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2013年02月27日

高橋葉介日記2 悪夢交渉人編

20130228このブログでは既にレギュラーと言っていいほどご紹介している漫画家、高橋葉介氏の短編集「悪夢交渉人」を読んでみたわ。

実はこの本、偶然古本屋さんで見つけて即買いしたのだけど、やはりタイトルの秀逸さにまず目を奪われる。今作は表題作の4編と短編7編で構成されていて、どれも深く頷きながら読み進むといった具合よ。「悪夢交渉人」とはその名の通りお金をもらって悪夢を回収するという大学生、夢継渉(ゆめつぐわたり)の物語。

姿の見えない化け物に夜な夜な襲われる女子大生、双子の妹を死に追いやったと自責の念にかられ悪夢に囚われる少女、自分が幽霊だと思い込み死霊の中に存在する学生、自分のコンプレックスから美しい継子を襲ってしまう継母…どれも悪夢に悩まされているのは女性ばかり。

彼女達は自分の深層心理にあるどす黒い感情を、夢の中で解放し苦しんでいるの。渉はそんな彼女達の悪夢の根源を探り当て浄化させる…でも値段交渉したりするなど、ドライなところが非常に良い。

相変わらずの高橋節ともいえる筆遣いは大胆で、登場する女性陣も美しいわ。他の短編は、妖しい露天商が様々なものを売りつける「露店」、ベビーシッターの仕事を受けた少女がはまるメビウスの輪「リ・プレイ」、家庭教師をする少女の家に現れる奇妙な女「お姉ちゃん」などなど、高橋氏のブラックファンタジー・ワールドが全開!特に気になったのは「露店」という作品で、妖しい露天商が通りかかる主人公の少年に色々な動物を売りつけていくのよ。最初は亀、そしてうさぎや子猫…買わなければ目の前で殺そうとするの。

優しい少年は驚いて毎回動物達を買うけれど、亀以外は皆短命だったわ。縁日でひよこやうさぎを買うとあっという間に死んでしまうという話を良く聞くけど、そのせいか露天商ってどこか異様な雰囲気があるのよね・・・そんな不気味な部分を見事に描きだしているわ。

やがて少年が成長すると露天商は人間の子供を買えと言ってくるの!少年が驚いて黙っていると、彼は持っていた金槌で赤ん坊を・・・!シーンが変わり大人になった少年が新妻を呼ぶ、すると彼女の額には金槌で殴られたような大きな痣があった…というテンポの良い纏め方になっていたわ。

常日頃から思うけど、短編は作るのが本当に難しい。短い時間で緩急をつけないといけないし、ピークまでとその後のリズムの取り方肝になってくるのよね。高橋氏はそういう意味合いでも有能なミュージシャンと言えるかしら。彼の作品未体験の方は、この短編集をオススメするわ。ありとあらゆるジャンルを楽しめると同時に彼の発するメタファーに魅了されること間違い無しよ!

pipopipotv at 00:00│Comments(2) ご本 

この記事へのコメント

1. Posted by HBriver   2013年02月27日 06:46
これは興味あります。この漫画、読みたいです。
amazonにあるかな?
2. Posted by ピポ子   2013年02月27日 16:09
5 兄さんはお好きかもよ!
是非探してみてね(*^_^*)

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