ジャン・レノ

2016年03月18日

レオン日記 究極の純愛編

20160309「LUCY」で見事に監督としてキレ味の良い作品を見せてくれたリュック・ベッソン…そんな彼の代表作と言えば今更どうこう語ることはないほど有名な1994年名作「レオン」…初めて見たのは自分が相当若い頃…しかもテレビ放送という中途半端な状況だったわ。

当時は特にナタリー・ポートマンの愛くるしさとジャン・レノの渋さとビジュアル的な部分が際立ち、未だこの作品を模倣したものがあちこちに見受けられる。それほどまでに多大な影響力を与えた所以を確認すべく20年の時を越えじっくり鑑賞…そして、とんでもない神作だと改めて思い知らされたわよ。

物語は皆さんもよくご存じの通り、プロの殺し屋レオンと彼のアパートの隣に住む12歳の少女マチルダが主人公…マチルダは父親と継母、継姉、そして唯一心を許していた弟と暮らしていたけれど、ある日父親が麻薬を横領したことから皆殺しに…買い物に出ていたマチルダは難を逃れ機転を利かし隣室のレオンに助けを求め、彼はマチルダを保護…こうして彼女は弟の復讐を生き甲斐にレオンに殺しの技術を学びたいと訴えたの。

まだ少女であるマチルダの申し出に困惑するレオンだったけれど精神年齢が高い彼女に翻弄されいつしか二人はお互いを必要とするようになる・・・これこそ究極の純愛!!としか言いようのない素晴らしいラブストーリーだわ。

物語は描けたとしても、このキャスティングは神のお導きとしか思えない程の完璧さ…彼ら及び「ダークナイト」のゴードン警部でもお馴染みゲイリー・オールドマン演じる敵スタンフィールドの怪演ぶりも素晴らしいわ。フランス・アメリカ合同作品ではあるけれどフランス映画らしい小粋な匂い、どことなくノスタルジックな色など良い”加減”でミックスされているのも特筆すべき点ね。

何よりも12歳のマチルダの震え立つような女の色香…セリフひとつひとつが大人びていてもそれが彼女の言葉として熟し発せられ、背伸びをしていない。もしかしたら彼女は何百年も年をとらない妖精か魔女の類いなのか・・・と思ってしまうほど神秘的な存在。

そして対するはイタリア系移民で学校にも行けず日々暗殺の仕事をこなすレオン…無口で友人は観葉植物のみという孤独な生活を送っていたという設定が非常に母性にグッとくる。年だけをとっても少年のまま、と本人がマチルダに語っていたけれど殺しという残忍な行為を行っているのに本人は無垢である・・・という対極な設定もお見事。

レオンの愚鈍さ無骨さ、というのは表面的な表現で内面が実に繊細であるという点がこれまた切なくて良い…二人が逃げるシーンで彼らの足がクローズアップされるのだけど、レオンがマチルダを椅子から抱き上げ、彼女の足だけ宙に浮くという演出に彼らの年齢差や信頼、愛情など様々なものが凝縮されていて最も印象深いシーンとなったわよ。

更にマチルダがレオンに「あんたのことが好きみたい・・・」とベットに横たわるシーンで両手を広げ十字架の様なポーズをしたり、更に別のシーンでは十字架とマリア像が飾られていたりと宗教的な部分も加えられているのも見事…見直してみると更に色々な解釈が出来るのも名作である事の証と言うべきかしら。

どのシーンを切り抜いてもポストカードのように絵になる、役者のひと仕草、表情だけでいくつもの感情を感じ入られるシーン毎に独自の色味を帯びている…そんな力量の高さを見せつけられた「レオン」・・・今世紀最大のラブ・ストーリーは今なお人々の奥底にある感情を搔き立ててやまないわ。

pipopipotv at 00:00|PermalinkComments(0)