ビョーク

2014年03月29日

ビョーク日記5 自然に憑依された歌姫編

20140328昨日のビョークのドキュメントからさかのぼり1997年LIVE「Live at Shepherd's Bush 1997」をご紹介。

このライブはファンクラブ限定で行われたそうで、ハコ的にもこぢんまりして良い感じ…彼女の衣装やヘアメイクも、この回がベストと言って良い程よく似合ってるわ。ステージにはドラム、キーボード、プログラミング、ライブミキシング、そして日本代表アコーディオニスト"Coba"という異色の構成よ。

ドラムのTrevor Moraisのプレイは神懸かり的で、ボーカルを肉体全体で理解しようとしている感じが素晴らしい!短いドレッドを振るわせ半ばトランス状態でエモーショナルに叩き上げる姿は一見の価値ありよ。そしてCobaもビョークの無機質トラックに見事に息吹を与えていたわ。

このライブは2ndアルバム『POST』発売後のツアーなんだけど、改めてビョークの表現には感心させられる…以前から思っていたけど、彼女はどこか土の香りがする・・精霊というか、自然に"憑依された"依代と言うべきかもしれないわね。

鼻から抜ける低音、ビリビリと張り上げるノイズの如き高音を自在に操り言霊を伝えているわ…"ビョーク音"を身にまとった瞬間、完結する世界観は圧倒…3枚のスクリーンに映像を投影する演出もどこかお伽噺話的で面白いし見所が満載過ぎて満腹状態…これぞライブよ!!

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2014年03月28日

ビョーク日記4 神霊は音に宿る歌姫編

20140323ビョーク2004年の頃のドキュメンタリー「Inside Bjork」…素顔の彼女が垣間見れてとても興味深い作品よ。

ビョークはアイスランド出身と知ってはいたものの、そこがどんな所か全く知らなかったの。映像で見るアイスランドは氷の塊がぼこっと浮いている以外、海と空だけ…昼間が22時間続き、その逆もあるんだそうよ。

彼女は学校へ向かう猛吹雪の中では大きな声で叫び、穏やかな日差しの中では草の上に横たわり囁くように歌っていたとか…彼女独自のあの歌い方はアイスランドの自然とセッションした結果生まれたものだったのね…だから誰にも真似出来ないのよ!

そして歌同様、メイクと洋服も無敵!!ファンデーションを塗らずにまっ黒シャドウをアイホール全体に塗ったり、銀座のママも仰天の縦に出っ張ってる夜会巻ヘア…良くも悪くも自らの外見もアートとして捕らえるその意気込みは敵う訳がない。

ビョークは「アーン」と文脈毎に唇を噛みつつ話すからあまり話が得意ではなさそうだけど、歌う時はのどの奥をカラカラ鳴らしたりして器用に音を操るわ…という事は、彼女は歌う事自体が言語であり、言葉を用いて話す事を必要としていないのではないかしらと思ったの。

人間というより妖精か精霊の類いなのでは・・と真剣に考えちゃう。

自分の世界を作る為に様々な音を集めてはたらふく吸収していく…その食いしん坊ぶりは留まる所を知らない…一番感心したのはPV制作前に仕事に関わる全ての人間に作品のテーマや考えを徹底的伝えるそうよ。

当たり前の事ではあるけど、そこまできちんとしているからこそ音と映像がバッチリ決まるんだわ!…名前だけのディレクターとかプロデューサーがまだまだ横行している日本の現場では耳に痛いお話しかもね…皮一枚ひん剥いてまずは自分のありのままを晒す所から始めないといけないかな・・フフ。

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2013年11月29日

キックスターター日記1 GO or Canceled編

20131124今年の初めにnewsが流れてBlogでピックアップしようと思ってすっかり忘れてた話題を改めてご紹介。

昨年の暮れにBlogでピックアップしたビョークのiPad用アプリ「Biophila」…リリース後はAppleの強力なバックアップもあって大ヒットしたのですが、もちろんこの時点でアンドロイド版リリースの予定は全くなかったのですね。

ところが、ビョークファンから教育的見地から是非アンドロイドとWindows8版も!という要望で彼女が選んだ戦略はKickstarter…でも残念ながら公募期間中に目標額に達せずファンドはキャンセルに…ビョークの知名度を持ってしてもダメだったわね…でもキックスタートではダメだったけど、この教育的価値を認めたスポンサーが後に現れて無事アンドロイド版は完成したから一概に失敗とも言えないわ…メッセージを伝える手段としてのキックスターターも存在価値があるのね。

逆にエンタメ系で成功した例では、米で人気だった海外ドラマ「ヴェロニカ・マーズ」の制作陣が映画化しようとスタジオ側にプレゼンしたのだけど「大手配給会社が製作する作品としてふさわしくない」と難色を示しNG…そこで2億円を30日間で集められたら制作するとの条件を取り付けキックスターターしたのよね。

ファンの方々に支援してもらうためにTVシリーズに出演した懐かしのキャストたちが詰めかけるという“ファン大興奮”の動画を作ったりと、ファン視点のプロモーションを短期間で展開…結果たった1日で2億円を集めるのに成功…KickStarter上史上最速の100万$を集めたプロジェクトになったわ…映画は2014年公開予定で大成功した一例と言えそうね。

ちなみに100万円以上出資したファンにはウェイター役での映画に出演することができる権利!セリフまでついてくるから嬉しい限りよね。あと、50万円以上では出資者の住む街で50名を招待して試写会開催とか色々な企画盛り沢山。PIPOKO的にウケタのは4万円以上だと、主役と原作者が1年間Twitterでフォローしてくれるとか!

日本でも似たようなクラウドファンディングサービスが始まったけど、基本的に出資法だったりとか色々規制があって、なかなか北米のようなビッグスケールにはできないわ…先の「ヴェロニカ・マーズ」も米とカナダからしか受付はできませんしね…この辺のファイナンスの仕組みはうちの専門スタッフ聞いてネタにしてみようかしら…フフ。

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2013年05月10日

ビョーク日記3 瞬間冷凍された情熱編

20130509BLOGでも色々ビョークネタをピックアップしてるけど、PIPOKO的に一番好きなアルバムはやっぱり「ホモジェニック」ね。

ジャケットを目にした時、まず独創的なデザインにノックアウトされたわ。アフリカの首長族の様なネックレスの重ねづけ、そしてアレキサンダー・マックインの、和テイストの効いた着物風ハイカラーのトップス…あまりの"神秘"ぶりに怖くなったくらいよ。

音に触れた瞬間感じたのは、"氷の中にいるような寒さ"そして"血の通った暖かさ"の二極の感覚。まさしく彼女の生まれ故郷であるアイスランドがここに存在しているわ。

楽曲の素晴らしさは言うまでもないけど1曲目の『ハンター』は情景が目に自然と浮かんでくる程ドラマティック!常に獲物を求め、立ち止まらず旅を続けるハンター…自分の使命を全うさせる為にすべてを捨て1人で挑んでゆく。

一つ気になったのは、歌詞の中に"スカンジナビア的"という言葉が出てくるのだけど、この部分をどう捉えたらいいかが悩みどころなのよ。壮大な自然を受け入れるべく生きよという事なのか、それとも装飾した世界からの原点回帰を促しているのか、はたまた女としての在り方を問うているのか…実に深い。

続いて2曲目の『ヨーガ』は緊急事態に直面した人間の感情が見事に表現されているの。生と死のギリギリの部分、そこには恐怖と絶望が存在すると同時に"究極の美しさ"が存在するのよ!

ビョークはこのアルバムで、命の雄々しさと美しさを二極の温度で感じさせてくれたわ。彼女の天才的な感性と情熱にはいつも脱帽だけど、視覚聴覚だけでなく体感温度すら奪われてしまうこんな魔的な作品は他にはないわよ…フフ。

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2012年11月25日

ビョーク日記2 新境地はいつも彼女編

201211272010年にiPadが発売されてそろそろ3年…凄い勢いで世界を席巻中よね。最近はminiも発売されて時代は明らかにタブレットに移行仕様としてるわ。勿論、これだけ全世界に出荷されてる訳だから、もう一つの巨大に媒体として確立してしまってるのよね。

そこで先進的なアーティストはここにターゲティングしたコンテンツをどんどんリリースしてくる傾向ね…その先陣を突っ走ってるのがビョークと言っても過言では無いわね。

『Biophilia』は直訳すると『生命間の絆』つまり『生命愛ね』…常に最新音楽ツールにアンテナをはってて、NYにある自宅にはスタジオ完備では夜ごと何やらやってるらしいわ。

そんな彼女のセンサーに以前から気になっていたのがiPad…初代が発売後直後にこれに特化した音楽アプリを企画したそうよ…予算規模はおおよそ20万$、アプリとしては結構な額よね…ファイナンスが決まった頃になんと制作スタッフが自腹で半分出す、つまりギャラは成功報酬で売上利益を分配という事になったらしいのよ…自信と確信があったのよね!素晴らしいわ。

実際、発売直後に凄い人気で初日で目標ラインをクリアーしたらしい。勿論Appleも企画段階からとても乗り気で、何とビョーク本人がプレゼンした会議ではこのアプリの為にiTunes Store内に特別席「Superroom」を準備してフォーマット等のアドヴァイスを受けながらリリースに至ったとの事…最初は音源とアプリの競合が難しいかもしれないって感じだったそうで、数日のキャッチボールでこれが実現した訳ね。

最新の『Biophilia』のテーマの根源は本人によると「わたしが子どもたちに伝えたいのは、音楽の構造を知れば、自然の成り立ちを理解することは難しくないってことなの」って事らしく、音楽をビョーク的・幾何学的に再構築しったって感じなのよね。

アプリも単に見聞きするだけで無く、その楽曲をユーザーがパーツ毎にいじれるようになっていたり、直感的に演奏(MIDI情報も入ってる)でき、楽譜はアニメ化されるなどして音楽アプリ単体としてハイクオリティな仕様になってるのも凄いわね。

楽曲毎に、Play/Animation/Lyrics/Score/Credits…が入っていて、その楽曲のテーマにそった表現がなされているわ。特にお気に入りは「ウィルス」でPlayモードでは増殖するDNAの核がコーラスに合わせて唇に変形したり、核毎に音がサンプリングされていたりとかとてもキモくて楽しいのよ…「Hollow」ではDNAネックレスがビョークの顔になったりとかね。アプリ制作のサポートで様々な専門分野のスペシャリストが参加してるのも見逃せないわよ。

20121126音楽も、ただ純粋に音だけで楽しんで共有して頂くのも勿論だけど、時代にマッチした表現計画も重要よね…それを自ら先頭に立ってリリースしていくビョークは本当に立派だわ!尊敬できるアーティストの一人ね!

で、丁度このブログを書いてたら、「Mutual Core」のPVがYouTubeにアップされたのよ。これを見ると今回ビョークが表現したかった世界がとてもよく理解出来るわ。ご覧あれ…フフ


【Mutual Core_PV】
http://youtu.be/ZM80F_J-QHE

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2012年11月24日

ビョーク日記1 声で戦慄サラウンド編

20121125以前サイデラマスタリングStudioの朝活で"ビョーク"特集をお願いしたところ、「ビョークのサラウンドのボーカルミキシング&サウンドデザインをさぐる」というテーマで開催して頂いたけど常に新しい技術に前向きな取り組みをしてる彼女。

ビョークは早くから高音質と5.1chを意識した創作をしているけど、その中でも際立っているのが人間の声だけで構成された衝撃作「メダラ」!

その1曲目を再生した途端…戦慄が走ったわ。どのスピーカーからどの音が出ているのか確認する為、参加者の皆さんは亡者のようにウロウロ。人間の口から躍り出るビート、悲鳴のような吐息のような息づかい、そして後方からヌッと現れる歌姫ビョーク。

改めてレコーディングのメイキング映像の様子を見直したのだけど、やはり彼女の音に対する探求心は神懸かりとしか言いようがない。頭の中で出来ているに違いない未知の音を探り、見つけているから・・。

名曲『Oceania』は楽器が入っている段階で、完璧な全体図が出来ていると言って良い位なのに、それを全て人間の声で置き換えようと言うのだから恐ろしい!実際完成した音源を聞いてみると、水中でのくぐもった音や水しぶきが見事人間の声で再現されていて、まるで水中に誘われたよう・・。イヌイットの喉を鳴らし歌やホーミー、そしてヒューマンビート…歌とは、古来人間が神に捧げてきた神聖なものなのだと改めて思い知らされたわ。

様々な機材が進化し、ありとあらゆる事が可能になった今、"元祖人間"が自分の持ちうるもの全てを集結した結果「メダラ」の誕生!家庭でこの音を彼女の意図するまま再現するのは難しいかもしれないけど、アーティスト側の気持として、出来るだけ生々しい現場の音をファンに届けたいという彼女の気持ちが充分に伝わってくるわ。

どうしても、サラウンドって言うと一般的には映像の付属的な感覚で位置づけされてしまったので、ここで修正しないとね。音楽だけのマルチチャンネルって何かを体感できる機会を多くして、是非皆さんにもこのサウンドを体感してもらいたいわ!その為にもサラウンドを普及させないといけないわね!!

明日は最近リリースされ話題となったiPad用アプリ「Biophilia」をご紹介よ。

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