ダーレン・アロノフスキー

2014年06月18日

ノア日記4 愛とは?編

20140617先週から日本公開「ノア:約束の船」…もうご覧になったかしら??

パラマウントのスタッフは「アナの雪をノアの大洪水が溶かした!!!」と大喜びで先週末三日間の興行収益が3億4千万、動員数27万人と大ヒットのスタートに。ブログでも米での完成前試写の段階からピックアップしてきましたが、遂に日本でもお披露目でその全貌をお伝えする事ができるわね。

キリスト教信者でなくとも「ノアの箱舟」を知らない人は少ないはず…まぁ〜ざっくりとですけど、生き物でつがい1組がノアの作った箱船に避難してその間に邪悪な人間を神様が水責めで一掃して、愛ある家族だけで地上界を再生される旧約聖書のお話…実際、聖書の中の記述も極めて短くて、その詳細は研究家によって資料として残ってる程度らしいのよね。

でも『ノアの箱船』っていうワードは誰もが知ってる事象になってるから面白いわね。監督のダーレンは13才の時に既に映画化を決めていたようで、彼の恩師に平和についての詩をつくり国連のコンテストで優勝したとの事…それだけこのお話には思い入れがあったようで、それが素晴らしい表現力と役者の力量によって歴史に残る作品となったわけですね。

ちなみに、その恩師は中盤に登場する片目が潰れた老婆と啓示の夢中の死体として登場してるのですよ!

ダーレン監督と言えばあの伝説的作品「π」でも見られる、主人公の心情を見事な編集で突き詰める手法が得意ですが今回も更に磨きがかかってます。何しろ時代背景が背景ですから少数の人間以外何も存在しないわけで、武器と行っても手斧程度…邪悪な人間どもとの戦いも映画的には難しいものです。ですから余計に主人公ノアの家族の心情ピーキング描写が大変なのですが、それを見事にノアを演じるラッセル・クロウの全身全霊の演技で圧倒させてくれたのです。

ノアの妻を演じるジェニファー・コネリーも家族を一つにまとめようとする健気ながらもノアのタスクを助けながら慈悲を表現する演技が素晴らしく、次回アカデミーはこの2人でいいじゃないのって感じ。

お話のキーになるエマ・ワトソン演じる旅の途中に保護した少女イラも、ダーレン解釈の『ノアの箱船』で大切な役所ですがこれも地味ながら繊細な演技力で一皮剥けて実力派女優の仲間入りの感ですね。そして、名優アンソニー・ホプキンス演じる聖書でも伝説の人物メトシュラ…その剣には彼が殺した1万の悪魔の名前が刻まれてると言う人物を演ずるのは彼以外あり得ないでしょ…賢明な指導者だが、どこかいたずらっぽい一面を持つメトシュラを完璧に再現せれてる…凄い役者に鳥肌ね。

この「ノア」はあくまでもダーレン・アロノフスキー解釈の脚本ですから、奇蹟以外にも思いもかけない事が描写されてますが、それはここでは内緒にしておきましょうね。

作品として啓示的なパートや家族に歴史を語る場面などがシンプルながらとても精巧で丁寧に作られてる事にダーレン監督の凄さを感じたのよ。近年の映画はVFXの進化で描こうと思えばとてもリアルにできてしまうけど、それを見る側に想像させる描写は見事ね…やぱり彼はキューブリック的な感性の持ち主だと悟ったわ。

問題の箱船は創世記に記述のあるサイズを現代にサイズに忠実に変換したとの事…箱船は船ではなく浮かせる物で行き着く先は神が決めるって事になるのかしら…フフ。

シンプルな物語ですが、最終的に神はノアに何を託したのか、そして託されたノアは愛をどう解釈して決断するのか。これはオススメの作品ですので是非劇場でご覧になって!

【「ノア:約束の船」オフィシャル】
http://www.noah-movie.jp/

PS…一般公開後、最近国内にお目見えした4DX仕様の劇場で鑑賞…4DXは油圧でシートが派手に動いたり、風が吹いたり、雨が降ったり、臭いがでたりと五感で作品とリンクさせる劇場なんですが、何たって大洪水の「ノア」ですから土砂降りとはいきませんがそれなりの水浴びで楽しめました。でも物語重視の作品では効果が逆に邪魔に感じる部分があり、4DXはやはりアクション系作品がベストと認識。できればATMOS仕様の劇場鑑賞をお勧めしますよ〜!

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2014年05月19日

ノア日記3 神話ファンタジー編

20140521先週、ダーレン・アロノフスキー監督が来日して既に関係者の間では盛り上がってる「NOAH(邦題:ノア約束の舟)」…早速試写を見にいってきましたよ。

公開は6/13とまだ一ヶ月ほど先なのですが、予想をはるかに上回る完成度に驚きました。昨年の完成前試写では主に宗教界から賛否両論との事で、物語の修正を迫られてるのではと心配していたのですが、北米では3D上映もなく、無事ダーレン・アロノフスキー解釈によるドラマが描写されていたのです。

誰もが知ってるノアの箱舟のお話ですが、宗教的な色彩は特に感じず、あくまでも原作が旧約聖書の神話ファンタジーで、一部宗教的に上映禁止の国もいくつかあるようですが、まったく見事なエンターテイメント作品です。

物語は(プレスリリースから抜粋)…ある夜、ノアは眠りの中で恐るべき光景を見る。それは、堕落した人間を滅ぼすために、すべてを地上から消し去り、新たな世界を創るという神のお告げだった。大洪水が来ると知ったノアは家族と共に、罪のない動物たちを守る巨大な箱舟を作り始める。

やがてノアの父を殺した宿敵がノアの計画を知り、舟を奪おうとする。壮絶な戦いのなか、遂に大洪水が始まり、ノアの家族と動物たちを乗せた箱舟だけが流されていく。閉ざされた箱舟の中で、ノアは神に託された驚くべき使命を打ち明ける。箱舟に乗ったノアの家族の未来とは?人類が犯した罪とは?そして世界を新たに創造するという途方もない約束の結末とは──?


個人的に次回アカデミー作品・監督・主演賞はこれでいいだろ!ってぐらいの出来映え

どのような解釈かはまだ言えませんが、ラッセル・クロウ他、役者陣が凄すぎ…これは公開後大ヒットしてるのもうなずけますよ…また公開間近にあらためてピックアップいたしますね…フフ。

あ、そう言えば今日ラッセル・クロウが午前中に来日してヒルズでの特別試写で舞台挨拶後すぐにシドニーへ向かう大忙しなスケジュール…彼の濃厚な役者人生でも屈指の作品だけにプロモーションも気合いが入ってます!

【ノア約束の船…公式web】
http://www.noah-movie.jp/  

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2014年04月15日

ノア日記2 箱船無事出航編

20140416昨年BLOGでピックアップした時、監督のダーレン・アロノフスキーが宗教界その他からプレッシャーを受けて一部撮り直しで公開延期も囁かれた問題作「NOAH」(邦題はノア 約束の舟)が各国で公開され北米でも公開となりました。

蓋を開けてみると予想外!?の興行成績で北米でも3/28公開…3562館で週末45億円を記録し見事にBoxofficeNo.1に。海外を含めると100億円に達する大ヒットです。

日本では6/13から公開で、まだ試写も始まってないのですが、これは楽しみな1本となりました。

物語は(プレスリリースから抜粋)…ある夜、ノアは眠りの中で恐るべき光景を見る。それは、堕落した人間を滅ぼすために、すべてを地上から消し去り、新たな世界を創るという神のお告げだった。大洪水が来ると知ったノアは家族と共に、罪のない動物たちを守る巨大な箱舟を作り始める。

やがてノアの父を殺した宿敵がノアの計画を知り、舟を奪おうとする。壮絶な戦いのなか、遂に大洪水が始まり、ノアの家族と動物たちを乗せた箱舟だけが流されていく。閉ざされた箱舟の中で、ノアは神に託された驚くべき使命を打ち明ける。箱舟に乗ったノアの家族の未来とは?人類が犯した罪とは?そして世界を新たに創造するという途方もない約束の結末とは──?…との事。

アロノフスキーによる解釈が完成前試写の段階で賛否両論だったようで、否を押しきっての公開が大成功で個人的には嬉しい限りです…そして、このポスターはラトビア共和国でのプレミアの為に同国の映画マニアによるオリジナルオルタナティブポスター・・なんともクールな作品ではないですか!

早く試写見たいなぁ〜(^_^)

【公式web】
http://www.noah-movie.jp/ 


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2013年11月19日

ノア日記1 ノアの方舟は無事出航できるか編

20131117昨日の1997年問題作「π」、2010年の「ブラック・スワン」、そして来年春北米公開予定の新作が「ノア」…タイトルとポスターからお察しの通り『ノアの箱舟』のお話。

内容的にはダーレン・アロノフスキー監督解釈による『ノアの箱舟』って事になるのかしらね…その予告編が公開されたのでお届けよ

主演は「Man of Steel」でスーパーマンのパパを演じたラッセル・クロウ…何分どのように展開するのかの情報がまだなのだけど、この映像を見る限り神話ベースの人間臭いディザスターなお話であることは間違いなさそうね。

そうそう、臭いと言えば、聞いたところによると、このノアを演じるラッセル・クロウはリアルな描写にこだわり、撮影中は殆ど体を洗うこと無く、共演者から臭くて大変だったとの余談が・・これは確かに人間臭いお話だわね。

そんな事はさておき、人間の内なる本能を徹底的に描く彼だけに今から楽しみですが、噂では旧約聖書の題材ですから、完成前試写の段階でその筋の方からは結構批判的な意見が多く、もしかしたら大幅な修正も加えられて公開延期の可能性も・・。

でもそんな事に負けないでダーレン・アロノフスキー監督作品に徹して欲しいわね。え、「ブラック・スワン」や「レクイエム・フォー・ドリーム」もピックアップしろって・・フフ、わかってますって。

そう言えば監督は数年前に「子連れ狼」の映画化を進めていたのだけど権利関係で頓挫したのよね…彼の「子連れ狼」が見たかったわ(余談)。


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2013年11月18日

ダーレン・アロノフスキー日記1 π…挑発的モノクロ編

20131116ダーレン・アロノフスキー監督をご存じかしら?…ナタリー・ポートマン主演の2010年「ブラック・スワン」が一般的には有名かもしれないわね。でも、彼の1997年デビュー作品「π(パイ)」を知ってる人は一部のマニアね…フフ。

PIPOKOも「π」が物凄くお気に入りの1本なのよ…モノクロ映画で殺気にも近い気合い…単色で表現するって本当に難しい…だからこそ物語の本質がしっかりしていないと飽きられてしまうわ。

「π」を見た時、白黒でありながらその襲いかかるくらい勢いのある映像にやられっぱなし…高度な鉛筆デッサンを見せつけられた気分ね。制作費は数百万円程度で友人から1口数万を募って完成させたとの事・・。

物語は自宅のスーパーコンピューターを使って株式市場予想の研究をしていた天才数学者が、突然暴走したコンピューターが吐き出した数字の塊を発見。それは世界を解明する万能の数式で、その数字をめぐってマフィアとユダヤの秘密結社から狙われる事になったわ。数式への誘惑とどこまでも続く鬼ごっこ・・疲労困憊した彼の選んだ道は!?

とにかくどんどん主人公にシンクロして辛くなってくるの。一番素晴らしいと思ったのは数学者が頭痛に悩むシーンよ!いまだかつて頭痛というものをこんなにうまく"音"で表現した人はいるかしら?

鋭利な金属音というかノイズ系というか言葉では言い表せないけど感覚にズン!と来たわ!!自分もひどい頭痛持ちなので納得させられちゃいましたね…ダーレンも相当な頭痛持ちとみた。

一番感動したのは、映像をモノクロにした事で余計なものが削ぎ取られ、画面には必要な部分がより強調されて浮き出てきたという点よ。そのひとつは血の色!本来の赤よりもどろっとした質感が出ていて不気味なの。そして街中の解放感、部屋の中の圧迫感もさながらその場にいるかのような臨場感があるし、人物の表情が細かく出るわ!実力のない役者だったら一発でアウトかもしれない・・。

実はこの作品の買いつけ・配給にうちのスタッフが当時関わっていて、ダーレンによれば、この映像処理に関して低予算に色々知恵を絞った結果だったと・・バストアップの画が多いのも、画像がザラザラしてるのも、効果音も…限られた時間と予算の中でどうするかだったそうよ。それが後の彼のスタイルに結びついてくるのね。

友人や家族から制作資金を借りるのもペーパーナプキンを借用書代わりにしてたとか…正に彼のやる気が周囲を巻き込んだのね…そして今ではメジャー監督の仲間入り…たいしたものね!

何でもそうだけどお金をかければ良いものが出来る訳じゃないのね。作品自体がしっかり出来ていれば、素描だろうがアカペラだろうが十分に表現できるもの。またもやこの映画によって教えられてしまった・・はぁぁ。

そして、明日はその彼の最新作「ノア」をご紹介するわね。

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