スペイン

2014年12月24日

オリオール・バラゲ日記 もう買えない淋しさ編

20141222「オリオール・バラゲ」のチョコと初めてであったのは数年前…あの美味なる芸術品を食したいという欲望に駆られるわね

以前は白金台プラチナ通りをちょっと入った場所にひっそりと存在したのだけど、ちょっと前に撤退。裏手のセレクトショップで不定期に扱っていたのだけどそれも終了とのお知らせ。

スタイリッシュな店内にはチョコのショーケースが!カカオの実をイメージしたチョコは相変わらずの人気で、色も形も実に美しかったのだけど今は思い出に・・。

最後となったのは18個入りの"マイ・オブセッション”…黒トリュフやオリーブオイルも入ったゴージャス仕様…お味は相変わらず上品で驚く程さっぱりしているから歯止めがきかないの。まさに魔性チョコだったのよ!

ショコラトリーのオリオール・バラゲ氏はかの「エル・ブリ」出身だけに芸術性が特に高くて、今までのショコラトリーとはちょっと違った世界観で、日本初上陸の時もわさびをモチーフにした作品などで舌を驚かせてくれたわ。

今では毎年1月下旬に新宿伊勢丹「サロン・デュ・ショコラ」で年一回しか彼の作品にお目にかかれないけど、きっと再び日本に出店してくれる事を願ってます!!

【サロン・デュ・ショコラ】
http://www.salon-du-chocolat.jp

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2014年08月27日

フラメンコ日記 オーレ!カンテ・ライブ編

20140823以前からずっと興味のあったフラメンコ…AMAZORA時代にも「やよい」というフラメンコ的アプローチを加えた楽曲もあり、フラメンコ・ギターのあの情熱的な音やリズムには並々ならぬ興味があったの。

そしてその当時からずっとお世話になっていたバイラオーラ(フラメンコの踊り手)のボニさんの顔を思いだし、10年振りに彼女に会いにいったわ。ボニさんは天性のバイラオーラで、とにかく美人!恐らく前世はスペイン人だったに違いない。

フラメンコに対する愛情は深く、彼女のその情熱に惹きつけられた人達が今も数多く集まっているの。そんなボニさんのご紹介で、ベテランのカンタオーラ(フラメンコの歌い手)の濵田愛吾さんとお知り合いになり、彼女も出演されるというカンテ・ライブが老舗のタブラオ(フラメンコの舞台があるバル)「カサ・デ・エスペランサ」で開催されると聞き、早速お邪魔したわ。

偶然にも濵田さんは何度かAMAZORAのライブをご覧になっていらしたのよ!今度は自分が彼女のステージで念願の"カンテ(フラメンコの歌)"を体感させて頂くなんて・・・感激。通常フラメンコのライブはバイラオーラ中心で、カンテはギターやカホーンなどの楽器は後ろに鎮座するというケースが多いそう。

しかし今回は珍しくカンテを中心としたライブで数人の美しきカンタオーラとギタリストのみで構成され、聴き応え十分よ。しかもこちらのお店は、チケット代にドリンクにワンプレートのタパスがついてくるので嬉しいわ。まさに大人の楽しみ、といった感じね。

フラメンコ初心者の自分にはどの曲がどういう意味を持つのかは理解出来なかったけれど、その独特の発声法とアプローチ、パフォーマンスを中心にじっくりと拝見したわ。面白い事に華々しい衣装を身に纏った歌い手の方は前の喉を張った歌い方、やや落ち着いた衣装の方はじっくりと包み込むような歌い方と、衣装はその人の表現に通じるものがあって実に興味深い。

濵田さんは唯一シンプルなパンツスタイルで、どこか少年の様な清々しさと力強さを兼ね備えていてらしてとても良かったわ。遠くへ離れてしまった子から手紙の返事が来ないことを元気な証拠と思う母の思い、恋愛や人生の死を巡る心の痛みや恐怖など奥深い人間の感情などを歌ったものなど、それを時には底抜けに明るく、そして魂の叫びの如く力強く表現しているのが本当に素晴らしい。

店内はフラメンコに精通しているお客様が殆ど。でもライブ終了後に気さくにお話をして下さり、あっという間に時間が経ってしまったわ。この日覚えたかけ声は「グアパ」!・・・意味は「可愛い、きれい」よ。さて、これから色々と勉強を始めようっと。

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2013年10月26日

キカ日記 血みどろの明るさ編

20131023先日の「All About My Mother」に続いて日本スペイン交流400周年記念でお届け!

ペドロ・アルバモドバル1993年監督作品「KIKA(キカ)」…これほどまでに奇抜で、しかも明るい血みどろの映画を見た事ないわ!

昔レンタル店でこの作品のポスターを見かけた時そのセンスの良さに衝撃を受け、しかも大好きなジャン・ポール・ゴルティエが衣装を手掛けていると知り見たくてたまらなかったの。でも、ポスターから予想していた内容と大分異なるストーリーで度肝を抜かれたわ。

メイクアップ・アーティストのキカはある作家のメイクを担当した事がきっかけで家に招待されるの。ドキドキしつつ家を訪れると彼から一言「息子の死に化粧をして欲しい」…キカが仕方なく化粧を施していると息子が突然生き返り、2人は恋に落ちて同棲する事に。しかしカメラマンを生業とする息子は性的倒錯者で、なんと愛するキカを・・。

そんなある日お尋ね者がやってきて彼女に襲いかかるという事件が勃発したわ。あっという間にスキャンダルをスクープする話題のTV番組『今日の最悪事件』でこの事件が取り上げられ、奇抜な衣装で登場する女性レポーターがキカやカメラマン、父親の作家を追い回し、徐々にそれぞれの思惑が明らかになってくるの。

とにかく人間関係が宗教画の蛇のように繋がっていて、昼ドラマでいうところの"ドロドロ"とした内容であるにも関わらず、キカの天真爛漫な明るさやポップな赤やオレンジの美しさが、どす黒さを打ち消し爽快感さえ出しているから不思議!

前日の「All About My Mother」でも同じ色合いが画面を彩っていたけど、今回は底抜けに明るい色に仕上がっていて、古着屋を覗いた時の様なアート感が漂っていたわ。女性レポーターの身に付けていた血の滴るワンピースや、カメラを頭に装着し胸にライトが内蔵されたタイトなライダースーツは彼のコレクションを彷彿とさせる素晴らしいものよ!これだけでも一見の価値があるわ…着てみたい!!

でも一番印象に残ったのはキカとカメラマンの愛の巣で働いてたメイドさんなのよね。そのお顔立ちと個性がずば抜けていて目が離せないの。全ての登場人物が自分を愛し、自分の思う通りに生き、人の愛を欲する…当たり前の事なんだけど、なんだかそれが人間としての原点なんだよなあと気付かされたわ…キカだけでなく、全員が悪意無く正直に生きているから後味が良いのかもしれないわね。

そうそう、アルバモドバル監督の最新作「アイム・ソー・エキサイテッド!」も見たい!

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2013年10月25日

オール・アバウト・マイ・マザー日記 女性賛歌と愛という名の遺伝子編

201310222013年から2014年にかけて慶長遣欧使節団派遣400周年に当たるとの事で、「日本スペイン交流400周年」らいのよ…ですからスペインと言えば映画ではやっぱりペドロ・アルモドバル監督ですよね…そこで本日の一押しピックアップは1999年の「オール・アバウト・マイ・マザー」

公開当時、強烈な印象のポスターと寂しげな旋律に載った独特の質感の予告映像を覚えていたけど、実際見てみると印象は異なるものだったわ。とにかく内容から言ってドーンと重くなってしまいそうなのに、舞台のスペインという国の"色合い"の為か監督の独自の視点の為なのか、腹底にずっしり響きつつも爽快感が残るという奇妙な感覚を得たの。

何せ見終わった後に、女性として根本的な喜びをしみじみ感じさせてもらった気がするわ。

ストーリーは、臓器移植コーディネーターという仕事を持つ未婚の母が、息子の誕生日に親子で芝居を観に行くの。その帰り舞台女優にサインをもらおうとした息子は事故死・・皮肉にも息子の臓器は母の目の前で他人の体へと渡ったわ。母は悲しみに暮れ、長い間会っていなかった夫を探そうと旅に出るの。

男性の体を持ちながら女性の心と乳房を持った友人、夫の子供を宿してエイズに感染してしまった修道女、娘が不幸に見舞われて初めて縁をつなごうとする修道女の母親、息子がサインを求めた大女優とそのガールフレンドの女優、そして息子が会いたいと焦れていた、豊満な胸を持ちエイズで余命いくばくもない夫…すべての"女性"が自分に正直にひたむきに生きていく姿は本当に美しい。

"彼女達"の愛には一点の曇りもなく、その結束力は理屈ではない強さを感じるわ。きっとそれは"母性"という共通遺伝子で繋がっているからなのね。ひとつ印象的だったのは、画面上に現れるオレンジの色。息子が事故にあった晩母が身に付けていたコート、修道女が母と初めて会った日着ていた服、大女優の髪の色・・場面の所々に出てくるそのオレンジ色があまりにも強烈で美しく、未だ脳裏に焼き付いてるわ。

スペインという国は情熱的なイメージがあるけど、このオレンジの色合い=女性の強さを感じていたからなのかもね。

以前うちのスタッフが、アルモドヴァル監督に「どうしてタフな女性を描くのか?」と聞いた時、彼はこう答えたそうよ…「女性は大胆で偏見もない。それに秘密を沢山持ってるだろ。男は小心で単純だから日常を映画にしても面白みが無いんだよ。その点女性は違うのだよ」

…なるほど!まったくその通りだわ。男性を蔑むつもりは全く無いけど、これほどまでに女性を冷静に理解出来る監督だからこそ生み出せた作品なのね!彼の中の遺伝子がそうさせたのかしら…ふふ。これからの人生、女性である事に誇りを持って生きていかなくちゃ!!

明日は同じくペドロ・アルモドバル監督作品で異色の「KIKA」をご紹介するわよ!

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2013年07月08日

パンズ・ラビリンス日記 無垢な魂の試練編

20130704先週のギレルモ・デル・トロ最新作「パシフィック・リム」の前に、やっぱりデルトロの代表作品をピックアップしておかないといけないわね…と言う事で「パンズ・ラビリンス」…ご存じの方も多いはず…映画関係者の中でも評価の高くて当時NY・LA映画批評家協会賞の作品。

一般的なファンタジー好きさんは絶対見ない方が良いわ。精霊や妖しは出てくるけど、人間の内面のどす黒い部分を見事に表現しているダークファンタジーだからね。

以前紹介した「ロスト・チルドレン」「アメリ」にも共通して言える事だけど、ヨーロッパの映画は緑、赤、黄色の発色が独特で本当に美しいわ。赤や緑は濃度が濃く粘着性のある風合いだし、黄色はゴールドに近いのよ。だからこんな作品が生まれるんでしょうねえ。

物語は、1944年の内戦終結後のスペインが舞台。主人公の少女が、身重の母と共に再婚相手であるフランス軍の大尉の駐屯地へ赴くの。だが冷酷で残忍な新しい父を受け入れられずに悩む彼女は、ある日妖精に誘われ森の中の迷宮へ。そこで牧神(パン)に出会い自分が地底にある魔法の王国の王女である事を知るの。でも王国に戻るには3つの試練をクリアしないといけない・・少女は地底の世界で試練に挑みつつ、現実の世界でも傷つきながら戦っていくの。

そして・・本当の意味でハッピーエンドとだけ言わせて頂くわ・・本当の意味でね。面白い事に本編で登場するアイテムが、道祖神や石庭の渦模様など日本に共通するものが幾つか合って興味深いのよ。極め付けは、両手に己の目玉を挿入して人間を喰らう妖しが日本の妖怪"手の目"そのものなので驚いちゃったわ!それに牧神と手の目の関節をガクガクとさせる特殊な歩き方は、CGと見まごうほどの人離れした表現力!役者さんのレベルも高い!

リンチしたり殺すシーンはどれもリアルで、頬を撃たれて眼球に血液が流れ出る様や、脱脂綿に滲み出る血液の色合いなどは完璧過ぎて言葉も出なかったわよ。

ダークといっても、ここでもやはり一番恐ろしいのは生きている人間ね。サディスティックな少女の新しい父親の所業は"悪魔"そのものだもの。現世であれ別次元であれ"自分にとっての幸せとは何なのか?"という事を深く考えさせられたわ・・日本とヨーロッパではものの捉え方がこんなにも違うのかと楽しみつつ、明日は「ヘルボーイ」!

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2013年06月05日

茄子アンダルシアの夏日記 日本初サイクルムービー!編

20130607季節はもう夏の気配!ヨーロッパでは自転車レースが真っ盛り!サッカーに押され気味に見えるけど、ロードレースは盛り上がっているわ。自転車にはそれほど興味は無いのだけど、レースで色とりどりのウェアに身を包んだ選手が一斉に走る姿は壮観。

最近は節約と健康ブームで自転車に乗る人が増えたけど、日本では意外と昔からサイクルファンが多いのよね。2003年に公開されたサイクルアニメ「茄子 アンダルシアの夏」もそんな自転車を愛する監督率いるスタッフで制作された作品よ。

日本ではこれまで本格的なサイクルムービーは存在しなかったから、ある意味金字塔を打ち立てたと言って良いかも。物語はスペインが舞台なの。プロロードレーサーのぺぺが"ブエルタ・ア・エスパーニャ"という自転車ロードレースを戦い抜くお話なのだけど、レース中に知る解雇の危機、恋人と自分の兄の結婚という複雑な状況がエッセンスになっていて、自転車萌えだけでなく人間ドラマとしても実に良くできているの。

マイナス要因を振り切り自分の"自転車道"を貫くぺぺの生き様、地域の人達が家族のように彼を暖かく応援する姿・・人間描写やキャラの心の動向も見事に表現されていたわ。ぺぺがゴールを争う瞬間、それまでなめらかなトレース線が一変、何重もの線で構成された勢いある作画になり、鬼気迫る緊張感が画面から飛び出してきたのも素晴らしい!何よりマニアにはたまらないツボが要所に盛り込まれているのも凄いわ。

有名選手をモデルにした登場人物、レース解説に元レーサーの市川氏の起用や、実際のレース中継には必ずお目見えする巨大なオズボーン社の牛の看板の登場やレース後の薬物検査の様子など・・これだけのこだわりを見せつけられると、予備知識をもって再度見たくなっちゃう。公開当時、監督が宮崎駿氏の右腕だったということでその部分がピックアップされてしまったのは残念だったけど、この作品はジブリとは関係ないし、サイクルムービーとして日本を代表する映画だと思うわ。

エンディングの「自転車ショー歌」は、自転車好きの故忌野清志郎氏が歌っているから感動ものよ!どこを開けてもそれぞれの楽しみ方が出来るというのも今作の強みかも・・ちょっとマニア気分になりたい方にオススメ!

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2012年11月02日

フレディ日記  I Will be Back!!編

20121108ロンドン五輪の閉会式を見ていたら登場しましたブライアン・メイ…そして今は亡きフレディ・マーキュリーの美声をバックに感動的なシーンがありましたよね。実はフレディはバルセロナ五輪のテーマとなった「バルセロナ」というタイトルのアルバムをリリースしてるのよ。

91年に他界したフレディ…誰も真似する事のできない声とスタイル…今ではCM等でもお馴染だからロックを普段聴かない方々でもその名前はご存じのハズ。でも、あまり知られていない生前最後のレコーディングとなった1988年ソロ・アルバム「バルセロナ」を知ってる人は意外に少ないのようなのでご紹介いたしましょう。

何と、共演はスペインの世界的プリマドンナ、モンセラート・カバリエ。

メインの楽曲「バルセロナ」は、その後バルセロナ・オリンピックのテーマにもなったので、サビの『バルセロ~ナ~』と駈上りながら歌い上げる象徴的な旋律はご存知の方も多いはずよ。でも、このアルバムは全ての楽曲を聴く事でその凄さが体感出来るの。

カバリエはこの道一筋の筋金入りの"蝶々夫人"。バルセロナ出身で一夜にして名声を得たと言う近代オペラの重鎮よ。フレディは彼女を口説き落とす為にランチの席上で2曲レコーディング済のTapeを持参し、OKを取付けたんですって!

思うにこの頃、フレディ自身は自分の病について知っていたような気がするわ。元々、肉声を楽器として表現させた彼だから、自分の今生の最終地点として憧れのカバリエと共にオペラを表現したかったに違いない!…と思うのよ。

このアルバム…単純に"オペラ的"と表現するのはとても稚拙。楽曲の深さやその詞に込められた思いは本当に"美"につきるわ。日本をこよなく愛したフレディはカバリエと日本語で歌っているのよ!!「遠い国のあなたに魅せられて、あまりにも美しい・・」…あぁ~何て優しさが宿った歌いっぷりだこと!!!! 優しさだけでなく、感謝や尊敬、そう・・これこそが愛がこもった表現なのね。

テクニカル的に驚いたのは、何とカバリエがゴスペルを歌っているではありませんか! あのカバリエが・・。同じ音楽でも平行世界に居るかのようにあまり交わる事のない領域、企画的には存在してもここまで真剣にロックアーティストと向き合ったプリマドンナは存在しなかったわ。

「音楽って何?」と自問自答した時に、自分はまだ答えられない・・。プロ・アマ関係なく、それぞれの自己表現だろうけど、このアルバムを聴くと漠然と何か答えのようなものを感覚的に得る事ができたわ。

そしてフレディは最後の楽曲でこう歌ってるの……I Will be Back !!

【フレディ&カバリエ LIVE映像】
http://www.youtube.com/watch?v=Wixz_r7v51E

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2012年09月18日

Glazz日記 スペインの道化師編

hghys昨年"Bassment Party"で共演したスペインのプログレバンド「GLAZZ」

B,G,Drのシンプルな編成ながらその表現力とパフォーマンスは日本の観客を魅了したわ。今日は彼らがプレゼントしてくれたセカンドアルバム「Cirquelectric」をご紹介するわね。

全員ステージを降りると太陽のように明るくて楽しいけれど、演奏中は常にアイコンタクトを取りながら、ただ音を紡ぎ出すことのみに集中・・しかも全員イケメンよ!GLAZZの曲は殆どがインストなので、歌詞の意味合いを考えるというより音でその世界を感じ取るという楽しみ方が出来るの。このアルバムの舞台は"サーカス"で、そこに登場する道化師のコミカルさ、ナイフ投げの緊張感、ショウの終わった後のもの悲しさなどが次々に展開していき全く飽きさせないわ。

冒頭でサーカス小屋の主人が観客に挨拶をしているシーンから始まるのだけど、独特の低音の聞いたベースにおもちゃめいた高音がつらつらと流れ出して、楽しいけれどどこかもの悲しいサーカスの雰囲気が溢れだしているのよ。どこか乾いたような、それでいて人間臭さが滲み出るような音・・やはりこれは日本人では絶対に出せないものね。

諸外国のアーティストは、その国々の風土や文化によって全く発する音が変わるから本当に面白いわ。日本は常に平和だからあまりガツン!とした音が出てこないというのも頷けるわよね。お気に入りは『Desde El Lejano Oriente』という曲なんだけど、意味を調べたら『極東から』なんだとか。

確かにオリエンタルなアプローチが強いのだけど、見事に自分達のサウンドに融合させていてネオ・オリエンタルとでも言うべき不思議な調べを生み出していたの。

LIVEではDrのJaviとBのNeloの鉄壁のリズム隊にGのJoseが自由に表情を付けていき、計算された隙を心地良く聴かせるといった風情。小気味よさの中に重さを、滑稽さの中に哀愁をと細やかな線から大胆な線を自由に描き出すのだから、ただただ脱帽よ。

他の日本公演の日に観客として彼らをじっくり体感したけど、あっと言う間に自分達の世界を作り上げ気難しい日本のプログレマニアを唸らせていたわ。今も世界のどこかでサーカスの幕を開けているGLAZZ一団・・再来年には再来日をすると言っていたJoseの笑顔が待ち遠しくてたまらないのは、ピポ子だけではないかもね!

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2012年08月24日

パエリア日記 都庁を見下ろして・・・編

20120812美味しいスペイン料理を食べたい・・・!という事で新宿住友ビル49階にある「TAPAS DINING」へ。落ち着いた店内は見渡す限りカップル、カップル。絶好のロケーションにお洒落なスペインバルとくれば当然のことよね。

パエリアもイベリコ豚も食べたい、と迷ってしまうのでコースをお願いしたわ。

前菜のハモンセラーノ(スペイン産生ハム)を一気食いした後は、自家製レバーパテとたこのピンチョス、そしてアンチョビを加えたポテトサラダをペロリ。さすがに彩りも味も申し分なく、パテはお替わりしたいくらい美味しかったわ。その後は柚子胡椒で味付けした鯛のカルパッチョで爽やかに。ここでやや和風テイストというのが憎いわね。そしてフラメンカエッグと呼ばれる野菜と卵のトマトソースオーブン焼きと、メカジキとカボチャのフリートスをバルサミコソースで頂いたけど、どうしたらこんなにふんわりと揚げられるものなのか感心しているうちに胃袋へ。

暖かいバゲッドとオリーブオイルを白ワインで楽しんでいたら、リストに「ドングリのリキュール」という文字が・・・!あまりにも珍しかったので注文してみたところ、オレンジ色の綺麗なリキュールで甘いけれど後味が絶妙に良いの。丁度メインのイベリコ豚のグリルが来たので一緒に頂けばシンクロ率高し!このお料理には、ドングリ以外考えられないほどのマッチングだったわ。ま、ドングリとイベリコ・・・理屈はあっているものね。

その後お待ちかねのパエリアが登場。大きなエビとムール貝や牡蠣を堪能した後のライスの味わいが深い!鉄板に付いたお焦げが美味しくて、もう一皿行けそうな勢いだったわ。こちらのお店の人気メニューだというだけあって、今まで頂いたパエリアの中で一番よ!

最後にチョコレートケーキで締めたけど、コースのボリュームは十分あり満足。お隣のカップルはバースディ・プレートを予約していたらしく色々なデザートがお皿に狭しと乗っていたので、次回は注文しようと決意したピポ子でありました。お料理だけでなく、都庁を見下ろすというロケーションが更に気分を高揚させるので、特別な日に是非・・・!どんぐりころころも試してみてね。

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2012年03月20日

エル・ブリ日記 舌が恋するクリエイティブ編

20120320世界一予約がとれないという事で有名なレストラン「エル・ブリ」。

2011年惜しくも休業となってしまったけど、映画「エル・ブリ」が公開されていたことを知り、駆け込み鑑賞。映画は全くと言って良いほど宣伝されておらず、あるスペインレストランで公開を知ったの。興味を持つ人は多いから、もっときちんと宣伝をしてくれていたら、と残念に思うわね。

本編は、独創的な料理を提供する為1年の半分を営業、半分を新メニュー開発に費やすオーナー・シェフ、フェラン・アドリアと革新的な彼のチームの1年を追ったドキュメンタリーよ。ご存じの方も多いと思うけど、フェランが生み出す料理は全てが実験的で独創的。料理という概念を超え、革新的なものづくりとしか言いようがないのよ。今作では彼と彼のチームがいかにして前代未聞の作品を作り上げるかをじっくり見る事が出来たわ。

メニュー開発で他の場所へ移動する日、店内の機材と道具を全て移動させるこだわりにはびっくり。道具は癖があるから、常に同じものを使ってベストの状況を作っているのね。新鮮な食材と液体窒素のタンクが並んでいる厨房は、最早実験室としか言いようがないの!主任シェフのエドゥアルドとオリオールが脳味噌を絞り出すほどの案を出し、試作を作り、緊張しながらフェランの前に出すのだけど「まずいものを私に出すな!」という彼のひと言に現場は凍り付いたわ。

でもフェランは決して怖い人ではなく、あらゆる事に興味を持ち、妥協せず、感情を真っ直ぐに出してくる少年のような人ね。「クリエイティブとは真似をしないこと」をモットーに常に新しい作品を生み続ける彼らは料理を超え、芸術作品を生み出すアーティストと呼ぶべきかも。

エル・ブリはコース料理のみでその品数は多い時で40種類!二度と同じ料理は提供される事はないのよ。私のLIVEと同じだわ。ユニークなのはお客が厨房を見学してから食事を楽しみ、最後に厨房で別れの挨拶をするの。一般的なレストランでは考えられないけど、フェランは厨房が全て作品の源と捉えているからなのかもしれないわね・・・納得。

エル・ブリの作品は日本料理に影響を受けたものも多く、柚子や抹茶が使われていたりするけど、食材がかつて見たことのない形状でし、未体験な食感で登場するからお客は驚くばかり。食材のありとあらゆる特色を知り尽くし、常に研究しているからこそなせる技だわ。

メインの食事だけでなく、器、テーブルへ料理を運ぶタイミング、全てが計算され、軍隊のように徹底されているの。フェランは従業員全員に料理のテーマと哲学をきちんと伝え、どうしたらお客をびっくりさせ楽しませる事が出来るかを考えているのね。これって何をするにも一番大事なことなんだけど、なかなか出来ない事だわ・・・反省。

武士魂で料理界に君臨するエル・ブジ、今後は料理研究財団として更に斬り込んでいくそうよ。本店に行けなかったのは本当に心残りだけど、フェランの料理を超えたクリエイティブ精神は多方面で伝承されていくでしょうね。五感に訴えてくるものづくり・・・まだまだ先は長いなぁ。

因みに現在もロングラン公開中なので是非見に行ってみてね~(^_^)

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