メリッサ・マッカーシー
2017年04月01日
SPY日記2 史上最強の女、再び!!編

「ゴースト・バスターズ」、「デンジャラス・バディ」そして大好きな「ブライズ・メイズ」を手掛けたポール・フェイグ監督の2015年作品「SPY」…メリッサと監督の強靱なタッグは今回も破壊力絶大よ!!
予告編で期待大だったのに愚かにも日本未公開ではあるけれど吹替版はかなり良い感じで大満足…キャスティングも毎回天晴れでCIAイケメン・エージェント、ブラッドリーにジュード・ロウ、同じく単細胞の筋肉系エージェント、リックにジェイソン・ステイサム、気の強い美人敵ボス、レイナに「ブライズ・メイズ」で好演のローズ・バーン、裏切り者の美人エージェント、カレンに「ゴッサム」でお馴染みのモリーナ・バッカリンと適材適所よ!!
でも最も気になったのはメリッサ演じる内勤分析官スーザンの親友ナンシー…メリッサが小柄でふっくらしているのに対しナンシーは背が高く顔が長いので、そのビジュアルのバランス感は絶妙よ。
物語はCIAの内勤分析官スーザンが核爆弾の隠し場所を知る男を追跡する憧れのエージェント、ファインをいつものようにサポート、でも真の黒幕であるレイナに見つかってしまいファインは殉職…スーザンは持ち前の勘の良さと分析力を活かしレイナがテロリストに核爆弾を売ろうとしている事を突き止め現場に出たいと志願…願い叶って凄腕エージェント、リックと共に現場に乗り込むも彼に罵倒され邪魔されるばかり。しかしスーザンは聡明な頭脳と行動力を駆使し、遂にレイナに近づくことが出来たけれど・・・という、これまた見事なアクション・コメディ。
本作もメリッサの魅力が余すところなく描かれ黒髪のボブにアイラインはなかなか似合っていたわ…でもやはり調査の為に変装した際のウィッグと猫シャツなどの”おばちゃんスタイル”が最高…どのパターンも彼女らしく着こなせているのが素晴らしいのよ!!
これまでの作品同様、美男や美人は酷い目に遭うか死ぬかで、地味で目立たない女性の一生懸命でパワフルな面が描かれていることに好感が持てるわ…どんな状況でも自分が最善だと思う方法を選び突き進む・・・スタイルが悪かろうが、年を取っていようが関係なく自分が女子であることを楽しむ、そんな姿勢が頼もしく可愛らしい。
黒幕レイナは冷酷でスレンダーで髪も決まっているけれどファッションがどこか外し気味だったり、素っ頓狂なメリッサを心のどこかで信頼していたりと”いつもの”憎まれ役ながら憎めないキャラ…メリッサとは異なるベクトルで自分を貫いていて、どことなく気が合うのもわかる気がするわ。
男性陣は全員良いところ無しで引っかき回すか味付け的な役であるのに対し女性陣は自由奔放にみえて強い…この構図が実に小気味良いバランスを作っているのよね。
相も変わらずメリッサ及び女性陣のトークはテンポ良く作品全体の核になっているわ…オープニングは「007」を意識した絵作りや楽曲で、これまたツボを突いていて大爆笑…個人的にはスーザンが危険を知らせるためにライブ会場のマイクを使うシーンでそのマイクに流行のピッチ補正ケロケロ・エフェクトがかかっていて使えなかったというオチも大ツボよ。
エンドロール後にこれまたどんでん返しがあるので是非じっくり見て頂きたい!!ガールズ・パワーというと軽く聞こえてしまうかも知れないけれど、この映画も生命力の強さを存分に堪能できるので、疲れている時にオススメです!!
次回はこれも日本未公開な「THE BOSS」をご紹介しましょう!!
2016年08月26日
ゴーストバスターズ日記2 コメディエンヌ達がもの申す!!編

しかしそんな風当たりの強さも人気のバロメーターという事で絶賛公開中の2016年版「ゴーストバスターズ」。
最初にピックアップした際もポール・フェイグ監督&キャスティングだけでまず見たい!!と思っていたのよね。
なにせアメリカを代表するコメディエンヌ、クリステン・ウィグにメリッサ・マッカーシーの「ブライズメイズ」チーム、クリステン同様「サタデーナイトライブ」のケイト・マッキノンが「ゴーストバスターズ」のメンバーを演じるなんて最強よ。
物語はほぼオリジナルを踏襲しており今回はクリステン演じる素粒子物理学博士エリンが、以前共に心霊現象を研究していたメリッサ演じるアビーと再会し幽霊の調査を手伝った事をきっかけに共に失職…それならば自分達の知識と技術力を駆使して幽霊を捕らえようと会社を興すことに。
ケイト演じる原子力エンジニアのジリアン、地下鉄職員でNYの街の歴史に詳しいパティ、そして筋肉美とルックスだけが取り柄の電話番ケヴィンが加わり「ゴーストバスターズ」は幽霊退治を請け負う会社としてスタート…やがて街中のあちこちに幽霊が出没するようになり、それはある大きな事件を引き起こすことに・・・というものよ。
オリジナル版で出演していたシガニー・ウィーバーを始め、ビル・マーレイやダン・エイクロイドなどのカメオ出演も見物だけれど、やはり見どころはエリンとアビーの自然過ぎる演技と過激な言動ね。
一番気に入っているのはエリンが時代遅れのリボン付きブラウスをジリアンに指摘された際の応酬や無能ながら男前のケヴィンに一目惚れしゴクッと喉を鳴らしたり、彼が口を付けたコップをわざわざ理由をつけながらそっと飲み干したりするシーン…これらちょっとした場面での演出が抜群にセンスが良く、強いてはキャラクターを深く掘り下げることに繋がっているのはさすがよ…“ただ面白い”のではなく例え卑猥な言葉を発しても非情に知的であるというのは見事だわ。
少し残念なのは字幕版でこういった小気味よいユーモアが拾え切れていないかな?と思った事ね…彼女達独特のテンポの良い言いまわしや皮肉などを100%表現するのは熟練者であっても難しいかも・・・。
それにしてもケヴィンは物語のエッセンスとして非常に美味しい…「ソー」で雄々しいヒーローを演じたクリス・ヘムズワースに筋肉おバカのケヴィンを演じさせるなんて、これまたうまいキャスティングではないかしら…周囲のレベルが高いせいか個人的には彼のコミカルさにピンと来なかったけれど、ソーの筋肉質な美しい肉体を自虐的に扱うという点だけで大成功ね。
劇中エリン達は世間や男性達や権力者達から様々な妨害や中傷を受けるのだけれど、これはまさに彼女達が公開前に現実世界で受けたものと同じ…それでもガールズ・パワーで立ち向かうという気迫は本編も現実も全く一緒だったわ。
中傷や批判も幽霊同様実体の無いもの・・・しかしそれらを見事に封じた彼女達のバスターズぶりを心から讃えたい…エンディングで次回作の振りがあったので期待したいけれど、クリステンとメリッサのコメディエンヌ・コンビは破竹の勢いだし、そのうちどちらがオリジナルかわからなくなってくるかもしれないわね…先ずはまだまだ世にはびこる女性蔑視と批判を退治しなくちゃ!!!
そうそう、あの名フレーズ楽曲もアレンジ色々で楽しませてくれますよ〜。

2016年06月24日
ゴーストバスターズ日記1 世界は女が救う編

リブート版の見所は何と言っても主役のバスターズが全員女性!!…それも核となる主役はあの「ブライズメイズ」メンバーのメリッサ・マッカーシーにクリステン・ウィグで監督は同じくポール・フェイグとなれば面白くない訳がありません。
ところが、この新作・・・制作発表から現在に至るまで北米で結構なバッシングを受けており、その理由が『ゴーストバスターズは男が主役な作品』だとか『女版なんか魅力なし・・・』等の若干差別もあったよう。実は去年、日本国内でも配給会社のやる気の無さが漂っていたとか。
でも公開が間近になりメリッサ他4人の女性陣がトーク番組等で宣戦布告的な勢いで頑張ってるので、このままヘイトな連中はバスティングされてしまうでしょう!!
日本公開は8/19ですから皆で劇場でゴーストバスターズ!!って叫びましょうね!!
今日は予告編ではなく、主役の1人クリステン・ウィグ演じるコロンビア大学の素粒子物理学博士エリン・ギルバートのカットとお洒落なポール・フェイグ監督のメイキングをお届け。
お話としては、彼女の心霊現象の科学的立証研究が大学側から毛嫌いされクビに・・・で、ゴーストバスターズ社を起業するシーンです…「ブライズメイズ」の彼女も素晴らしかったですが、今回もこのカットを見ただけで大笑い…そうそう、「ソー」のクリス・ヘムズワーズも出てますからね!!
【公式web】
http://www.ghostbusters.jp/index.html
2016年04月20日
BOSS日記1 R指定の女帝編

主演は大好きなメリッサ・マッカーシーで監督は旦那と言う完璧なファミリービジネス仕様が素敵よね。
物語はビジネス界で女帝と呼ばれたミシェル(メリッサ)がインサイダー取引でお縄に…半年の服役を経て女帝当時のアシスタントだったクレア(クリステン・ベル)宅に身を寄せるが彼女の娘がガールスカウトでちょっと学校に参観するとこから物語はR指定全開に。
ガールスカウトが売るブラウニーの収支報告が発表されるのだけど、それを聞いたミシェルの女帝魂に着火…一気にその才覚でガールスカウト集団を仕切って猛進…その過程がR指定全開で予告編を見る限り大笑いよ…ロッテントマトでの評価は18%と低調だけど、それが逆にコアなお客さんの高評価につながり興行収益も女帝モードでKOって感じかしら。
メリッサとクリステンは元々16年前からコメディ劇団を主宰していて息はピッタリ。そして旦那のベン・ファルコーンも監督で開花させるメリッサは素晴らしい才能ね…特に「ブライズメイズ」での存在感は凄かったけど日本では殆どピックアップされない女優なので、これを機に是非普通に紹介して欲しいわ。まあ、配給されるかも微妙だけど・・・。
予告編も2種類有り通常タイプと、お下品なフレーズ満載RED BAND仕様がありますが今日はノーマルで…彼女にたてつくとお尻の穴にチョコつっこまれちゃうぞ(*_*;)
2016年02月27日
SPY日記1 世界をおデブに託す編

ゴールデン・グローブ賞他、権威ある賞でノミネートされた作品「SPY」…主演はあのキレ味の良いデブキャラで世界を圧倒しているメリッサ・マッカーシー…監督は「ブライドメイズ」「デンジャラス・バディ」のポール・フェイグ。
きっと日本でも公開され話題になるかなと思いきや、配給会社からは完全に無視されてる状況なのでその予告編をお届けよ。物語はメリッサ演じるCIA職員スーザン…職員と言っても現場のエージェントではなく、それを本部から補佐するアナリスト…ある事件をキッカケにそんなスーザンがあろう事か武器商人の世界に潜入するハメに…世界の危機が彼女に託されてしまったのです・・・。
共演はあのジュード・ロウに「ブライドメイズ」でも強烈な嫌味の女性を演じきったローズ・バーンと、たまらないキャスティング。
どうも日本の配給会社は女性主役の作品を見下す傾向が強く、同じく「ゴーストバスターズ」女性版に関しても国内企画現場ではやる気の無さがアリアリなんですよ…ここだけの話。因みにこの作品にもメリッサはバスターズのメンバーとして登場しますから楽しみ。
それと2年前にピックアップした「エクス・マキナ」も同様に現在様々な映画賞でノミネート&受賞してるのに結局配給されませんでしたよね。よく洋画は右肩下がりと言ってる人多いですが、メリッサも含め新世代の役者や監督を紹介しないので自ら自分の首を絞めてる事にそろそろ気付いた方が良さそうです。海外の友人からも『日本って遅れてるんだね〜』と・・・。
それはさておき、この「SPY」…ポスターも007「スカイフォール」と数々のSPY映画がオマージュされていてそれだけでも早く見たいです。
2015年03月14日
デンジャラス・バディ日記 全員プロフェッショナル編

主演のサンドラ・ブロックは彼女の代表作のひとつである「デンジャラス・ビューティ」同様FBI捜査官を演じており、その時のイメージを彷彿とさせるという相乗効果もあって、この邦題は実にお見事。メリッサ嬢は今回サンドラ嬢とパートナーになる市警察の女刑事を演じ、彼女自身が持つ強烈なコミカルさを前面に出しつつも、サンドラ嬢演じる真面目なエリート女性のコミカルさも引き立たせるという、コメディ女王の実力を見せつけてくれたわ。
物語は優秀で真面目一辺倒のFBI捜査官アッシュバーンが麻薬組織捜査の為にボストンにやって来るところから始まるの…そこで地元市警の暴れん坊、マリンズ刑事と共に捜査をすることになるのだけど、あまりにも対照的な2人は衝突するばかり。
当初アッシュバーンは出世の為に事件解決に打ち込んでいたけれどマリンズが自分の家族を守り、ひいては警察官としての使命を全うしようとする姿勢に打たれ次第にうち解けていくの…人とは交われずどこでもはみ出し者だった2人は唯一無二の凸凹コンビとなり、遂に麻薬組織のトップを突きとめることに成功するのだけれど・・・というお話。
「ブライズメイズ」同様さすがだなと思うのは、脇を固めるサブキャラがかなり個性的でありながら絶妙な匙加減で配置されているのよね。アッシュバーンとマリンズのメインディッシュを中心に完璧なフルコースを堪能したような満足感があるわ。
見所は、やはりアクション・・・だけではなく、まず美人のサンドラ嬢がガードル姿や鼻からピーナッツを吹き出す姿・・・だけでもなく、イケていないピン留めをマリンズに指摘されて外したり、隣の家の猫を勝手に自分の癒やしにするキャリアウーマンの孤独と可愛らしさかしら。
そしてマッカーシー嬢のまんまるなボディが自由自在に飛び回り、テロかと思うほどの毒舌のあとに愛情の毒がふとこぼれ落ちるのも見所ね。アクションコメディはすっきりと、落ち着くところに着地がセオリーだけど、その点を嫌味無く、しかも所々に小さな仕掛けを作り飽きさせることなくゴールに向かわせるのはさすが!!
俳優陣のレベルの高さは言うまでも無いけれど全編通してのテンポの良さオープニングの70年代刑事もの風の構成、特に秀逸なのは音楽の使い方ね。『Boston』に『April Wine』や『Ted Negent』に『Dee-Lite』他・・・エンディングには『Kimbra』とピックアップするアーティストもツボながら、シーンに応じて組み入れてくるこの選曲は「サッカーパンチ」に匹敵するセンスの良さ!!
しかもエンディングの頭に突如挿入されたエピローグ、通常は簡潔に締めて再びエンディングテーマに戻るパターンが多いけれど、今作はそのセオリーを見事に打ち破り、更に間延びさせないという2段構えで魅せてくれました。
作品を創るというのは脚本も役者も編集も重要ではあるけれど音の使い方ひとつで更に粋に仕上がるのだということを思い知らされたわ。それはで、エンディングのキンブラ「Come Into My Head」でも見ながらもう一度エンディングを楽しもうっと・・・。
2015年02月18日
キューティ・コップ日記1 過激な女編

国内では過小評価されている素晴らしい女優で、もし今回もアカデミーにノミネートされていなければ絶対に公開されなかったであろう「ワイルド」なんですが、今日は更に彼女の次回作「Hot Pursuit」をご紹介致しましょう…話題の「ワイルド」はシリアスなロードムービーなドラマなんですが、これもテキサスを横断するロード・ムービーなんですね。
やはり彼女の真骨頂はコメディ…大出世作となった1999年大傑作「ELECTION」で見事に米文化を凝縮したような女子高校生を演じ、一般的には「キューティ・ブロンド」でブレイク。
特徴は何と言っても目鼻の表現なんですが、これが全開するのがコメディ系作品なんですよ…この「Hot Pursuit」は直訳すると「ホットなお勤め」ですからちょっと色艶的なニュアンスもあります…その艶の部分はソフィア・ベルガラが演じるわけですね。
さて、どんなお話かと言いますとリース・ウィザースプーン演じる婦人警官が、ソフィア・ベルガラ演じる麻薬組織のボスの未亡人を証人保護プログラムでテキサスを横断して法廷まで保護同行するのです…これだけでほぼどんな内容か一気に想像できます。
真面目で小柄で全く色気の無い警官が、正反対でお色気ムンムンを未亡人と一緒に旅をするのですから、それだけで笑いが込み上げてきます。勿論証人保護同行がすんなりいくわけも無く、麻薬組織に命を狙われ、困った事に麻薬組織から買収されてる身内の警官からも追われるハメに。
予告編でもその女性二人の凸凹ぶりが北米での大ヒットを予感させます…できれば日本でも公開してほしいですが、女性コメディ系は配給各社が力を入れてないのでメリッサ・マッカーシー作品同様にスルーされる可能性大かも。ちなみに「ゴーストバスターズ」のリメイク版も女性陣が中心ですから、国内配給も是非この分野の宣伝戦略を強化して欲しいものです…市場環境を育てる事も重要ですよ。
2014年10月03日
サマンサWho?日記 自分の裏表編

物語は…主人公サマンサ(クリスティナ・アップルゲイト)が交通事故で今までの記憶を喪失してしまうところからお話が始まるのよ。実は、それまでの彼女はキャリアウーマンで、いわゆる嫌な女としてブイブイ男を振回していた悪女。すべてがリセットされてしまった彼女は心優しい家族や友人の協力で"ニュー・サム"として再出発を試みるけど、時たま過去の自分がよみがえり自己嫌悪に悩んでしまうの。
このお話で共通しているのが女性の信念の強さかしら。ポジションに関係なく自分を貫く姿勢が明確に描かれていて、対照的に男性陣はヨワヨワ。その女性同士が衝突する時のスクリプトが実に良くできてるのよ。女性の本性を鋭く巧みに絡めているけど優しさが必ず隠れてる・・だから見ていてとても面白いのね。そしてヨワヨワの男性陣も、実はしっかり包容力が根付いているから物語のバランスが心地よいのよ。
サマンサを取巻くキャストも実によく練られていているわ。悪女時代の悪友アンドレア(ジェニファー・エスポジート)、事故前はサマンサに相手にすらされなかったけど今は親友のディーナ(メリッサ・マッカーシー)、記憶を無くした事を期に親子関係修復に走る両親、そして彼女の過去と今の接点となる元彼と、シンプルながら深みのある演出がなされているわ。
最も好きなキャラは悪友アンドレア(因に家の猫の命名の由縁)が自分の美しさを知り尽くした上で発する"アンドレア語録"なの。例えばカフェで窓際に座るディーナに彼女が「反射で髪をキラキラさせたいから、そこどいて!」と席を無理に替えさせたり、わざと大きなカップを持ち「手がキャシャに見えるから好き」と言ってみたり、言動や行動が憎たらしく見えて実に可愛らしい…日本語吹替もスタトレ「ヴォイジャー」のセブンの沢海陽子さんでこれもツボ…物語が進むにつれアンドレアの心の奥底が垣間見える場面もあったりして、更に好きになっちゃったわ。
日本のホームドラマは鼻につく部分が多いけど、この作品は家族の暖かさや人間同士の繋がりをコミカルでありながらしっかり描かれているのが素晴らしいの。小気味良い会話も、1話1話の完結のし方も実に鮮やかでお見事!見終わった後はいつも爽快な気分になるわ。
もし、ある日突然自分の記憶が無くなっていたとしたら・・ちょっと怖いわよね。でも、今まで犯してしまった失敗や後悔を忘れて切り込んでいけるかも!
2014年09月27日
泥棒は幸せの始まり日記 コメディ女王メリッサ降臨!!!編

大好評だった前作「ブライズメイズ」でもその体格同様、圧倒的な存在感を見せつけた我らがコメディの女王、メリッサ・マッカーシー嬢が主演とくれば期待度は高いわ。
物語は金融系会社に勤める真面目なサラリーマン、サンディが詐欺師のダイアナの策略にかかり、自分の個人情報を漏洩させてしまったことでクレジットカードを限度額いっぱい使われてしまう所からスタート。しかもダイアナはその破天荒さから事件を起こし、転職を考えていたサンディに次々といわれのない汚名がふりかかるのよ。
彼は己の無実を証明するためにダイアナを捕らえ、転職先の上司と警察の前で証言させようと遠く離れたフロリダまで旅に出るの。期限は1週間、旅費も切り詰めながらの過酷な状況…愛する妻と子供を支えに、サンディは一世一代の大捕物に挑むのだが・・・。
やはり見所はメリッサ演じるダイアナのおばちゃん要素満載の応酬ね。こそ泥であるにも関わらず悪びれず、常にダイナマイト・ボディ揺らしヘアメイクを気にする姿は可愛くて好感が持てるわ。この役は、メリッサ以外のキャスティングは考えられないわね。
前半は外見的な部分から発生するコミカルな珍事が目白押し、後半は何故ダイアナがこそ泥を始めたのか、その理由が語られると同時にサンディの成長ぶりがじっくり描かれていくわ。
前半の所々でもその伏線であるダイアナの人恋しさ、ずっとついて回る疎外感などが描かれ、笑いとシリアスさの配分がきちんと計算されているの。ただ「ブライズメイズ」の時はその匙加減がかなり絶妙だったので、今回は若干大味に感じたのは否めないかも・・・。
しかしながら、メリッサの熱演には毎度の事ながら拍手!ね。アメリカの社会システムを知るという点でもなかなか興味深く、おさまるところにおさまる安心感が心地良い1作と言って良いかしら。
毎回メリッサを見ていると、その内面から滲み出てくるキュートさにノックアウトされてしまうのよね!更に本作でも愛しのご主人と共演し、プライベートの仲の良さも垣間見えて羨ましい。
日本でもようやくぽっちゃりさんが可愛いという認識が高まってきたけれど、まだまだ外見重視、内面から滲み出る可愛らしさという域には到達していない気がする。とにもかくにも、本当の意味でダイアナのように可愛い女を目指したいものだわ!
そうそう、初めてメリッサ・マッカーシーを知ったのは、TVドラマの「サマンサ Who?」で、毎回グラマラス美女のアンドレアと比較されてしまうポジティブな女性役…後ほどピックアップ致しましょうね!
2014年02月23日
ブライズメイズ日記 史上最高のウェディングコメディ編

脚本と主演を務めるクリステン・ウィグは「サタデー・ナイト・ライブ」で人気の女優というだけあって、そのコミカルなセンスと間の良さが際立っているの。物語はクリステン演じる妙齢の女性アニーが親友のリリアンのブライズメイドを引き受ける事によって数々のハプニングが勃発…そしてその事によって2人の友情に亀裂が生じてしまい最終的に結婚式はどうなるのか・・・?というものよ。
とにかくアニーは恋人に弄ばれるし、開業したケーキ屋は潰れ、母の紹介で行った宝石屋ではうまく仕事が出来ず解雇、アパートは金欠で追い出されるというどん底人生。親友リリアンの彼は意外にリッチで人脈も広く、他のブライズメイズは金髪美人で3人の息子を持つ従兄弟のリタ、新婚で少女のようなベッカ、メリッサ演じる花婿の妹のメーガン、そして超リッチな花婿の上司の妻ヘレンという強力ラインナップ。
特にヘレンは美人で完璧…ブライズメイドの経験もある為何もかもそつなく仕切るのよ。一方アニーは食事会を仕切れば、肉を食べなかったヘレンを除き全員食中毒になりドレス選びで嘔吐と下痢の嵐…ヘレン提案の独身最後のパーティを行う為ラスベガス行きの飛行機では、飛行機嫌いの恐怖心から酒を飲んで大暴れ・・・結果全員飛行機を降ろされてしまうの。
この飛行機内のやり取りが見事で、酒に酔ったアニーが皆にちょっかいを出す様がコントの様にテンポ良く構成されているの。これはやはり「サタデー・ナイト・ライブ」の経験が大きいのかしらね!
アニーがコミカルな酔い振りを披露している間、同じ時間軸でリタとベッカの実生活の傷の舐め合いがレズ的に展開していたり、完璧へレンが謙虚な姿勢を見せつつもその中でリッチさをアピールしていたり、メーガンが隣の席に座る男性の職業を航空警察と疑いあからさまなモーションをかけたりと、一見滅茶苦茶ながら各自の人物像が浮き彫りになっているだけでなく、それらを同時に絶妙なタイミングで織り交ぜているのが更なるおかしさに繋がっているわ。
しかもアニーが機内を混乱に陥れた後、航空警察と見込んだ隣の男性は本物だったというオチもついてきっちり纏められていたのも拍手!
笑いの部分はシリアスな部分の配分があってこそ更に引き立つ・・・というセオリー通り、ほっこりする部分がじんわり挿入されているのもまた拍手。
そして最も感心したのはアニーの下着!遊ばれていた彼の所でお泊まりするときは青いシンプルなブラに柄の合わないショーツ、後に彼となる警官とのお泊まりでは、同じ形で色違いのピンクのブラ…これはアニーのお金の無さと色気の無さをしっかり表現しているのよ。細かいところだけど重要な事よね!
そして、一番の親友であるはずの自分が失敗ばかりで完璧なヘレンに嫉妬すると同時に自己嫌悪に陥り、最後は爆発するアニーの心情は女性なら誰でも経験する事ではないかしら?
大好きな友達が他の友達と仲が良いと面白くないという女性ならではの子供じみた部分も非常に良く描かれていると思うわ。
ダメダメ・アニーが最終的に沢山のハッピーを手にしていくのは、わかっていても心地良いと感じてしまう…特に素晴らしいと思う点は個々の強烈なキャラクター全てを活かしきり、連続コントの様にテンポ良く、セッションの様に満ち引きが気持ちいい。しかしながらこの作品、コメディという枠を超えてしまっている気がするのは私だけではないはず・・・是非確認してみて!