2014年12月21日

トルーマン・カポーティ日記2 未完の退廃…編

20141212トルーマン・カポーティの遺作「叶えられた祈り」を"取り敢えず"読破。でも、この作品を読んでいた時の心情が最悪だったせいか、カポーティをどう受け止めたらいいか分からなかったというのが正直な感想ね。半ば攻撃的に読んでしまった・・そんな気がするわ。

ブログで紹介した大作「冷血」を書き終えた後、カポーティは未完のこの作品を残し急逝したのだけど、発表当時かなりのバッシングがあったそうよ。

それもそのはず、彼は作品中で自分の上流階級の"友人たち"のプライベートを面白おかしく書立ててしまったからなの。

P・B・ジョーンズという名の美しい小説家志望の少年が己の体と話術を駆使して、上流社会という名の偽りで彩られた世界に身を置くというストーリーなのだけど、言うまでもなくジョーンズはトルーマン自身よ。華やかで美しい人達に囲まれ、その光の恩恵を受けながらも自ら光り輝く事の出来ないジレンマ・・・そのあまりにも身勝手で自己中心的な文章からは、汚れ切ってしまった彼の心の奥底に沈む悲しみが見え隠れしている。まさに拭いようもない不安を自負と恍惚でオブラートしている、という感じかしら。

冒頭で「叶えられなかった祈りより、叶えられた祈りの上により多くの涙が流される」という聖テレサの言葉が引用されているのだけど、個人的には「叶えられなかったことは空想の中で楽しめるが、叶えられた事で悲しく辛い思いをする事は多い」と解釈したの。

P・Bことカポーティは小説家として成功したものの、傑作を生み出さなくてはというプレッシャーや、友人達の信頼の喪失、己の在り方に常に苦しんでいたのではないかしら・・。

ここまで自分を赤裸々に、いや剥き出しにして血だらけにしたカポーティ・・あなた自身が本当に素晴らしい作品であった事は間違いないわ。もうこれ以上傷つく事なく、ゆっくり休んで下さいね。もう少し時間をかけてあなたの天の邪鬼な気質を受け止められるようになったら、再度チャレンジさせてもらいます!

pipopipotv at 00:00│Comments(0) ご本 

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