オルタナティブポスター
2014年11月25日
レトロ&オルタナティブポスター日記7 死者の日編

一枚目は日本でもヒットしたマーベル作品「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」で緑の暗殺者ガラモのバストアップ…イラストレーターのオーランド・アロセナ氏によるもので、独特の色彩だけど、これはメキシコの10/31,11/1-2の三日間に祝典『死者の日』の明るくまつられる祭壇をイメージした様子。
『死者の日』は11/1に子供が11/2には大人の魂が現世に戻ってくる事をお祝いしてるのね。日本のお盆と違ってとにかく派手なのよ…よくガイコツとダンスをしてる映像も流れてくるわ。
二枚目はF・コッポラ監督の名作「ゴッドファーザー」の有名な一場面…ドンが街で買い物をしてる背後から暗殺者が現れて撃たれてしまうところね。
物語としては、この事件をキッカケにファミリーの抗争に否定的だった2代目が目覚めてしまう重要な一場面…それをベルギーのローラン・ドゥリュー氏が描いた作品…迫る影の動きの対比が緊張感を生み出してるから凄いのよ。近年は過去の名作の一場面をアート化するビジネスが流行っていてとても興味深いわ。
『良い映画はポスター化した時にも同様に良い作品になる定義』…を以前からお話してるけど、その逆も大いに可能性があるから面白いかもしれないわね。挑戦してみようかしら…フフ。
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2014年08月08日
レトロ&オルタナティブポスター日記6 プロパガンダ編

プロパガンダ表現と言えば旧ソ連などの共産国家のモノホンのポスターで武器と軍人と正義が抽象化された単純明快なレイアウトで遠くから見てもアウトラインだけでメッセージが伝わる宣伝としては完璧な手法よね。
元々宣伝のための手法ですから映画PRとの相性はいいのですけど、マーベルやDC等ヒーロー系作品が盛り上がって来るのと同期してあらためてプロパガンダ手法がメインの宣伝ポスターではなくてサブカルチャー的なポジションとして公式非公式共に評価され始めてるのね。
最近作からよく出来た3作品をピックアップしてみましたよ。
先ずは「パシフィック・リム」…物語的に「地球を滅ぼす怪獣と君もイエーガーと一緒に戦わないか!」的なイメージで志願します!って感じかしら。めでたく続編も決まって更なる求人をかけないと!(笑)
秀逸なのは次の「ハンガー・ゲーム」シリーズなのよ。ちょっとレトロなプロパガンダデザインとは違って、バッチリ修正の主人公2人に『VICTORY TOUR』…前作のサバイバルゲームを勝ち残った2人のリッチな凱旋ツアーをイメージしてるのだけど、目線角度や人物の構成、戦場での退廃感の無さを見事にプロパガンダ的表現で作り込んでる…素晴らしいデザイン力と言っても過言ではないわ。
最後はマーベル系から日本で9/13から公開の至ってベタな「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」…見てお分かりの通り、そのままズバリって感じで好感が持てるわね。
実はプロパガンダポスターは本編がしっかりしてないと完全に空回りしてしまうのを忘れてはいけません…ですからからデザイナーの方々は要注意です…失敗作も多々有りですからね…フフ。
そうそう、プロパガンダポスターの成功と面白さがキッカケとなったは多分2010年「キック・アス」かもしれません…今見ても可愛いモレッツちゃんが最高です!

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2014年05月13日
レトロ&オルタナティブポスター日記5 プロメテウス編

「エイリアン」はスコットランドのアーティストでブライアン・テイラー氏の作品…シガニー・ウィーバーの表情がいいですよね!視点の定まらない虚ろな目が不安感と、本能的な生存の狭間にある自分をよく表現してます。
公開当時のポスターと決定的に違うのは、殆どのファンが物語を知ってる事…ですからこのオルタナティブポスターが成立するのですよね。
そして、「プロメテウス」はアートの定番Mondoで、マケドニアのグラフィック・デザイナーでマルコ・マネヴ氏の作品…ギーガーのテイストを匠にデザインした記憶に残るポスターですね。
いったい彼らの文明と哲学はいかなるものなのか…そんな謎も「プロメテウス2」で描かれるのか・・色々想像を膨らましてくれる秀逸なポスターです。
あぁ~スイスのギーガー博物館に生きたいなぁ~。
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2014年04月11日
スタートレック日記14 オルタナアートTNG編

TNGは映画として4作品制作され、その後は現行の映画2作品へと引き継がれてるのだけど、古くからのファンはやはりパトリック・スチュワート演じるピカード艦長がお好きな方が多いわ。
映画第一作目の「Generations」はキャプテンカークとの引き継ぎ的な作品で時系列な時を越えて二人のキャプテンが共演する作品ね…よく、あなたはカーク派?ピカード派?みたいな場面が色んなドラマの中で引用されるけど絶対にピカードでしょ!
そして、二作目となる「First Contact」…シリーズ最大の敵ボーグが主人公ね…特にこの作品では集合体なのに親玉的なボーグクイーンの登場で大盛り上がりな訳ですが、ロキュータスとの恋話かとおもわせてデータが絡んでくるあたり流石ね。
因みに先週は、バルカン星人とのファーストコンタクト記念日だったのですよ…フフ。
三作目「インサレクション」はこれが結構な問題作で、ポスターを見てもお分かりのように、テーマのとらえどこがないのよね…オルタナティブ系のポスターでは作家が作品の抽象化をするのですが流石にお困りの感じが伝わってきますね…そのお困り感が表現されてるからGoodと言う事に致しましょう。
最後は「ネメシス」…「バッドマン:The Dark Knight Rise」でベインを演じたトム・ハーディがもう一人のピカードを演じてた事で話題になった作品で、ついにあのデータが・・的な展開でTNGシリーズを締めくくったわね。
ポスターは全て縦長で掛け軸的な物語のデザインとでも言いましょうか…好はやはり二作目のボーグクイーンでこれは自宅用に欲しいわね!
過去の映像コンテンツをオルタナティブ化するのはしばらく流行るでしょうし、ビジネスとしても新人アーティストのA&Rにもなるし、権利をもつスタジオ側も積極的にオープンにする事でフィードバック効果も得られる事でAll Good Thingsですな!
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2014年03月17日
レトロ&オルタナティブポスター日記4 エイリアン編

先ずはKevin Tongによる「エイリアン」…エイリアンと言えば何しろHR.ギーガーの強烈なアートワークが存在してるので、これを違う視点でオルタナティブに仕上げるには簡単そうで難しいと感じるのよね。
その為にも一見してエイリアンよりも主役をどう描くかが課題なんだけど、そこもスルーしてマーベル系の悪キャラみたいなテイストで純粋にストレートにエイリアンを表現してみましたって感じかしら。
正直うぉ!って印象はないのだけど、アメコミ文化を深く感じるポスターです。
次はMartin Ansinの「エイリアン2」…こちらも1枚目と同様にアメコミなマザーエイリアンに立ち向かうリプリーのとても分かりやすい構成になってますね。
特に物語から抽出した比喩的な部分は描いてないけど、両作品とも商売を意識した作風が見え隠れしています(^^;)
で、面白かったのが最後のKevin Tongによる「プロメテウス」…これはやっとギーガーの呪縛から少し解かれたようなタッチがうかがえるの。
前の2作品と違い物語のテーマをお上手に抽象化していていい感じ…ちょっとザック・スナイダーの「WATCHMEN」を彷彿させるような部分もありますが・・。
正直最近はオルタナティブポスターブームに乗って安易な商売用の作品も多くなってきて、ただそれっぽく描けば売れるみたな傾向もありますから、しっかりと感度の高い作品だけ見極めないとですね。
でも、結論として思ったのが、HR.ギーガーはやっぱり凄いなって(笑)
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2014年02月26日
アンドレア日記 絵日記編

ママは最近オルタナティブ系のポスターが好きなようで、メモ帳もスタトレ仕様のものを買ってきたニャー。
何でも、コレにメモってるとアイディアがドンドン湧いてくるって言ってるニャーよ。何事も気分が大事だから頑張っておくれ…ニャにしろミー達のご飯と住まいはママの働きにかかってるから、スランプなんかになったら大変だからニャー。
そうだ、どうせなら絵が描けるのだからミー達をオルタナティブタッチでアートにしておくれニャ…晩年はそれを売って猫御殿ニャー(=^..^=)
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2014年02月07日
レトロ&オルタナティブポスター日記3 男臭い編

男臭いと言えば、デヴィッド・フィンチャー監督が1999年に殴り合いを通じての男の世界を描いた問題作「ファイト・クラブ」…デリシャス・デザイン・リーグ制作による作品で差し色の赤と青をで見事にテーマをッ表現してるわね。
マスクの下の男の弱さ、子供っぽさ、が大人ぶった煙草で心のコントラストを強調してる。
もう一枚は間もなく公開の「300」の続編(続編と言うより同時並行的)「300: ライズ・オブ・エンパイア」をアートスタジオMondoが制作したポスターよ。
神格化されたペルシャの王クセルクセスを中心渦巻く血の海が妖怪的なクセルクセスの内面をドロドロと描いててお見事だわ。
両作品とも男臭い、そして耽美的な一面も感じさせる作品だけにオルタナティブポスターにも独特の香りを感じるわね…フフ。
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2013年12月06日
レトロ&オルタナティブポスター日記2 光と影編

特にMarko Manevに関しては詳しくないのだけど、その作品がとても印象的だったので4作品をピックアップ。
先ずは「ブレードランナー」…舞台となるあの本社ビル窓からレプリカントのレイチェルの後ろ姿…どことなく無の世界を感じさせてくれる…漠然たる不安感を見事に表現してるわね。
2作目は「2001年宇宙の旅」…モノリスに群がる猿たちを進化へと導く聖書的な構図は、神感を素晴らしく表現してる…このレイアウトには明らかに十字架を暗示させてるわよね。
3番目は「エイリアン」…遠近法に奥に対峙するリプリーに闇から襲いかかろうとするエイリアンの緊迫感がとても良く表現されてる。
最後は「ウォッチマン」…元々抽象化の難しい作品だけど、センターに白抜きのDr.マンハッタンを配置し、歯車と宇宙で空間における定理の存在とその基本単位でもあるDr.マンハッタンが原作者アラン・ムーアのグラフィックに勝るとも劣らないアートよ。
4作品に共通する階調表現は、作品事の光と影の意味する構図をその階調の中に想像させる手法だけど、出来上がった作品は単調なれど、その制作過程は奥深い思考が必要とされるわ。
将来デザインの道を考えてる皆さん…是非参考にどうぞ。
http://www.markomanev.com
【Marko Manev web】
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2013年12月01日
スタートレック日記11 スポックメイキングな画集!編

友人のあきちゃんとはっしーから「STAR TREK/THE ART OF JUAN ORTIZ」という画集を誕生日プレゼントに頂いたわ。この画集はずっと欲しかったので、リボンを開けた瞬間大喜び!
この画集は1966年に放送された「STAR TREK」オリジナルシリーズをポスター化したものなの。コミックアーティストであるフアン・オルティス氏がテレビシリーズの全エピソードを描いているのだけど、まさに今オリジナルシリーズを全話見直している自分にとっては涎ものよ。
B4という大判サイズなので作品の見応えは十分!なによりそのデザインと色調が個性的で、60年代風のレトロなグラフィック・アートを意識して作られたというのが斬新よ。ポスターは、一目見てその情報を瞬時に理解させるというのが本来の使命…これは本当に難しい事であり、自分が最も苦手とする部分であるのよね。
しかし、そこはさすがオルティス氏!「STAR TREK」への深い愛とプロの才覚で、ポスターを見ただけで直感的に内容を思い出させるという瞬殺ぶりよ。デザインの秀逸さも半端なく、その回に登場した要のキャラクターを誇張したフォルムやシルエットで表現する様はお見事ね。簡略化されればされるほど、その真意を伝えるのは難しい。本当に"好き"だからこそここまでやれたんだな、としみじみ感じ入ってしまったわよ。
中でもお気に入りはパラレル・ワールドを描いた「Mirror,Mirror」というタイトルポスター…イオン嵐によって鏡像世界に迷い込んでしまった主人公のカーク船長がそこで副長であるスポックに出会うのだけど、彼はカークが知っているスポックと正反対で、ヒゲを生やし冷血そのもの。対峙する2人の横顔が相反する2つの世界を彷彿させると同時に、オレンジとマスタードの色合いがスポックの存在感の強さを描ききっているのが素晴らしい。フォントも非常にポップで部屋の中に飾っておきたいわね。

骸骨から伸びるカーンの魔の手…それは彼が常に死と隣り合わせであると同時に原題の「Space Seed」を表現しているのだけれど、彼の手が今にもエンタープライズに迫っている、という緊張感が見事描かれているわ。
1枚1枚見ているだけでストーリーが走馬燈のように巡るアート・ポスター…オルティス氏は小声でシャイな印象の男性だったけれど、これほどまでに深い愛情を感じさせてくれる作品を描けるなんて羨ましい。これぞまさに「ス"ポ"ックメイキング」な作品集である事は間違いないわ!トレッキーではない皆さんもこの素晴らしいアート作品に触れてみてね。
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2013年11月22日
レトロ&オルタナティブポスター日記1 抽出されるイメージ編

プロのアーティストからファンの作品までそれは色々あって見てて楽しいのよね。
これをオルタナティブと呼ぶのかレトロと表現するかはこの際置いといて、先ずはこんな感じ!
何点かピックアップしたけど、そのどれもが作品のエッセンスを上手く抜き出して見事なのよね。
これらの作品の特徴は映画の抽象化なんだけど、よくよく考えると名作になればなるほど簡素な表現ができるのよ…つまり駄作は抽象化できないって事なのよね。
それを一番表現してるのは4枚目のスタンリー・キューブリック作品「博士の異常な愛情」…ホットラインの電話が原爆になって落っこちてくる…見事な感性のスライスですこと!!
1枚目の「STRA WARS/A New Hope」も迫り来る暗黒面と生まれ落ち救世主の構図が完璧だわ。
2枚目の「パシフィックリム」はテーマと言うよりキャラクターの存在感を表現し、3枚目の「ブレードランナー」は混沌とした近未来に生きようとする緊張感が漂ってる。
因みにこの様な場合の権利関係はパブリック的な扱いで、スタジオ側も宣伝の一環として活用してるわ。
このような事ができるのも今はディズニー傘下になったルーカス・フィルムが最初かもしれない…権利でしばるのではなく、その活用を認めて更にはファンに協力して質を高めていく…コミュニティーがエコシステム的に形成され一つの文化に育つのよね。
今後も上質な作品を定期的にピックアップしていきますね。
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