今月は彼の代表的な作品から何本かをピックアップ。

やはりこの作品がベストですね…1998年「グッド・ウィル・ハンティング」…主演を務める若きマッド・デイモンとベン・アフレックが脚本を担当し数々の賞を受賞した事でも有名ですが、内容的にも"人間として思い当たる部分"が良く描かれていてハッとさせられる作品でした。

物語はマサチューセッツ工科大学の数学教授ランボーが生徒達に数学の難問を出題した所、その難問をすぐに解いてしまったのはなんと清掃のアルバイトをしていた青年ウィル(マッド・デイモン)!しかし彼はその才能を生かす事なく仲間とつるんでケンカばかり。彼の才能に惚れ込みその行動の裏には何か原因があると考えた教授は、彼を一流のカウンセラーに委ねるもことごとく粉砕されてしまい、最後の手段として、ロビン・ウィリアムス演じる学生時代の友人で心理学者のショーンに彼をゆだねる事に。

高額な授業料を納め当り前のように学べる環境にある学生達、一方孤児で貧しい環境に身を置き、その非凡な才能を生かし切れないウィル…彼は仲間とつるむ楽しさを味わいながら、何かしらのもどかしさを常に抱えている。そして数学教授ランボーは輝かしい功績や地位を持ちながらもどこかで自分が持ち得ない才能に嫉妬し、ショーンは愛する妻を失い心に扉を閉ざしていたもののウィルと向き合う事で、未来に歩みを進めようとする…それぞれの立場や環境、心の中とのコントラストが見事に表現されていてるのよ

人間誰しも人に嫉妬したり、優越感に浸ったり、恵まれた環境にいるのに気付かなかったりするわよね。でも人と向かい合い、愛したり悩んだり楽しんだりといった経験をする事で初めて"生きる"という事に真剣に取り組んでいけるのかもしれない。

マイナス同士がぶつかり合ってプラスになり、プラスはプラス同士魅かれあい増幅して行く…人間ってなんだか良いかも。折角生まれたのなら何かを残したいなぁ、と自然に思えてくる嫌味の無い素晴らしい作品!

ロビン・ウィリアムスと言えば、コメディ的表現で人を笑いに包んでくれる作品が多いけど、これは彼のしっとりとした落ち着きのある俳優としての奥深さを感じさせてくれたのでした。本当に残念な彼の死でありますが、謹んでご冥福を。

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