ダニエル・クレイグ

2016年01月22日

007日記6 カジノ・ロワイヤル、飾り結びは両結び・・・編

20160108最新作「スペクター」より前の007シリーズを逆行しダニエル・クレイグ初ボンドである2006年「カジノ・ロワイヤル」を鑑賞…やはり特筆すべきは、ボンドガールにエヴァ・グリーンという最強キャスティングかしら。

ダニエルボンドガールズの中で「スカイフォール」の”M”に匹敵する存在感の強さ・・・あの大きな瞳に魅入られたら最後、ボンドもイチコロよ。

以降ボンドガールの影が薄かっただけに、あの抜きん出たエヴァの美貌と知的さは007シリーズの中で伝説となり得るわ。彼女あっての新007幕開けといっても過言では無いかも・・・。

ストーリーは殺しのライセンスを得た若き日のボンドを描いたものよ…彼は国際テロ組織の資金運用ネットワークを絶つという任務を受け調査をすすめていくうち、ル・シッフルという男に行き当たるの。ボンドの横やりで資金を回すことが出来なくなった彼はモンテネグロのカジノで得意のポーカーにより資金を増やそうと目論むのだけど、そこにボンドと財務省のヴェスパーが乗り込みゲームに挑むいう007シリーズらしいゴージャスな内容になっているわ。

あれほどポーカーフェイスで洒落者であるというボンド像が”きちんと”初々しく描かれているのも本編の魅力のひとつかしら…人を信用し、愛を信じ、仕事に一生懸命打ち込む姿は、格好よさというよりも母性をくすぐられるひたむきさを感じるわ。

カーチェイスなどのアクションやポーカー対決などエンターテインメントな見どころは幾つもあるけれど、やはり見どころはボンドの純粋な愛情ね・・・エヴァ演じるヴェスパーへの好意を抱く冒頭のやり取りから生涯忘れられない愛へと移りゆく様は切ない。

ボンドに対しクールに対応していたヴェスパー・・・そんな彼女が銃撃戦後動揺し膝を抱え服のままシャワーに打たれ、そこに彼女を気遣うボンドがそっと彼女の横に寄り添うというシーンがあるのだけど、ロマンスの要素が強いこのシリーズでは必要な演出だろうし”一般的”にも気障すぎない美しいシーンなのだろうけれど・・・彼らの状況や内面を考えると少女漫画ぽい雰囲気を感じてしまったかも。

幸い自分のダニエルボンドは「スカイフォール」が初見なので、どうしてもボンド達の内面を掘り下げて見たいと思ってしまう。そういう意味合いで、伝統的な007らしい演出はちょっと鼻につく部分があるけど、ボンドのタキシードの着こなしと肉体美、ヴェスパーの外見だけではない真のゴージャスさは圧巻!!…そして彼女の大きな瞳と知的な口元が優美に物語る感情・・・美と魅力を具現化するというのはまさにこのことかもしれないわ。

ボンドが007を辞してまで愛を貫きたいと決心させたヴェスパー・・・それは決して若気の至りでは無く、運命としか言い様が無い…最終的にボンドは彼女と最も苦しい決別をする事になってしまうけれど、それがクールな007を生んだ要因だとするとかなり切ないわ・・・最後にMが母親のようにさり気なくボンドを気遣うのが良い感じなのよね。

ヴェスパーの身につけていた愛の飾り結びは真実を突きとめるためのヒントとなるのだけど、決して片結びではなかったという事が救いかも…この恋はボンドにとって生涯忘れられ得ぬものであり、教訓であり、傷であり、安らぎなのかもしれないわね・・・ふぅ。

この後180度旋回し、あの「300:帝国の進撃」では見事残忍な女王を演じたエヴァ・グリーン…ボンドの後はギリシャの猛者を堕とした模様よ…これからも彼女から目が離せないわ!!

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2015年12月19日

007日記4 スペクター編

20151210007最新作「スペクター」…前作「スカイフォール」では鬼才サム・メンデスがボンドの人間らしい部分を掘り下げ”大人の007”を見事に創り上げたわ。

そんな彼が描く最新作はどんなボンド・ワールドなのか・・・監督は今回もサム・メンデスと公開前から興奮状態…堪能後の感想としては、よくもこれだけ多くの要因をエンターテインメントとして纏められたものだ!!と感心したというのが正直なところね。

王道007スタイルやジョークの取り込み、更にオメガやビールや車等々のタイアップが以前にも増して目立ち、セリフの一部がそのまま時計の宣伝に使えるような「時を刻む・・・」などと、大人の事情が見え隠れしたわ…主題歌もちょっと。。。

物語の深み、というよりはエンターテインメント性を重視した、これまでの007シリーズを踏襲した感は否めないけどアクション・シーンの見ごたえは十分…お決まりのボンド・ガールとの関係はメンデス監督らしいさっぱりとした描写になっていたのが好感を持てたわ…一方でレア・セドゥ演じるボンドガールの印象は非常に薄く残念・・・。

物語はMの死後ある男を調査し殺害してほしいというMからの極秘メッセージがボンドの元へ届き、彼はメキシコ・ローマへ渡り調査を開始。その頃ロンドンでは国家安全保障局のトップに就任したデンビがMI6は過去の遺物であると主張しその存在を消し去ろうとしていたの。

ボンドはQ、マネーペニーはボンドの協力を得てM悲願の悪の組織スペクターの存在を突きとめる事が出来たが、そこで思いがけない自分との関係を知る事になるのよ。007シリーズで欠かせない「スペクター」のトップである”ブロフェルド”の存在・・・白い猫に指輪がトレードマーク…歴代の演じ手の中では「刑事コロンボ/別れのワイン」で怪演を見せつけたドナルド・プレザンスの印象が特に強いわ。

今回演じたクリストフ・ヴァルツも独特で良いけれど、どこか物足りない気がするのよね…前作で登場したシルヴァと今作のブロフェルドは同じ組織に属し偏執的な愛情を極めるという共通点があるけれどシルヴァの印象深さの方が脳裏に焼き付いているわ…おまけにダニエル版007主要キャラ総決算という一部写真であっても豪華な出演陣を纏める苦労もそこここに窺える。

ですが今回も活き活きとダンディズム・メーターを振り切ったボンドには拍手ね!!…そして世界の女子が狂喜乱舞するQとの絡みも増え、そこここ見どころ満載でとにかく飽きない。

白いタキシード姿のボンドは美女をエスコートし最新鋭の車をぶっ壊し、とどのつまりは颯爽とアストンマーチンで去る・・・絵空事のような色男アイコンを完璧に演じきったダニエル・クレイグはやはり格好良い!!のひと言よ。次作でもその艶姿は拝めるかしら!?。

因みにポスターは北米IMAXシアター用で印象的なオープニングのメキシコの『死者の日』ヴァージョン…ガイコツダンスが素敵です…フフ。

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2014年12月05日

ミッドライフ・クライシス日記 人生の折り返し地点編

20141205「ミッドライフ・クライシス」という言葉をご存じかしら?中年期に訪れる、人生の心理的危機を指すの。30代から40代以降の男女に多く、いわゆる中年期の思春期なんだとか・・・。

これまで仕事もプライベートも順調だと思っていたのに、突如このままでいいのかという迷いが出てくるのだそう…欧米では、この心理的葛藤が社会問題として認知されているわ。

人生に迷いが出てきた、これまで価値を見出していたものが急に無意味に思えた、そんな理由で突然家を出て行ってしまったご主人の話を聞いたことがあるけれど、これも「ミッドライフ・クライシス」の症状なのかもしれないわ。

確かに20代の頃と違い、30代、40代に入れば肉体的にも無理がきかなくなってくるもの。そうなると、肉体的にも精神的にも日々焦りが芽生えてくるわよね。男女それぞれ症状が異なり、男性は急にジムに通ったり若い女性に現を抜かしたりし始めるのだそうよ!

男性としての誇りや権威を持ち続けたいという雄ならではの欲求が仕事やプライベートに向かない場合、性的なものに走りやすくなるの。夜の銀座で若いホステスさんを執拗に口説いたりするという”おじさまの愚行”には、こんな理由が隠されていたのね。

その他にも自分の容姿に手をかけ始める、転職や起業を考える、新しいスポーツを始める、海外に滞在したいと思う、FBやTwitterを始めるなど一見前向きで良いと思うけれど、これがMCの兆候だというから驚きよ。

さて、女性の場合。キャリアを選択した場合は家庭を重視しなかった自分に疑問を持ち、家庭を選択した人は仕事を選ばなかったことに後悔するのだそう。高齢出産が可能とはいえ、やはり女性は出産のタイムリミットを考えてしまうわ。キャリアと家計の折り合いをどう付けるか、キャリアを諦め子供つくったことで全ベクトルを向けてしまい子離れが出来なくなるなど、問題は山積みよ。

でも、こう考えられるわ。若いときはただ突き進む事で精一杯だったけれど、年を経て自分と向き合うことが出来て色々なものが見えてきたのね。心理学者のユングも、これまで見えてこなかった問題や欲求に直面する時期がやって来たのは正常なことであり、これを”生の転換期”であると言っているの。

中年期は人生の折り返し地点・・・そこで悔やんだりしても仕方が無いわ。自分を理解出来るのは自分でしか無いし、他人と比較してもただ辛いだけ。これまでの自分の人生を肯定し逆に症状を逆手にとって、今まで出来なかったようなお洒落を楽しんだりムキムキ・ボディを作る事に専念するのも素敵よね。

まぁ、同じ中年でもダニエル・クレイグならOKだけど、若い女性のお尻を追いかけてばかりは・・・ダメよ!

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2014年07月05日

007日記1 スカイフォール編

20140704「007」シリーズ…これまで老舗娯楽映画の代名詞というイメージが強かったわ。テーマ曲、派手なアクション、美貌のボンド・ガール…様々なフォーマットが定着し他作品にも影響を与えて続けているこのシリーズ。

おおよそストーリーの想像はつくので敢えて見ようとは思わなかったけれど、2012年「スカイフォール」はあのサム・メンデスが手掛けているという事もあり、じっくり鑑賞。

ロンドン五輪開会式でエリザベス女王と共に登場し名実共にボンドとなったダニエル・クレイグ第3作目であり、007シリーズ誕生50周年記念作品…これはただ事ではない!と期待大…その期待を上回る、これぞまさに「アメリカン・ビューティ」ならぬ「イングリッシュ・ビューティ」な秀作よ!

これだけ歴史のある大作になると、ジェームス・ボンドのイメージが定着しているから、新たなボンドを打ち出すため相当のクラッシュ&ビルトが必要だわ。しかし、ダニエル演じるボンドはより人間らしく、仕事に対するクールさやちょっとしたウィットさも絶妙で、「ボンドは実在する」と確信させられたわよ。

当時42歳という若さでありながら、男の悲哀と苦悩をがっちり演じきる渋面にノックアウト…久しぶりに"良い男"というものを魅せて頂いたと言えるわね。

ストーリーはMI6のエージェント、ジェームス・ボンドが、NATOの諜報部員の情報が記録されたハードドライブを取り返すべく組織を追い詰めるの。上司Mは同僚の保護より敵の追跡を最優先にと指示を出し、その結果ボンドはアシスタントのイヴのミスで撃たれてしまう。暫しの間、死人として休日を楽しむボンドだったけれど、MI6の本部が何者かに爆破され、Mが標的になっている事を知り帰還するの。

敵を追い上海で謎の美女セヴリンと接触し、ようやく黒幕が登場。何とその正体は元MI6のエージェント、シルヴァだった!シルヴァはMに忠誠を誓いながらも、任務で拷問を受けた際自決を図るも死ねずに顔が崩壊した事で彼女を憎み、執着していたの。最終決戦はボンドの生家「スカイフォール」が舞台となったわ。

ボンドはボンド家の管理人であるキンケイドと共に知恵を使い、シルヴァの強靱な武器に対抗し死闘を繰り返したわ。しかし最終的にMは「自分はひとつだけ正しかった」とボンドを復帰させた事に満足し、息を引き取ったの。

「スカイフォール」はイヴやセヴリンのボンド・ガールは単なるフォーマットであって、真の主役はMね!そしてMを中心に、ボンドとシルヴァの3人の関係が色濃く描かれている。

ジュディ・デンチ演じるMはさすがの風格だけど、ハピエル・パルデム演じるシルヴァは狂気に満ちた偏執ぶりは圧巻!左の鎖骨を失った為入れ歯を装着しているのだけれど、その為に鼻の穴の大きさが左右違っているという演出も見事よ。

個人的に好きなのは初めてボンドと対面した際、シルヴァがボンドの両足をスッと撫でるシーンね。欲しい物は手に入れる、そんな彼の考えの片鱗を垣間見れたし、ボンドガールとのやり取りよりセクシーだったわ。

更にMを追い詰めた際に彼女を「ママ」と呼び、銃撃戦で受けた彼女の傷を心配し、お互いのこめかみに銃を付け共に死のうと訴える姿には、男女や親子などの意識を超えた愛情を感じ切なさえ感じたの。悪役はやはり悲愴感があって初めて演じられるもの・・・素晴らしい!

本編だけでなくアデルが歌う「スカイフォール」もクールだったわ…丁度Mのクレジットの部分で十字架が重なる様になっているのよ。彼女が最期を迎えたのもスカイフォールの敷地内にある礼拝堂…この時点で彼女のラストを匂わす演出が施されていたとは憎すぎるわ。

他に武器担当のQがオタクな青年だったり、古きを温めて新しきを斬り込んでいくという方式には関心させられる。自分にとってこの007が最初なので、これから遡って見ていこうと目論見中なの。しかしながら、ダニエル・ボンドが今後半永久的に定着することを願わずにはいられないわ。日本男子諸君、スーツを格好良く着こなすにはまず体力作りから!ですな。

そして、今からボンドと言えばショーン・コネリーの007番外編「Nerver Say Never Again」を見るのです…フフ。

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2012年05月12日

ドラゴン・タトゥー日記 刺青に宿る無垢なる黒髪の天使編

20120513ご招待を受け「ドラゴン・タトゥーの女」限定公開版の試写会へ行ってきたわ。作品についてはポスターのデザインのみで全く予備知識が無く臨んだのだけど、結果それが良かったかも。

いきなりミュージック・ビデオを思わせるオープニング映像はとにかく凄すぎ。フィンチャーここにあり!とその存在感とセンスに脱帽よ。

メタリックな質感で統一された画面・・・回路の中を温かな流動物が這い回ったかと思えば、ケーブルが生き物のように蠢き迫り来る。やがて女性の顔が幾重にも 重なった手に捕らわれると花が咲き出し、束縛するものに抗するように蜂が飛び出して・・・という抽象的な映像にナイン・インチ・ネイルズ世代としては嬉し い、トレント・レズナーとカレン・オーの強力タッグ版「移民の歌」が強烈な印象を放っていたわ。

本編を見終わって、このオープニングが物語の全てを示唆していたのだと気付いた時にはやられた!のひと言ね。ここでは主役のリスベットの純粋さと強さが表現されていたのよ!!

物語はスウェーデンが舞台。財界汚職の告発記事を書き、誉棄損裁判で敗訴し四面楚歌のミカエルのもとへスウェーデンの財閥ヴァンゲルの元会長ヘンリックか ら依頼が来たわ。彼はミカエルに家族史の執筆を願うも、真の目的は40年前に失踪した親族の娘ハリエットの真相究明だったの。ミカエルはヴァンゲル一族の 暗黒の歴史を紐解きに難航し、天才的な情報収集能力を持つ少女リスベットをアシスタントにつけることにしたわ。

一見パンキッシュで人嫌い、風変わりなリスベットはこの事件に関心を示し共に調査を進めて行くけれど、徐々に血塗られた真実が浮かび上がり・・・という息飲む展開よ。

注目すべきはリスベット!彼女は見た目こそ人を寄せ付けない風貌だけど、非常に知的で純粋な女性よ。人並み外れた能力を持つ者特有の孤独、うまく表現出来な い感情・・・そのせいで人から利用されてしまうの。なんだかこれでは救いがないと思いつつ、彼女のがむしゃらで真っ直ぐな生き方に羨ましさも感じてしまっ たわ。

本作では目を覆いたくなるほどの暴行シーンがいくつかあったけれど、どのシーンも細部に渡ってリアルに描かれ、その重みや見てる側 の感情移入がスムーズに伝わって来たのもお見事ね。後見人に暴行をうけたリスベットがブレードランナーばりのメイクで復讐するシーンは、残酷ではあるけど 同じ女性として救われた気がする。

そして唯一友と認めたミカエルの為に走り回る姿は、本当に健気で愛おしさが募ってきたわ。まさに守護天使と言って良いかも。この作品も聖書にまつわるキーワードが至る所に登場するけど、それだけ宗教と国が深い繋がりと歴史を持っているのね。

日本にいるとあまりピンとこないけど、宗教がそれだけ生活と密接な関係にあるのだと痛感。サスペンスが苦手な自分にとって、複雑に幾重にも折り重なった状況 に翻弄され常に緊張していたけど、人物の背景が奥深く描かれていたので非常に楽しむことが出来たわ。そしてリスベットのメイクや髪、スタイルがとにかく クールで目が離せない!次回はリスベットのどんな一面が見られるのか、今からドキドキして待つとしましょう。

尚、6/13にリリースされるBlu-ray/DVDには日本では劇場未公開のこの本編が収録されるので必見よ!

[オフィシャルサイト]
http://www.dragontattoo.jp/

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