2014年06月11日

日野日出志日記3 運命の出会い編

運命の巡りあわせ、というのは人生に於いてそんなに多く起きるものではない。でもその瞬間は突如訪れたわ。あれは2006年11月・・初のiTunesリリースに向け準備に追われ、自分の人生で大きな転換期を迎えた時期だったの。自分の作品を生み出す前に、己の世界観に大きく影響を与えた創造主の一人にまさか会うことになろうとは・・・以下、当時のブログの文章と写真を転記させて頂くわ。写真は当時の携帯で撮影したものなので、ぼけててもご容赦を(*_*;)

20140610(2006 11.14)
今日は大泣きした。
とにかく大泣きした。
こんな事が有るなんて・・
奇跡の日だった。

このところ、歌詞の書き直しで相当参っていた。この上なく参ってた。おまけに久々に大熱が出て、頭痛でおかしくなった。

今日はバイトは7時からの出勤で、しかも忙しい。お昼を3時くらいに食べて、仕事をしてめまいでくらくら。あまりの頭痛に5時前に職場を出た。

歌詞歌詞歌詞・・・。
吐きそうになりながらとにかく病院へ。まだ間に合うはず。
その時、ふと考えた。
こんな状況で注射しても自己治癒力を低下させるし、注射は高い。
とにかく寝よう。

有楽町の駅に向かいつつ、また歌詞の事を考える。

そして、ある重大な事に気付いた。

今日から、ピポ子の尊敬する日野日出志先生の個展が開催されるのだ。
しかも偶然にもこの職場の近所。
そのギャラリーは、先週偶然買い物の途中で見つけた小さなギャラリーで
更なる偶然の出来事だが、そこで日野先生の個展が行われると言う事を一昨日知ったのだ。

この時期に見たい絵が見れる。
これは「見ろ」との啓示としか考えられない!!
具合はかなり悪いが、今日が初日・・・いかなくちゃ!!

早速熱で口を腫らし、ノーメイクにストール姿で到着。
お客はまだピポ子のみ・・・。

会場は、まさに「日野日出志」の世界だった。
頭痛も忘れ、絵に見入る。
なんという線、色、なんという臭いなんだ!!!

幼稚園の時に初めて見た時からずっと忘れられない。
この人の絵にショックを受け、読みたいが怖くて 買って家に置けず
この人の漫画を立ち読みする為お稽古に通った日々・・・。

日野先生は、日本のホラー漫画の第一人者だ。
その画風、世界観は恐ろしいほどにオリジナルである。
この世に天才がいるなら、まさしく先生の事を指すに違いない。

もともと太い線と細い線の対比が美しかったが
生の原稿を見て愕然とした。

どんな細かい部分もすごく丁寧に描き込まれている。
色の風合いも抜群だ。
赤、黒の2色で描かれた原稿はその2色で完結していた。
他の色はいらないのだ。

カラーの扉絵も素晴らしい。
グロテスクに歪み、うじ虫のわき出る体とその背景にあるもの。
沼、ごみ捨て場、工場・・・
ありとあらゆる昔の日本の「息吹き」を感じる背景。
おとうさん、おかあさん、おねえちゃんとちゃぶ台を囲んだ頃の日本。
その前で、人間の醜さ、性を表現する「異形」な者たち。

こんなに匂い立つ作品を見た事が無い。

吐き気を忘れ、目に焼き付けた。
正直日野先生の作品はあまり読んだ事が無い。
というか持っていない。
ファンなのに???と思われるかもしれんが
「買えない」といった方がいいかもしれない。
作品自体入手しにくいのもあるが、
幼稚園の頃のピポ子の感性では「怖いし、気持ち悪いからお部屋においときとくない」
というのが先立って、買うのには勇気がいったのだ。

時を越え、何故だか分からないがこの2,3年日野先生の作品が見たくてたまらなくなった。
それだけ印象が強烈だったに違いない。

ふとある原稿の前で足を止めた。

漫画の生原稿だ。

タイトルは「赤い実」

びっくりして泣きそうになった。

来年私がリリースする予定の曲名は
「赤い実」なのである。

私はこの作品を今日初めて見たのだ。
しかし、この曲が出来たのは数カ月前。

しかもそこに描かれている赤い実の絵は
私が自分の手帳に描いたものと同じであった。

何だか複雑な気持ちで泣きたくなった。
ただただ泣きたくなった。

おろおろして作品を見ていると、
ギャラリーの中央で年配の男性が3人ワインを飲んでいた。
陽気に楽しそうにイタリアの話をしている。
きっと後援会の方なんだな・・・
そんな方々を横目に、画集を買おうとギャラリーの女性に声を掛けた。

「あの・・・これサイン付き画集下さい!」

「有り難うございます。
あ、折角先生がおいでですから名前を書いて頂いたら?」

・・・・はぁ?
・・・・・えっ!?
・・・・・・・えええええええええええええっ!?ナンですって!!!?????

振り返ると、ワイン会の方がこちらを向いて口ぐちに
「ほらほら、サインして差し上げなよ!」
「ほらほら!!」・・とおっしゃった。


「ぎゃああああああああ!どうしよう!!
ノーメークなのに!!!あわわわわわあああわわわわ!!」

ピポ子乱心!!!

ギャラリーの方はピポ子の携帯で写真を撮って下さると言って下さった。

「せせせせせせせせせせせせせせんせい!!私ピポ子です!!!
先生の作品で育ちました!!ブブブブブ・・・ブログを書いてるんですが
写真を載せてもよろしいでしょうか!!!???」

「いいですよ!!どこでも使って下さいね」

もはや白目どころでない。
乱心なのだ。

先生の作品にどれだけ感銘を受けたか、色々言いたいのに言葉にならず。
先生は強く握手をして下さり、しかも優しい。
驚いた事にお年のはずだが、若々しい。しかも・・・
すんごい美形だ!!!!!!

まじ凄い美形です!!!
やばい!!
多才な上に美形!!
神様は卑怯だ!!

20140611ぽーっとしていると、先生が他の2人を指さしておっしゃった。
「こちらはねえ、漫画家のビック錠とお茶漬海苔。」

・・・・ええええええええええっ!!!まじっすかあああああ!!

諸先生がたの漫画は持ってます!!
読んでます!!10代の時から・・・・

ピポ子成仏。

「じゃみんなで写真撮ろうよ!!」

そして、ピポ子は漫画界の大御所と並んで写真撮影。
なんで、こんな日にノーメークなんだ!!!
ノーメークを気にしていると、ビック錠先生が
「大丈夫!!可愛いよ!!」
「イタリアで写真撮ったみたいだね、あははははは!!」

・・・恥ずかしい・・・みんな優しい・・・。

ピポ子は何だか頭に血が上り「私、歌をうたってますピポ!!」
とおかしな事を言い出してしまった。

「へえ・・・そうなんだ!!どんなの?」
「ロック?ポップス?」
「いつ出すの?」
「まあ、ワインでも飲まない?」

ピポ子は頭痛とめまいと興奮で倒れそうになった。

ピポ子がお話している間、別の女性が写真をご依頼され
邪魔しちゃいかんと退くと、先生はピポ子にワインを勧めて下さった。

あれ・・・ピポ子だけ高待遇だあああ・・・
悪いなあ・・・でも嬉しい!!!熱意って伝わるのね。
でも化粧はしとくべきだった・・・ううううう。

お酒は飲める状態でなかったので
先生方と握手をして、これからも応援してますとお辞儀。

「またどこかで会いましょう!」
先生がそうおっしゃって下さったのでこうお答えした。

「必ずお会いします!!必ず!!」

本当なら先生方と飲んだくれて、お話でも出来るチャンスだったのだが
頭痛の所為だけではない、今の私では先生方とお話出来る位置にいない・・・
そう思い遠慮した。

あの原稿を拝見した時驚いたのは
どんな細かいコマも全く手が抜かれてないという事だ。
プロなら当たり前なのかもしれないが、どのコマひとつとっても
それだけで存在出来ている。

・・・今の自分はどうだ。
歌詞を変える事、絵を描く事で手一杯。
自分の世界を作る事にここまでエネルギーを出し尽くしているか!?

そう思ったらまだ同席出来ないと思った。

だから失礼する時に「必ず」と申し上げたのだ。
これから絶対日野先生方と同席出来るくらい
確固たる自分を追求し作り上げないと・・・!!!

それからお客様が増え、ピポ子はギャラリーを後にした。
なんというすごいタイミングで入れたんだろう・・・
ついているとしか言い様がない。

・・・まさに神様がピポ子をここまでお連れになったのだ。

神様・・・へこんですいません。

こんな時だからってわざわざ御膳立てして下さって本当に感謝です。
奇跡はおきるのね。というか奇跡の団子3兄弟である。

日野先生は会場にいらっしゃるのは今日だけだったそうな。
しかもピポ子の仕事がきょうこの時間に終わらなかったら
先生方とお話は出来なかった。

偶然は必然。

気合い入れ直して、先生と対談出来るように頑張ります。

・・・また泣けてきました。


pipopipotv at 00:00│Comments(0) 自分探し 

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