2015年09月12日

大人の紙芝居日記 厚紙に潜むダークサイド編

20150906数年前、新橋の古本市で40年以上前に使われた紙芝居を2冊手に入れたの…作品を作る際参考にしようと購入したのだけど、これが子供向けとは思えない恐ろしくも重い内容だったのよ。

1冊目は「いきている おにんぎょう」…物語は生まれたばかりの妹の面倒をみなくてはいけない幼い少女が主人公…少女は妹の面倒に辟易し隣の子と遊びに行ってしまうの。

その時隣の子が持っていた人形が欲しくなり母親にねだると、母親は彼女に「うちにはこんなに可愛いお人形がいるのだから可愛がってあげなさい」と言ったわ…それから度重なる母の言葉により少女は姉としての自覚が芽生え妹を愛しく思うようになったのよ。

教育的なストーリーだから仕方ないけれど実際にこんな事はあり得ないわね。少女は初めて嫉妬という感情を抱き、これから憎しみや悲しみ、そして欲望にどっぷりと冒されていく・・・それが自然な姿だわ。母親が子供を洗脳すべく発した言葉をタイトルにするとは・・・背筋がぞっとするわね。

2冊目は「ともちゃんととうめいにんげん」…少年ともちゃんは自己中心的な性格で己の傍若無人な振る舞いを透明人間のせいにしてきたの。

ある日本物の透明人間が現れて彼の友人達に悪戯をし友人達はそれがとも少年の仕業だと思い彼を村八分にしてしまったわ。やがて透明人間の魔の手から友人を救ったとも少年は信頼は取り戻し大団円…透明人間は新たな仲間を探しに旅立っていったの。

このストーリーも単純ながらぞっとさせられたわ。幼い子供達に猜疑心が芽生え当たり前のように存在していた信頼が失われた時、それぞれがどんな行動をするのかという点は考えさせられる。しかもラストで透明人間は新たな仲間を探しにいくのだから、ブラックな結末よ。

ふと見ると、紙芝居の裏に印刷された”お話のねらい”という欄に「ともちゃんのわんぱくぶりや透明人間と決別する場面を強調しないように」という注意書きが・・・教育的な見地からすると納得出来るけれど、この点を強調することで大人用になるのではないかしら??

どちらも優しい切り絵的な画風であるけれど根底に大人のどす黒さが見え隠れしてついほくそ笑んでしまう…大人になって改めて読んでみると納得させられると同時にレイヤーの様に重なる負の感情を楽しめる。

これらの作品は今後様々な人間関係の渦に巻き込まれていく子供達にとって「暗黒バイブル」と言えるでしょうね…以前紹介した「火山人間」も同様、紙芝居に秘められたダークサイドを昔の子供達はどう感じ取ったかしら?あ、自分もその子供のひとりか・・・うーむ。

pipopipotv at 00:00│Comments(0) ご本 

コメントする

名前
 
  絵文字