ライダース日記 キリリとキュート編マイノリティー・リポート日記 誤差が導き出す真実編

2015年04月23日

辻村寿三郎日記 魂への警告編

20150415辻村寿三郎・・・この方をどうお呼びしたらいいか…人形師・着物デザイナー・アートディレクター・・・いやいや、そんな肩書きが当てはまる人物ではない。

彼は「警告者」と呼ぶべきかも。それは全ての"表現をする者"達に対する、そして生きとし生ける者全てへの警告だと確信したわ。以前友人のひとみさんに誘われ、目黒雅叙園で開催されていた「辻井寿三郎展」で久々に彼の作品と対面。歴史ある雅叙園のロケーションが見事にシンクロして、予想以上の素晴らしさだった。

ただ、一回りした後には、魂が責められたように酷く疲れてしまった・・・これが警告を受けた証!寿三郎さんの作品をご覧になったことがある方はご存じだと思うけど、彼がひとつひとつ命を吹き込んだ人形達はどの子も密かに呼吸しているの。

その表情、仕草だけで、どんな個性を持っているか、どんな生き方をしているのかが一目瞭然。本気で挑まないと彼らから発するものを受けれない、つまりこちらのチャンネルをオープンにしておかないと真意を感じる事が出来ないのかも。

本展では平家物語に登場する人物がモデルになっており、歴史に忠実に再現されてはいるけど、寿三郎カラーと彼の解釈が程よくブレンドされて実に"モダン"なの!唇には金の紅、爪の赤さ・・・現代的でありながらこの非業の深さを表現出来るなんて神業としか言いようがないわ。

数ある名作の中で一番感銘を受けたのは、怨霊になった崇徳上皇と円位の対面する場面。目玉が落ちそうな変わり果てた上皇とその姿に涙する僧侶、円位・・・足下には黒い羽で覆われた河童のような形相の怨霊達が蠢き、その壮大さはまるでオペラの一場面のようだったわ。

悲しみの深さ、そして奈落の恐ろしさを越えた美しさにしばらくその場を離れられなかった。数ある作品の中で自分が最も心惹かれたのは「佛御前」!彼女は平清盛が愛した舞姫なのだけど、自ら清盛を捨てたという潔い女性よ。尼になり、自分の前に寵愛を受けて捨てられてしまった舞姫、王と余生を過ごすという慈愛に満ちた一面も持ちあわせている。常に自分の道を貫き、更に相手の心を思いやる心意気に感銘を受け、思わずポートレイトを購入してしまったわ。

女性たるもの、こんな風に生きていきたいわね!本展を開催するにあたり、寿三郎さんはこうおっしゃっていたの「この可哀相な人形達を見て、自分はまだまだ頑張れる、と元気を持って欲しい。だからこの人形達を作った」なるほど・・・明るいものを見て励まされることはあるかもしれないけど、これだけの業を背負った彼らと向き合えば自然と前向きになっていくもの。寿三郎さんの思いの深さに、ただただ頭が下がる思いだわ。

不思議なことにこの展覧会を見てから自分の今後の方向性が見えてきたの。その表現活動に余生を費やす決意を固め、佛御前の様に本当の意味で強い人間にならなくては・・・そして皆さんに警告しますよ!

pipopipotv at 00:00│Comments(0) アート 

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