2014年08月16日

カンジュアリング日記 神の御業か、悪魔の企みか・・・編

20140825個人的にはホラーというジャンルは好きなのよね…平和な日常生活の中で、普段気付かれる事のない霊など人外の存在が浮き彫りになるから。そしてその核になる霊が姿を現した瞬間の恐怖!・・・というのが最大の見所だけれど、それはあくまでエンタメ。

夏の夜の風物詩として鑑賞するならそれで十分だけれど、自分としては常にその現象の背景にあるものに重きを置くようにしている。

最近はCG技術などの発達でビジュアル的な恐怖は簡単に生み出せるけれど、日本でも今年公開された「カンジュアリング(邦題:死霊館)」は公開前の予告編からその卓越したアイディアとセンスでホラーというジャンルに新たな息吹を吹きこんだと言えるかも…1973年「エクソシスト」以来の衝撃を受けたわ。

実在する、超常現象家として名高いエドとロレイン夫妻が扱った中で最も邪悪な事例を元に作られているのよ…1971年、田舎にある古い屋敷を購入した夫婦と娘5人の大家族が、入居した翌日から奇怪な現象に悩まされるの。やがて娘達に危害が及び、母親はエドとロレインに助けを求めることにしたわ。

エドはカトリック教会が唯一公認した悪魔研究家、ロレインは透視能力を持つという最強コンビ・…娘を思う母の心に打たれ、夫妻は血塗られた過去を持つ家と土地の捜査を始めたの。そこには恐ろしい事実が・・・。霊は本来の目的を果たそうと母親に憑依し、とうとう夫妻と対決・・・というストーリーよ。

これが脚色されているにせよ、全て事実というのは背筋が凍り付く程怖い!

きっとロレインから当時の状況を聞いて映像化しているのだろうけれど、霊の出現する描き方が非常に自然なのよ。人の背後にユラユラと黒い影の様に揺らめいたかと思うと、気付かれたと思いサッと消える、シーツが風に飛んで行く一瞬に人の形になって飛ぶ様、そしてそれが2階の母親の所に移動していくなど、"人でないもの"がどう存在しどう移動するかを"生きている人間"として納得させられたわ。

そして特筆すべきは、女優陣の演技の素晴らしさ!透視能力を持つロレインを演じたヴェラ・ファーミガ(マイレージ・マイライフでアカデミー助演女優ノミネート)、憑依されてしまった母キャロリンを演じたベテランのリリ・テイラーの両花の存在が、今作を更に奥深いものにしたと言っても過言では無いかも。

ロレインが問題の家に踏み入れた際、霊の気配を感じ警戒しつつも家族と挨拶を交わすシーンは神業!窓越しに不安そうに見つめるカットも素晴らしいの。彼女達に共通していることは、家族を愛する気持ち・・・その強さが嫌味無く自然に伝わってくるのも表現力の凄さであるわ。

しかし今作を見て思うのは、霊にも、憑依された家族にも、祓う側にもそれぞれの事情があるということ。霊も元は生身の人間であり、己の伝えたい事や目的を遂げるためには別の人間が必要だった、という事なのよね。そう考えるとホラーというより、別次元のヒューマン・ドラマとでも言うべきか・・・。

とにもかくにも、あらゆる方向でホラーを変革した作品と言えるでしょうね。因みに邦題「死霊館」は最悪なタイトルよ!並のスプラッタを想像させる安易で安っぽい発想…そのまま「カンジュアリング」にすべし!…カンジュアリングとは霊を呼び出す手法の意味で、ここではロレインがオルゴールを使って霊体を呼び出すとても重要なアイテムで物語の軸になってる…だからタイトルは「カンジュアリング」なのね。

米では昨年公開前の試写であまりの怖さと好評価で公開時期をずらして宣伝を強化して大ヒットになり「カンジュアリング2」と物語の冒頭に登場する怖い人形(これも実話)「アナベル」もスピンオフとして制作が決まったので楽しみ!「アナベル」に関してはまた後日ピックアップするわよ…フフ。

「カンジュアリング」は暑い夜にヒンヤリしたい、などという目的では決して見ないで…もしそんな軽はずみな気持ちで見ようものなら、ドン・ドン・ドン・・・壁を3回 た た か れ る か ら。

pipopipotv at 00:00│Comments(0) 映画&TV 

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