フランク・ミラー

2016年06月01日

300-The Art Of The Film日記 何度も楽しめるあと味編

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ザック・スナイダー監督が世界に注目された作品「300」…何度鑑賞しても血湧き肉躍る感動を覚えてしまう。特に2007年公開の第1作目はストーリーも演出もビジュアルも重厚で、生きる為に戦う意味を改めて考えさせられたわ。

そんな神作を映像で楽しむのも良いけれど制作過程はどうなっているのか知りたくて「300-The Art Of The Film」を入手…大判の横長のサイズで見やすく英語の解説も非常に理解しやすいの。

シーン毎のイメージスケッチ、メインキャラクターの衣装デザインも見応え十分…元々フランク・ミラーのグラフィック・ノベルだけど紙面に描かれた瞬間からあの壮絶な世界観が確立されているのだと痛感したわ。

冒頭スパルタの少年が猛獣を倒すシーンではてっきり猛獣がCGだと思い込んでいたのだけれど実際は獣の前面のみ作られており、手動で4人、デジタル操作で2人という大仕掛けで撮影されていたのよ…最終的にザック監督お得意の独特の色味が緊迫したシーンを盛り上げていたけれど、このデジタルとアナログの絶妙な融合の賜だったとは・・・!!そのこだわりと手法を知る事で更に楽しめるわ。

その他にも「Tree Of The Dead」という人間の死体で構成された樹が登場するのだけど、こちらも実際にミニチュアの人形で作られたと知り驚愕…さほど大きくないサイズにも関わらず、その1体1体のリアルさ・・・血や臓器の生々しさには目を見張ってしまうわ。劇中ではリアルなサイズで登場したけれど、これほど精密に作られているのでサイズ感は全く感じられず・・・これはもう国宝ものの腕ね。

20160602そして最大の見どころは絵コンテ!!…しかも左ページいっぱいに絵コンテ、右ページに実際の映像が構成されているの…絵コンテはラフなものだけど、そのシーンの雰囲気や躍動感が見事にパッケージされていて直球で伝わってくるわ。

先日ある日本人若手映画監督の絵コンテを拝見したのだけれど、ただ一定のコマ割りの漫画を見ている様でそこでどんな映像を捉えたいのかは全く伝わってこなかったわ…しかしこうして改めて世界レベルのものを見れば絵コンテ本来の意味というのも理解出来る…簡略ではあっても”線が全てを語る”という感じかしらね。

映画では異形の者やモンスターが多く登場し、デザイン画を見ているとその形状の秀逸さは溜息ものよ…架空のものは一歩間違えればリアル感を失い浮き立ってしまいがち。だけど、やはりその背景にあるものを汲み取って丁寧に作られているからこそ物語の世界観にシンクロするのだという事も痛感…丁寧に描かれたデザインは見ているだけで飽きないし、紙面から香りさえ漂ってくるようよ。

最近このアートブックを使ってデッサンのトレーニングを始めたのだけれど、どのシーンも描き応えがあって練習には最適なの…素晴らしい映画はどのシーンを切り取っても絵として完成しているので、このアートブックは色んな意味で楽しめるわ。さ、今日は王妃のシーンから読み直して描こうかしら。

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2016年04月22日

シン・シティ日記 この渋きイカれた世界に・・・!!編

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「300」でもお馴染みアメコミの申し子フランク・ミラーが原作、脚本、監督を務めた2005年映画「シン・シティ」…全編モノクロで描かれているけれど時折ワンポイントで赤や黄など差し色又はフルカラーが使われることもあり、コミックの持ち味をそのまま活かした忠実な映像になっているの。

元々アメコミはリアルな絵柄であるから役者陣に違和感は無いしページをめくらずして漫画が読める、という様な不思議な感覚で進んで行くの。

物語は3つのエピソードで成り立っており興味深い事に時系列がオープニング、3番目、1番目、2番目、エンディングという順番になっている…進行順に見ていくと各エピソードで登場したキャラクターがモブ的に登場していたりして見る側がそれぞれの関係をどこで結びつけるか考えられるというのも面白いわ。

エピソード1『ハードグッバイ』ではミッキー・ローク演じる”ヘル・ボーイ”のような強面の大男マーヴが主人公…一夜を共に過ごした美しい娼婦ゴールディを殺害され犯人を追ううち黒幕が国の有力者ロアーク卿であることを突き止めるのよ…ここで登場するマーヴの保護観察官ルシールに、またもやあの妖艶なカーラ・グギーノがキャスティングされているのも見どころよ。

エピソード2『ビッグファットキル』では娼婦街の用心棒で過去の罪の為に顔を整形したガンマン、ドワイトが主人公…娼婦街と警察ではお互い干渉しないという暗黙のルールがあったのだけど、一人の警察官が娼婦を拐かそうとしたことが元で協定が破られ戦争に…ここではデヴォン青木が娼婦街の殺人兵器ミホを演じており、セリフがないまま石川五右衛門ばりに刀を振り回してるのが良いわ。

エピソード3『イエローバスタード』ではブルース・ウィリス演じる心臓病持ちの刑事ハーディガンが幼女殺人犯を追い詰めるけれど相棒に裏切られた上犯人の父に陥れられ殺人犯にされてしまう…刑務所から出た彼は成長した少女がまだ同じ犯人に狙われていると知り再び彼女を助けに行くの。

ストーリー的にはどのエピソードも複雑な事情や人間関係が入り組んでいて書き切れないけど、とにかく登場人物が濃すぎるのよね…レズビアンの保護観察官、食人趣味の青年、治療の副作用で全身が黄色く悪臭が漂う、ぬらりひょんのような風貌の殺人鬼など、これぞまさにアメコミ!!の振り切っても振り切りすぎない感が素晴らしい。

彼らの最期は想像を絶する潔さ、というかマニアックさで締めくくられているのも良いわ。主人公達の心情はモノローグで語られ、さほど奥行きはなくてもシンクロ出来るし、その分女性達の美しさ、ヒール達はフリークスぶりでバランスが取れている。

食事中に鑑賞するのはお薦めしないけれど、ぼんやり見ていてもついつい引き込まれてしまう異形のツボにはご用心!!渋さとマニアックさと美と醜悪さ・・・これはかなりの癖になってしまうので、閲覧注意ね!!

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2014年06月28日

ライズ・オブ・エンパイア日記3 残虐な女王の為のパヴァーヌ編

20140628スパルタの男たちの壮絶な死闘を描き、ザック・スナイダー監督の名を一躍有名にした映画「300」…公開から7年の時を経て、ついに続編「300-RISE OF AN ENPIRE(帝国の進撃)」が日本公開となったわ!勿論R指定でね。

100万の兵を率いてギリシャ侵攻を目論む、自称"神の王"クセルクセスと、たった300人の精鋭と共に戦い、『テルモピュライの戦い』で命を散らしたスパルタのレオニダス王。

彼らの戦いは終わったかのように思えたけれど、レオニダスの遺志を継ぐべく、アテナイのテミストクレス将軍は一般市民からなるギリシャ連合軍を率いて、ペルシャ連合軍に立ち向かっていく。

前作同様にフランク・ミラーのグラフィックノベルが原作…「300」の続編ではなくて『テルモピュライの戦い』と同時期に起こった『 アルテミシオンの海戦』がテーマ…前作の映像が所々にインサートされてるのが面白いわ。

何と言っても物語の要は、クセルクセス王の右腕であり、残忍且つ美しきエヴァ・グリーン演じる海軍指揮官アルテミシアね…黒髪に黒いアイライン、クリンゴン戦士のような背中に突起のある軍服を身につけた彼女はクール・ビューティー、画面に登場する度に目で追ってしまう美しさよ。

何故アルテミシアが女だてらにペルシャ軍を率いて残虐の限りを尽くすのか・・・その理由は、彼女の悲しい過去に所以しているの。

予告編を見た際、今回はクセルクセス王の過去にスポットを当て、女兵士アルテミシアとの残虐コンビの内面的なものをじっくり描くのかと予想を立てていたのだけれど、意外や意外!ひと言で言うなら「女王アルテミシア」物語に仕上がっていたわ。

とにかく主役のギリシアの将軍テミストクレスの影が薄く、兵士達の士気を上げようと力強い言葉を発しても何も伝わってこないのよ…「300」はレオニダス王のスパルタ魂がしっかりと描かれ、民族や人間の絆の深さを感じ取れたのになぁ・・と不安に思っていたところ、レオニダス王の妻である王妃ゴルゴがその役割を担ってくれたので、全体的に締まって一件落着…もう一人の主役を挙げるとするならば、王妃ゴルゴかもしれないわ。

見所は戦闘シーンで、ザック・スナイダー独特のビジュアル・エフェクトが多用されるのだけど、冒頭から連続なので辟易感は否めない。監督はスナイダーでは無くノーム・ムーロ…前作のヒューマンドラマから一転、ゲーム的なビジュアル重視という感じが強いのがちょい残念…もう少しクセルクセスを掘り下げてくれていたらなぁ・・。

「300-RISE OF AN ENPIRE」は完全にエヴァ・グリーンが本当の主役で彼女を見せるためにその他のキャストは付録的な感じ…結末に関して中途半端感が残るけど、とにもかくにもアルテミシア演じるエヴァ・グリーン嬢の熱演には大満足かしら。見方を変えて「アルテミシア物語」とするならば納得がいくかも。

そして、スピンオフで「300外伝 クセルクセス黄金の王」なる作品を是非見てみたい!

PS…米本国ではフルサイズのIMAX仕様があるのだけど日本でもフルのIMAX導入して欲しいわぁ〜

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2012年12月27日

300日記1 絵画的芸術映画編

20121219年末に映画でイライラ解消!!そんな時はこれよ…「300」

この一年で出会った嫌な奴やアホな出来事に地縛霊、それを衝撃的なザック・スナイダー監督の出世作「300」で地底の底に蹴り落とし、責め来る首をめった切りしてあげましょう!!

あ、まだ見てない方のためにご紹介…紀元前480年、スパルタ王レオニダスの元にペルシアの使者が訪れ服従を要求するの。誇り高き戦士の国スパルタはこれを拒否し、わずか300名の軍勢で100万のペルシア軍を迎え撃つというという壮大なストーリーなのだけど、とにかく実写とCGの境がわからない~。

画像のコントラストがはっきりしている為独特の質感があり、場面場面が1枚の絵として完成しているのよ。セリフを発しているから明らかに実写なのに、もしや絵なんじゃないかと錯覚する事がしばしば…こんな事は初めてだわ。

見どころは戦闘シーン!150/秒コマのカメラを3台同時に回し映像のスピードを瞬時に変えて編集する事によって、見事に緊張感のある場面が完成してるわ。更に驚いたのは生贄にされた女性が目覚めるシーンかしら。水中で撮影された映像を加工したらしいのだけど、ゆらゆらと踊るように目覚める美女はとても神秘的で、牲になる悲壮感が漂っていて良かった~。

そして何より忘れちゃいけないのは個性的なキャラクター!ペルシア王はエジプト人のような太いアイラインと山形眉毛で妖しい魅力を醸し出していてインパクトNO.1!彼のハーレムにはヤギの仮面を被った吟遊詩人がいたり、セクシーな踊り子さんがいっぱいなの。一瞬「サバト」を彷彿とさせるものがあるけど、とにかく見ていて飽きないわ。ペルシア兵も日本の戦国武将のようなコスチュームだったし、様々な国の文化が混ざりあい融合して独特の世界を完成させてるのよ!

生身の人間の撮影より、その後のコンピューターでの加工や編集に時間をかける事によって、ここまでの作品が出来るというのは物凄い事だわ。もうこうなったら、作り手側の世界観と想像力が勝負になってくるというわけね!…皆さんもスパルタの精神で戦い抜いていかないと・・やられるわよ…いや、やられる前にヤッテヤレ!!

あ、これを書いてたら来年公開のザック・スナイダー最新作「Man of Steel」の予告編が届いたのでまだの方はご覧あれ…あの「Superman」なんだけど、世界は神のような力を持つ超人が存在することを許すのかがテーマとなってるのよ…今から楽しみね!

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