2014年12月22日

池田理代子日記3 クロディーヌ…既成概念を超えた愛編

20141220子供の頃読んだ漫画を大人になってから読むと、感じ方が全く違うと思った事は無い?…このブログでは常連になりつつある、池田理代子先生の1978年作品「クロディーヌ・・!」は、今なお心にずっしり訴えるものが有るわ。

今から30年も前に描かれたのだけど、"トランスセクシャル"を題材にしたものなのよ。今でこそ世間の性同一性障害への認識は高まっているけど、この時代に取り上げるというのはかなりの気合いだったと思うし、出版社側にとっても挑戦だったのではないかしら。

物語も実に凝っているわ。ある裕福な家庭に生まれたクロディーヌは敬愛する父に習い、勉学、教養すべてパーフェクトで聡明な女の子なの。ただ自分が女性であるという事に違和感を抱いていたので常に男性的な身なりや振る舞いをしていたわ。

そんなある日、彼女は新しく来たメイドの女の子に恋を・・・でもその恋は母によって阻止され、カウンセリングを受けるという結果に。その後大学生になったクロディーヌは1人の少女と運命的な恋をし、遂にその恋は実るのだけど、愛しい彼女は自分の兄と結ばれる事になってしまったの。精神的な繋がりは肉体を超えると思っていたのに・・・クロディーヌの悲しみは深く、ある決断をする事にしたのよ。

表面だけで読むと一見ドロドロで昼ドラも真っ青な展開になってるけど、心と体のバランスが取れずに苦しみながらも心から"人を愛する"クロディーヌの生き様には一点の曇りもない。読んでいくうち、自分はここまで人を愛する事が果たして出来るだろうかと自問自答してしまったわ。

エンディングで、精神科医は彼女の記録にこう書き込んでいるの。

「真の男性でさえ、かくは深くひとりの女性を愛せなかったであろう」と。偏見と戦い自分と戦い、溢れる愛を人に与えるクロディーヌ。彼女はこの世に遣わされた天使そのものかもしれない・・・そう思えるのは自分が人を愛する喜びや苦しみを少しは理解出来るようになったからかしら?

性別の枠を超え、人を思うパワーというものは本当に強く儚いもの。タイトルの「・・・!」という部分に作者のそんな強い意思を感じずにはいられないわ。もしもあなたに愛する人がいたなら、是非一度読んでみて。


pipopipotv at 00:00│Comments(0) ご本 

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