レコーディング
2014年05月15日
Kemper日記 革命と驚きのアンプ編

日本でも昨年あたりから流通が始まって、知ってる人はレコーディングで大活躍な革命的機材なんですね。で、何が革命的かって言いますと、商品名の通りプロファイリング=個性・行動を分析してなりきってしまう・・とでも表現しましょうか。
よく、FIXされたアンプシュミレーターは色々あるのですが、このKemper最大の特徴は自分の好きなアンプの音を解析(プロファイリング)してデジタル化された特性を保存できてしまうのです…その歪みや奥行きまでもプロファイルしてしまう驚きの発想!
例えば、エフェクトBOX経由のアンプの出音も一つのファイルとして覚え込んでしまうのですよ…これでどんな状況が現場で生まれるかと言いますと、例えばプレイヤーなら重い真空管アンプを持ち歩かずに、このKemperユニット(約5kg)だけ持ってけばLIVEはOKなんですね。
レコーディングでも既に大活躍で、自分のアンプ意外にも同社のサイトから名ギタリストのリアルなトーンのファイルを利用する事ができて、それを元に自分で編集も可能なのが驚き…これが30万前後で揃えることができるのもビックリ!更にパワーアンプが無いラックタイプだと20万前後なので、スタジオワークにはこれが最適なわけなんです。
メーカーと国内楽器屋さんが提供する映像がありますので、まぁ~見て!出音にお悩みのギタリストの皆さまは是非参考に!CPUの演算速度の向上でこのような驚きの機材がこれからどんどん出てくる予感です。
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2014年05月09日
NIGHTWISH日記3 響きと歪みの美学編

この名作は2007年にリリースされ欧州で話題にそして大ヒットアルバムになったのよね。前作「Once」で最強歌姫ターヤで度肝を抜いたもののターヤが脱退…心配されたこのアルバムはアネット・オルゾン加入で新境地を開いたの。
何が驚いたかと言いますとアビーロードにて収録ってこと…アビーロードと言ってもビートルズのアルバムの事ではないわよ。ネーミングには関係するけど・・。それはイギリスの有名なレコーディングスタジオの名称。今でも第一スタジオは世界屈指の広さで、100人規模のフルオーケストラもすっぽり入る規模なのよ!

1931年にスタジオに改装されEMI Recording Studioという名称でオーケストラ等の録音が主流だったの。それが1960年近辺からロック系プログレ系のアーティストとスタジオエンジニアが新しい録音の可能性を見いだし大成功したのね。
今は第一スタジオでは映画音楽のフルオーケストラ収録で多用されて、その素晴らしアンビエンスはここでしか収録出来ないとまで言われてるわ。勿論、その背景にあるエンジニアの腕は言うまでもないわね!!ここでマスタリングするだけで音が生き生きとしてくるからその技術には脱帽よ。アビーロードスタジオツアーもあって、ここで収録された映画音楽を第一スタジオで作品を見ながら楽しむという趣向で人気らしいわ。
で、「Dark Passion Play」はアルバム制作費を1億円!!その制作日誌を見る機会があり唸らせる文面が…プロデューサーが『イギリスまで来て高いスタジオ代でそれだけの価値があるのか??』と・・結果『驚いたよ!!彼らの仕事の質の高さとセンス、ここでしか出来なって事が・・。

生フルオーケストラは波動のアンサンブルだから、そこにアンプで歪まされた音圧、特にメタル系の大音圧が混ざると生音はかき乱されてしまうし、フェーダーで生音を上げても音が在るだけで濁ってしまう…最終的には主体の歪み系サウンドの背景のようにレイヤー化されたMixで終わってしまい、手間がかかったわりにはこじんまりとした作品に仕上がるのが常だわ。
が!この「Dark Passion Play」はメタル系の大音圧とオーケストラの空気感が見事に一体化してるではありませんか・・。どのようにレコーディングされたか興味津々よ。特に一曲目の14分大作「The Poet And The Pendulum」には楽曲構成だけでなく、詳細な音場のテクニカルなお仕事ぶりに脱帽だわ。
お話がアーティストよりスタジオ寄りになってしまったけど、それだけ歴史に裏打ちされた技術が凝縮された場所とスタッフって事ね。と言う事で、これからプロのエンジニア(ミキサー)を目指している方に、是非視聴していただきたい1枚です。
PC前でちょこまか音を作っていてるだけではダメダメ…宅録もそれなりのクオリティーでできるけど、シミュレートされたエフェクトやアンビエンスはまだまだ限界があるし本質的な信号の伝送やモニター環境等々、楽曲に至る前の段階でのエンジニアリングが実は大切なのね。素晴らしい器と巧みな技があって、その中でアーティストが120%の自己表現をできるのよ。
で、肝心のアルバムはアネッタが参加することで、ターヤの荘厳さは消えて、マルコパートの男声でハードさを強調してABBA的なアネットのビブラートが妙に心地良く聞こえてくるのね。この完成形が次作の「Imaginaerum」になるのですね。
と言う事で明日はそのアネット・オルゾンの新譜をピックアップよ!
【アビーロードスタジオweb】
http://www.abbeyroad.com
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2012年09月22日
KateBush日記1 録音現場端境期編

デジタル録音と言ってもやっと最近落ち着いてきたというのが現状で、アナログからデジタルへの移行期は結構大変だったとうちのスタッフもよく言ってるわ。
特に音質にこだわる当時のアーティストも戸惑いがあったのよね。その中でも極まってるのがKateBushと言っても過言ではない。19才で1978年に「嵐が丘」でデビュー後もそのこだわりは音楽・映像共に別世界だったわ。
スタッフによれば『ドリーミング』を録音中にチャンネルが足りなくなってスタジオの壁を壊してまでコンソールを追加で仕込んだそうよ。そして全盛期をちょっと過ぎた頃にデジタル化初期の時代にさしかかってリリースした『センシュアル・ワールド』『レッド・シューズ』は本人によるとデジタルの音質が嫌いだったけど妥協も必要だったと言うことで、本人的には未消化なままのリリースって事になるの。
その後は北米マーケット仕様にこれまた不満足なPVにされたりと、実質前線から退いた感のある彼女…数年前に『エアリアル』という二枚組アルバムを発表後に"Fish People"という自分のレーベルを設立しリリースした第一弾が何と『ディレクターズ・カット』というタイトル。デジタル移行期に納得出来ていなかったその二枚をセルフカヴァーという形で作り直したとも言ってもいいアルバムね。
今の彼女の声は当時の音域からかなり下がっているので当時のようなシルキーで鋭利な響きはないけど、時を重ねた重みのある響きは、悪く言えば老い、良く言えば濃縮された美声なのだけど、勿論後者よ!。当時の音源と声を使った楽曲と、完全なリアレンジヴァージョンに分かれるのだけど、ディレクターズ・カットというタイトルだけあって本当に自分の表現したかった世界観を遠慮なく繰り広げてるわ。
特に面白かった楽曲は「ディーパー・アンダースタンディング」。サビの部分をあえて人工ヴォイス処理をしてメロを変え楽曲のテーマを今の時代背景にマッチさせより深く描いてる…当時の声と今のKateの声がとても綺麗にブリッジしてるのよ!素晴らしい!
年を経て自分の作品を上書きするのってとても勇気がいると思うのよね…この行動力に賛辞を送りたいわ!
で、明日は昨年冬にリリースされた「雪のための50の言葉」をご紹介!
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2012年07月07日
レファレンス日記 アダムとノイマンpart2編

先日エンジニアの方のスタジオを訪れた時、そこのモニターがノイマンで、あ、そう言えば書いてないやって思い出したしだいです。ピポ子はエンジニアリングには全然詳しくないのでいつものスタッフからのうけうりパターン・・。
で、プロのスタジオでは一般家庭と違ってだいたいOKを出す偉い人は後ろのソファーに鎮座してる事が多いのね。前回のADAMA7Xはとても素晴らしい表現力を持つのだけど、ニアフィールド仕様なのでベストの音で聞けるスイートスポットが狭いのよ。ちょっとでもずれるとモニター音が変わってしまうのね。ところがこのノイマンKH120A…このスイートスポットが広いのです。つまりエンジニアの席に近い音が後ろでも得られるという事…これがビックリその1。
次にこのサイズなのに中低域がとても豊かに再現される事ね。中低域がしっかりするという事は、全体として音の輪郭や奥行きが見えるって事…これがビックリその2。
そして個人的にはユニット周りのプロテクト…家は猫がいるのでエッジに爪を立てられて穴を開けられたら一巻の終わりだけどこのプロテクトがあると心配無用ね…これがビックリその3。
では、ネガティブなポイントを少々。A7Xと比較すると高域の再生レンジが今一なのよ。うちのスタッフによるとコンプとかの微調整が聞き分けにくいって言ってる。
で、うちのスタジオは両方導入予定だったのだけどスペース的に無理だったのでADAMA7XとノイマンKH120Aのどちらを選択したかというと、A7Xをチョイスしたわ。理由は自分がロック系の歌い手なのでややアコースティック的な再現能力のノイマンよりも高域にレンジが広いA7Xがベストだったのよ。もちろん2種類あればベストだけどお部屋の問題もあるので、また次のステップの時にって事で。
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2012年03月10日
シンフォニック日記part-2 ロンドンRecording編

昨年の二月のレコーディングは前回のアビーロードスタジオと同じくロンドンで…と言っても全てのパートではなくてシンフォニックの核となるオーケストレーションを中心に行われました。
5年前のアビーRECは素晴らしい仕上がりで、やっぱりアビーは違うなぁ~って実感したのでしたが、今回は全く別のアンビエンスを持ってるエンジェルStudio。ここのスタジオ名のエンジェルなんですが、実は建物自体が元々大聖堂でそれを改修してスタジオになったのです。ですのでその名残が要所要所にあってと言うか活かした設計。スタジオ奥には当時の巨大なパイプオルガンがドーンと鎮座し、天井高はどんだけ~って感じで、楽器を鳴らさなくてもそのアンビエンスへの期待で胸が高鳴ったのです。もちろんこのパイプオルガンの音も重要なとこで出てきますよ。
そしてオーケストラが入りレコーディング開始・・アビーが量的アートな響きとするとここは正しく空に抜けるような時代的アンビエンスとでも言いましょうか、決して機械的なシミュレーションでは得る事の出来ないスタジオのなです。今回の作品は打楽器がとても重要な役割を果たしているので、その打撃音が綺麗に抜けていく現場はテクニカル的に圧巻。オーケストラ、パート、コーラスとレコーディングは数日続き、微細なマイキングによる効果音の収録で終了・・インターバルを置いて自国のフィンランドのFinnvox Studioに戻って全てを仕上げて行くのでした。
オーケストラの響きとアンプ系の歪み音のMIXは前作のノウハウを更に進化させ本当のシンフォニックをパッケージングしたと関係者共々自負しているのです。
それにしても毎度感じるのが、日本の音楽業界はデジタル化の短所ばかりを利用してコンテンツを手軽に生み出すことばかりに集中して本来の音の豊かな部分の再現と創造性を無駄な工程としてカットしている・・そして音楽が売れないと言い更なる負のスパイラルに陥っている。この状況では作り手も育たず、アーティストも送り出す事もできない・・メジャーはメジャーならではのパワーで様々な試みが重要なのに手段ばっかり追っかけてどうするって感じです。
以上、スタッフによるロンドンレポートでした。明日のPart3はこの音源を元にした映画制作のお話をお届けするわね!ちなみにレコーディングの詳細は後日webでって言ってます(^_^)
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2012年02月25日
リファレンス日記 アダムとノイマンpart1編

今までは当たり前だけどレコーディングStudioでので音がリファレンスだったのだけど、ProtoolsとかLOGICとかプロユーススタジオと自宅でのシステムに同等の物が利用できるようになってきたので、モニタースピーカーもリファレンスモデルにしてみることにしたのよ!
大きなラージタイプはさすがに今のスペースでは配置ができないのでニアフィールドタイプで高性能な物をエンジニアとも相談しながらチョイス!定番のGENELEC6030AとADAMA7XとNEUMANN_KH120Aを予算的に絞り込んだのね。
で、今回はADAMA7XとNEUMANN_KH120Aの二機種を導入することに。最近はパワードモニターって言ってアンプが内蔵されてるタイプなんだけど、リファレンスという観点で最近はこのタイプの方がプライベートな空間ではベストね。
GENELECは色々とスタッフがお付き合いがあって導入したかったのだけど、あえて見送り。何故かというと、今回欲しかったサイズでノイマンという新しい製品が出てきたので、是非それを試したかったからなんですね…ごめんなさいねMr.マルティカイネン<(_ _)>
最初にADAMのA7Xが届いたのが先にセッティングしてみたわよ。
A7Xは特徴は何と周波数特性が42Hz~50kHz!!って事ね。50Khzってのがびっくりよね!これは独自のARTトゥイーターで高解像度になのよ。だから高域がジャリジャリしないのね。このサイズながら豊かな低域とも相まってレコーディング専門性での高評価がうなずけるわ。
まだ届いたばかりなので仮セッティングと言う事で、うちの技術担当者が色々シビアに調整後にレビューをお届けするわね・・フフ。
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2012年02月12日
アンドレア日記 起動編

新作のレコーディング話は色々あったけど、何だか人間関係が複雑で大分遅れたって言ってるニャーよ。
何でも今度のアルバムは物語が先にあるらしくって、今から脚本書くって・・どんな話になるのかなぁ~「ミーも出てくるのかぁ?」って聞いたら・・あっさり、「ない!」って。
じゃ~鰹節食って見てるニャー(=^..^=)
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