2015年06月
2015年06月29日
2015夏至日記2 627は凄かった編
昨日(6/27)の夕空の写真が見たいとのリクエストにお応えしてアップいたしますよ~。
先ずは日の入りは火山噴火口のようにも見える雲とのコントラストから始まって、何やらただならぬ気配!!

この時期は丁度ヒルズに日が入り美しいのです

日が沈み始めると、なんと雲がゴールドに。

やがてだんだん赤と言うよりピンクに近い輝きで反射する海の色がピンクゴールドじゃありませんか!!
空のコントラストは見事なグラデーションで視界を圧倒!!
最後に東京タワーがライトアップされる頃には深みのあるワインレッドがアートなSKYLINEを描いていました。
驚きの空模様にtweetも大賑わい…美を感動共有できるのっていいですよね!!
先ずは日の入りは火山噴火口のようにも見える雲とのコントラストから始まって、何やらただならぬ気配!!

この時期は丁度ヒルズに日が入り美しいのです

日が沈み始めると、なんと雲がゴールドに。

やがてだんだん赤と言うよりピンクに近い輝きで反射する海の色がピンクゴールドじゃありませんか!!

空のコントラストは見事なグラデーションで視界を圧倒!!

最後に東京タワーがライトアップされる頃には深みのあるワインレッドがアートなSKYLINEを描いていました。

驚きの空模様にtweetも大賑わい…美を感動共有できるのっていいですよね!!
2015年06月28日
2015夏至日記1 夕暮れに包まれて編

今見える景色は空だけでなく、それが反射する海面が実に綺麗…丁度6/22は夏至なので1年で最も昼間が長い時期…特に超高層ビルの都市の夕焼けは見事よ。
天候の影響で決して同じ景色は存在しない一期一会な自然との出会いよ!!…写真はその中でも最も焼けた日でtweetでは『怖い!!』と表現されてる方が多かったわ。
ここでは空だけで無く海もご覧のように真っ赤に反射するので何とも言えない光景ね。
その時の富士山はこれまた有名な富嶽三十六景の赤富士に迫る美しさ。
時には柔らかな雲がお菓子のように東京を包み込む淡い夕焼けは本当に心を癒やしてくれます…つくづくこのお家を買って良かったなぁ~思う日々なのでした…フフ。
明日はリクエストが多かった昨日の驚きの空をお届けしますよ〜。
2015年06月26日
恋愛離れ日記 3次元には興味なし!?編

このまま結婚できなかったらどうしよう、恋愛をして辛い思いをしたくない、などという声が挙がるかと思いきや、論点は思わぬ方向へ・・・!!まず恋人を作らない理由のひとつが「経済的な理由」だそう。
確かにデートをするにはお金がかかるし、自分磨きのためにも資金はいるものよね。でもそうして努力して相手に良い部分を見せたいと思うのは当然のことよ。しかし、そこではなかったの・・・。付き合うのも良いがゲームをしてる方が楽しい、3次元の女性がどういうものなのか想像がつかない、外に出て人に関わると疲れる、といった意見が挙げられたのよ。
すべての若者に当てはまるとは思えないけれど、彼らの人との関わりに対する稀薄さというのは常日頃から感じていたわ。中には2次元の方が自分の好みであり、生身の異性に縛られるのは面倒、2次元に慣れすぎて生身に興味が湧かない、などという恐ろしい意見も。昔は様々な交流の場で友人を介して出会い、趣味を共有したり食事をしたり、笑ったりケンカしたりとお付き合いをしながら共に成長していったものよね。
そこで新たな人間関係が生まれ友人が増えていったりしたわ。今はPCを叩けばどのような情報も瞬時に得る事は出来るけれど、そこからどう紡いでいくかは人間力が必要になる。その部分が大きく欠けてしまうようでは本末転倒、お先真っ暗よ。
必ずしも2次元が悪いというわけではないし、どうせならそのマーク・ライデンみたいに2次元を極めるくらいの度量をみせてほしいわね。どちらにしても、地球最後の日までに残るのは強い遺伝子のみ・・・選別はもう始まっているのかもしれないわ。きゃー!!
2015年06月24日
HSP日記 涙もろいのは年じゃない!!編

実は自分自身を含め周囲にも何人か同じ反応を示す人がいて、感受性が強いだけなのではないかと思っていたのだけど、研究によれば人工の20%がこの分類に入り、特徴も男女同じ確率で見受けられるそう。
最近ではこのHSPが大きな話題になっていて、高敏感性、敏感性感覚処理に関する初の国際的な科学会議が開かれたんですって。
更に自らHSPだと主張するアラニス・モリセット出演のドキュメンタリー作品も制作中だとか。
さてこのHSP、どういうことなのかというと、店内にかかっていた曲を聴きその内容に対して急に泣いてしまったり、舞台の幕が上がった瞬間に役者さんの情熱を感じて泣き出したり、映画やニュースなどを見ていて急にシンクロして涙腺が緩んだり、などなど「どうしてこれで泣くの?」と思われるシーンで心打たれ泣いてしまうという状態に陥るの。
映画のキャッチコピーで「泣ける!」という文面があるけれど、言わせてもらえばそれは非常に滑稽よ…なぜわざわざ泣くために映画館に行くのか?と疑問だけど、世の中には感情を露わに出来ない人の方が多いから仕方ないのかもしれないわね。
この高敏感性、当初精神的な病気なのか老いなのかと思ったこともあったけれど、自分の仕事を考えれば当然のことであるし気に留めていなかったの。でも研究が進み、障害でも病気でもなく生まれながらの永続的な特徴だと知り安心したわ。
HSPを特定したエレーン、アーサー・アーロン博士によれば、極度に敏感な人はより深い認知処理をし、何かに圧倒され感情的な反応が大きいのが特徴だそう。更に細かな点にも気付きやすく、優秀なカウンセラー、教師、芸術家、牧師などに向いているのだそうよ。おっと、これは確かにそうかもしれないわね・・・うふふ。これからは急に涙を流していても年のせいではなくHSPだから、と胸を張って言うことにしましょう。
2015年06月21日
セッション日記2 フ○ッキン・テンポ再び・・・!!編

本編を体験した際にはそのセンセーショナルなストーリー展開とJ.K.シモンズ演じるフレッチャーの怪演にのまれてしまい、音楽にまで意識を向けるには不十分だったという事に気付かされてしまった。ジャズ・ファンの方やプレイヤーにとっては技術面で色々と語りたい方も多いだろうけれど、まず言えるのは「音もきちんと演じ切れている」という事ね。
マイルズ・テラー演じる主人公のドラマー、ニーマンの最初のどこか不安げなドラミング、そして己のすべてを放出させていくエネルギッシュなプレイの変遷ぶりは実にお見事よ。曲の合間にこの2人のダイアローグも収録されており、フレッチャーの声を聞いただけでなんとも言えない緊張感を感じてしまうのはさすが。
テーマ曲である「Whiplash」は勿論、魔が憑いたとも言うべき「Caravan」はアレンジも文句無しに格好良いけれど、ニーマンに感情移入してしまうせいかつい息を潜めて集中し聴いてしまう。大事な打ち合わせの前などに聴くと士気が上がることは間違いないわね。サントラの面白さは、シーンとのシンクロ率が高いほど自然に脳内再現出来ること、単体で聴いてもその面白さが際立って一人歩きすることにあると思うのだけれど、このサントラはどちらも兼ね備えていると言って良いわ。
個人的に気に入ったのは「Accident(事故)」…まぁ、タイトルのままなのだけれど、ニーマンの心の焦りから起きてしまった事故のシーンに使われたものよ。ホーンのロングトーンが狂気的で混沌とした意識を表現していたり、緩急の狭間で突如現れるヴィブラフォンの軽快なフレーズは薄れる意識の向こうに見える安堵であったりと、全体的に前衛的でクール。
映画の余韻を味わいたいが為にテーマ曲を・・・と望んでサントラを購入する人が殆どだとは思うけれど、それ以外の曲も繊細に作り込まれているので映画を見る前に楽しむのも良いかもしれない。
音の作り込みも非常に良く考えられていて、色々な面でまたもや考えさせられる1枚となったわ。しかしながら再度申し上げてしまうけれど、本編は音楽を題材にしてはいるけれど音楽映画ではないのよ。サントラもそういう視点で聴くと更に面白い発見があるはず。さ、ダブルタイムよ、ダブル!!
pipopipotv at 00:00|Permalink│Comments(0)
2015年06月19日
噂日記 秘密は蜜の味以上!?編

男性側からすれば、そんなに噂をする事があるのかと呆れ気味の声が聞こえてくるけれど、実はこの噂話、決してマイナスに作用する訳では無いんですって!!
コロンビアビジネススクールの最新研究によると、秘密を隠し保持することは物理的な重量を持ち運ぶ感覚に似ており、エネルギーを放出させてしまうのだそうよ。確かに秘密を守ろうとすると、何となく気分が重いというかストレスを抱えてしまうから、その感覚は理解出来るわ。
しかしその秘密を信頼する人に伝えると、モチベーションが上がり知的な発想の向上に繋がるのだそう。やはりストレスを溜めずにいるということが鍵のような気がしてならないわ。女性は秘密好きの生きものであることは間違いないけれど男性はどうかしら?
調査によると、現代男性は秘密を維持するのが難しいそうよ。時間にしてみると平均で約2時間47分だけ秘密を守ることが出来るそうで、それは女性と比較して約40分少ないのだとか。男性は仲間と社交的な場所に飲みに行くことが多い為、3時間以内にお互いの秘密を共有する傾向が強いからなんだとか。
確かに男同士はねちねちと秘密を持つというより、お酒を呷って陽気に曝露という感じよね。しかし面白い事に、男性の92%は「自分が秘密を守るのが得意である」と考えているんですって…おやおや、やはり男性の方が失礼ながら単純なのか・・・いや健康的であるということかしらね。さて今日も女友達が集まることだし、発想の向上に努めるとしようかしら。
そうそう、「噂」と言えば1977年フリートウッド・マックの名作アルバムタイトルなんだけど、制作秘話によると人間関係に疲れたメンバーがそれをテーマに録音したとの事…やっぱり噂はポジティブなのかしら…フフ。
2015年06月17日
記憶日記 メモは無意味だ!?編

PC上ですべて処理できるようになってから”インターネットが記憶を蝕む”という説が囁かれ始めたけれど、実はこの説は間違いではないらしいの。
2011年に発表された「グーグル効果」という研究によればインターネットが外部記憶装置のようになった際、コンピューターに情報を保存した人はそれが消滅されるとわかっている人に比べ、あとからそれらの情報を思い出せなかったという結果が出たそうよ。
理由として外部記録に情報を保存することで安心し自分の記憶として取り込まなくなったという事なのだけれど、専門家はこの事態に対し警鐘を鳴らしているわ。しかしながらまだアナログではあるものの、メモをとる人は依然多い…学校や職場でもノートをとり、あとから見直すという方法は今なお続いているわ…でもこの手法も同じ脅威にさらされていたの!!
その事実を確証すべく専門家はカナダの大学で学生を集め「神経衰弱」ゲームを用いた実験を行ったそうよ。半数の学生にはカードの位置と正体を紙にメモさせ一定の時間が来るとメモは没収、その他の学生は自分の記憶を頼りにゲームに臨んだわ。
するとメモをとっていたグループの方がカードの位置を思い出す確率が低いという結果に!!…昔学校の先生が「書いて覚えろ」と私達生徒に指導していたけれど、この手法は無効だったとは・・・どおりで、暗記物の学科が奮わなかった訳だわ(笑)
結果として記憶の貯蔵を外部形式の技術に頼ってしまうことで神経シナプスがサボってしまった、という事だそうよ。年々記憶力が衰えると嘆く前に、まずは自分のシナプスを活性化させるようにしないといけないわね。まず鞄の中のノートとペンを出して・・・ふなっしーをチョイチョイ、と。
2015年06月15日
プリティ日記 報酬回路を活性せよ!!編

猫家族との共同生活を始めてからというもの自分の生活は大きく変わったわ。
彼女達は実に自由・・・機材は落とす、夜中の大運動会を勃発させる、仕事中絶えず膝に乗ってくるなど気ままな振る舞いには閉口だけれど、甘えた声でひっくり返り肉球を見せたり、自分のベットさながら大の字になって眠る姿を見た瞬間すべてが帳消しになりメロメロ状態。
こういった人間以外の小さな生物の特徴が、人間の心を打ち世話をしたいと思わせる要因は一体何なのかしら。ほ乳類の赤ちゃんは目が大きく、額が広くて丸顔というのが主な特徴だけれど、こういった赤ちゃんの特徴が際立てば際立つほど可愛いと評価されるものよね。
ある脳画像研究によれば、人間は赤ちゃんの顔を見ると脳内物質ドーパミンの”報酬回路”が活性化され、赤ちゃんが可愛ければ可愛いほど度合いが増すんですって。これは動物の赤ちゃんに於いても全く同じ反応だそうよ。
更に可愛い赤ちゃんの写真を見せた後に平均的な赤ちゃんの写真を見せるという実験を行ったところ、被験者は後者を可愛くないと判断。逆に可愛くない赤ちゃんを見せてから平均的な赤ちゃんを見せると、後者は可愛いという反応に格上げしたの。
合コンで自分を際立たせたい時には自分よりも可愛くない子を連れて行くというセオリーがあるけれど、この理屈は生物学的に正しいという事なのね。それはさておき、人間はどの種に於いても、かわいいとみなすものをアップデートする神経回路を持ちあわせているのだわ。
別の研究ではそれは人間だけでなく、サルにも同様の反応が見られたそうよ。以前ゴリラが子猫を育てたり、犬が子狐を育てるなど多種を世話するといったニュースを聞いたことがあるけれど、これも神経生物学上自然なことだったのね。
可愛い、可愛くないと判断するのは個人差があるし失礼じゃない?と思えども、可愛いルックスを持ちあわせた人が得をするというのは、生物学上致し方のないない事と思い諦めるしかないようね。でもやっぱり・・・うちの猫姉妹が一番可愛いわ!
2015年06月14日
日野日出志日記6 母胎回帰編

自分自身日野作品を網羅していないので、その中から気に入ったものを更に探し出すという楽しみも享受できるわ。そういう意味でも、日野作品に馴染みの無い人が読んでも十分に楽しめる構成になっているかも。
個人的に最も気になった作品は「水の中」…魚好きの少年が事故に遭い、酷いケガを負って母の世話なしには生きられなくなってしまうという冒頭から壮絶なストーリーよ。
父も亡くなり、経済的に切迫した家計を支えるべく母は水商売を始めたわ。最初は少年の世話を焼き優しかった母が、次第に"女"へと変化し少年に辛く当たるようになるのよ。ある夜母は男と一緒に帰ってきたものの、朝になると男の姿はなく冷たくなった母の姿だけが・・・。
少年はやっと自分の元に帰ってきた母の側で嬉しそうに添い寝をするの。しかし不思議なことに親子の姿は忽然と消えてしまう。近所の人が姿が見えない親子を心配して警察を呼ぶけれど、警察も事件性の無さにただ首をかしげるばかり。しかし水槽の中では幸せそうな親子の姿が・・・というファンタジー作品で、決してホラーではないのよ。
何より親子は”共に生きる事”に一生懸命だっただけで、途中それを維持するために歪みが出来てしまっただけにすぎない。これほどまでに現実は幻想の世界よりも過酷であり、生きるということはこれほどまでに悲しい事であると思い知らされたわ。この「水の中」はそれ以来自分の中に大きな波紋をもたらし、寝ても覚めてもこの作品の事を考える日々が続いたの。
清水氏曰く…『日野作品はオイディプス的願望が色濃く出ている』と論じているけど、その考えには同感!恐らく少年は母と一体化したかったに違いない。男性の殆どは深層心理の中でそう思っているはずだし、あれだけ大事にしていた母が水商売の為美しくなるのは少年にとって裏切り行為であり、男達と関係を持たれるくらいなら死して自分の元に戻ってきた事が喜びだったに違いないわ。少年の部屋にある水槽は母胎回帰の現れであり、少年は再び母の羊水の中に帰っていったのかも・・・。
これほどまでに人間の奥底に潜む感情や衝動を暴く事の出来る漫画家がいるだろうか?…改めて言えることは、日野日出志先生はホラー作家では無く、あくまで表現方法として漫画を用いただけ。彼こそが”人間作家”であるということをここに強く訴えたいわ。
2015年06月13日
豊洲新市場日記1 進化する流通の兆し編

なかなか擦った揉んだあった築地市場から豊洲新市場への移転…全ての問題が解決されてる訳ではありませんが、つい数週間前に心配していた観光目的で新市場と併設される予定だった「千客万来」…やはり白紙に戻ってしまいましたね。
その後も企画は定まらず、現在も千客万来の工事現場は土が盛ってあるだけで何ら気配がありません。まぁ~あくまでも新市場は流通の要が本来の目的ですから観光用の設備は後回しでも構いませんが、時の勢いはとても重要なので心配です…。
さて、肝心の新市場の大工事なんですが、こちらは着々と進行中で三ヶ月前と比較しても各所の骨組みが見えてきました。そこで、せっかくですから新市場日記なる完成までの写真レポートを毎月お届けしようかと。
タワー高層からの定点観測になりますが完成してしまえばただの建物ですし、最初で最後の機会ですから情報も含めて自分も楽しめたらと思ってます(笑)

2015年06月12日
斎樹真琴日記 地獄番、鬼蜘蛛日誌編

物語は地獄に堕ちてしまった女郎が鬼蜘蛛になり、閻魔から鬼の御用聞きと地獄の見回り、そして日誌を書くという仕事を命ぜられるところから始まるの。地獄に棲む恐ろしい鬼が罪人に責め苦を味あわせる、というのが通常の地獄の描き方だけど、この作品では鬼はもとから地獄に存在していたのではなく、恨みを持った人間が地獄で復讐する相手を痛めつける為に鬼と化したという設定になっており、実に新鮮。
“賽(さい)の河原"にいる鬼は生前徳の高かった僧侶で、彼らは自分たちの説法を聞かず信心しなかった人間を恨んで石を積ませ続け、"なます地獄"の鬼は生前醜かったばかりに美しい者を恨む嫉妬の塊のような人間で、地獄で彼らの皮膚を剥がし目をくりぬき己の体に縫い付けているという有り様。
この地獄は人間の自分勝手な欲深さが理由で成り立っているので、恐ろしさよりむしろ親近感が先行するの。裁く側と裁かれる側には分かれていても、罪人も鬼も救いを求めるという点は同じ。閻魔大王でさえも威厳というより彼らを監督する管理職のように思えてくる。この斬新なアイディアにはただただ驚かされると同時に、著者の宗教観が垣間見えて興味深いわ。鬼蜘蛛自身もこのどす黒い世界に人間臭さを感じると同時に、神仏に対しての疑問が湧き上がり『神仏は人間に責任を押し付けるのでなく、生きて行けると思える何かを人間が間違いを犯す前に与えたらどうなのだ』と閻魔に食ってかかるの。
神仏はその"何か"を見つけるように彼女に言い残し去るのだけど、この2人の禅問答が実にテンポが良くそして深く"生きる事の強さと儚さ"がぐっと伝わってきたわ。母に売られ女郎になった女が誰にも頼らず1人で生き、そして死に、蜘蛛となった今は地獄を駆けずり回っている・・・皮肉な事に鬼蜘蛛になった今、己が最も欲していたのは愛情だという事に気付くのだけど、彼女が感じている愛は人間に対してだけでなく宇宙に至るまでの大きなものだったのよ。
体を売り、口汚く振る舞い、感情を露わにして周囲を振り回してきた女郎・・・しかし彼女は非常に正直な人間であり、人間だろうが閻魔だろうが関係なく自分の信念を貫いている。もしかしたら彼女が地獄に於いて最も天上界に最も近い人間だったに違いない。
最後のページでは鬼蜘蛛の報告、そして彼女に対しての牛頭、閻魔大王の記述が残されているのだけど、まるで映画を見ているような構成になっているのもお見事よ。ただひとつホッとするのは、インデックスがどこかで聞いたタイトルをもじっている点かしら。この絶妙なコミカルさも著者のセンスの良さと言えるわ。
人間は生きている間は常に愚行の繰り返し・・・どこで自分の過ちに気付くかが今後の人生に影響してくるのかもしれない。この本を読んで、果たして自分がどのキャラクターに当てはまるのか客観視してみると次のステップが見えてくるかもしれないわ。解脱の道は・・・まだまだ遠そうね。
2015年06月10日
握力日記 減ったら死へ近づく・・・!?編

なんと、握力が5キロ減る毎に、癌や心臓病などすべての死因をあわせた全死亡率が17%も上昇するそうよ!そう言われてみれば、体のパーツだけでなく心臓を動かすのも筋肉・・・心不全や脳卒中といった病気も血液を送り出すための筋肉がキーになるわよね。そういう意味合いでも、日頃から筋肉を鍛えるというのは大事だったのだと気付かされたわ…反省。
因みに過去に行われた50の実験から老人の健康データの統計をとったところ、握力が強い人ほど死亡率が低く、寝たきりになる確率が低いんですって。更に認知機能が衰えにくく、病気の回復が早いという結果も。
そう言えば以前、物凄い力で手を握ってくるお爺様がいらっしゃったのだけど、いつもパワフルで病気知らずだったわ。お仕事を引退されてからも奥様と旅行に行かれたり趣味を楽しんだりと、今の20代の若者よりもよっぽど意欲的でエネルギッシュだったかも・・・。
人間誰しも老いは回避出来ないし、年々病気になる確率も高くなっているのは確か。だからといって腕相撲をしよう!ではなく、衰えゆく筋肉をまずしゃんとさせないといけないわね。
実は・・・この情報を聞いたからと言う訳ではないのだけれど、今日からトレーニングを再開…寝たきりで猫にお世話になるわけにもいかないし、来たるべき老後に向けて準備、準備!ひーふーひーふー。
で、最強の握力と言えばハルクよね!!…あ、やっぱ不死身だ(笑)
2015年06月09日
東京湾日記5 豪華客船美編

新居に越して何が面白いって、色んな船が往来してる東京湾の面白さね。特に美しいのが晴海埠頭に寄港する豪華客船よ。今まで豪華客船とかには全く興味がなかったのだけど、実際のそのスケールと優美さを直に見てしまうと一度ぐらいはこれで旅に出てみたいと感じてしまうのです。
上の写真はあの有名なクリスタル・シンフォニー…名前は聞いたことあるけど見るのは初めて・・・それにしてもでかいじゃないですか。船を立てたら軽くタワーレベルの高さ・・・驚きです。
そして、下はオランダ客船「ヴォーレンダム」…うぉ~オランダのイメージそものですね。風の強い国ならではの突き進む感全開のデザインじゃないですか。自分的にはオランダと言うとシンフォニックバンドEPICAの故郷ですから、赤毛のシモーネに敬意を表してシモーネ号と勝手にネーミングに(笑)!!
他にもリーズナブルな世界一周ができる日本の「ピースボート」や「日本丸」なども寄港していて船好きな方には申し訳ないほど楽しんでます。
何しろでかい船なので、ゆっくりと後引き的に出航する時の華麗な動きは美しいの一言…特に東京湾からレインボーブリッジをくぐり抜けるお姿は時の流れがスローに感じられ、きっとこれが船旅の良いとこなのだろうと毎回感じますね…あぁー猫と一緒に連れてって~。

2015年06月08日
谷崎潤一郎日記 痴人の愛編

何度読んでも新鮮で、常にこの特異な感覚に触れていたいとすら思ってしまうわ。言わずと知れた谷崎潤一郎の代表作であるけれど、これはもはや紙面を飛び出した”感覚的小説”と呼ぶべきかもしれないわね。
物語は皆さんよくご存じだと思うけれど、生真面目なサラリーマンの讓治がカフェの女給をしていた13歳年下の少女ナオミを自分好みに育てるというものよ。しかしこのナオミ、成長するにつれ天性の妖婦ぶりを発揮し讓治を悩ませてしまう。自分の魅力を誇示するかのように次から次へと浮気を繰り返すナオミに遂に三行半を突きつける夫・・・しかし彼の身も心も既にナオミに囚われており、逆に彼女に飼い慣らされてしまっていたわ。その後は焼けぼっくりに火、などという可愛らしい和解ではなく、ナオミ崇拝者の讓治は再び彼女に翻弄されながら元の鞘に収まるの。
客観的に見れば、事件が勃発するキッカケはすべてナオミであり悪いのは完璧に彼女の方なのよ。しかしながら讓治があまりにも彼女を愛するが故に形勢は最初から逆転しっぱなし・・・読者としてはしっかりしなさいよ、と応援する気持ちがあったはずなのに不思議とナオミ側についてしまうというのは、谷崎潤一郎の描くマゾヒズムが自分の中にある女性の本能に心地良く響いてくるからなのかも。
”生きる”という戦場において、財力も知力も持たない地味な少女はこれまで前線に出ることすらままならなかったけれど、讓治という武器庫を得たことで最前線に躍り出、更に自分の持つ武器が強靱であることに気付き自分なりの戦術を見出した、ということかもしれないわ。女性が生きて行くには今よりももっと厳しかった時代、この作品を読んだ女性陣はきっとナオミの自由奔放な生き様に憧れ、こうありたいとため息をついていたに違いない。
現代は男性の勢いが弱まりナオミのような女性が増えてきたかもしれないけれど、やはり女性はパートナーに思われてこそ幸せ・・・例え度を超しているとしてもお姫様気分を味あわせてくれる男性がいるとしたら最高よね。お気に入りのシーンは多々あれど個人的に一番好きなのは、カフェを辞めたナオミが讓治と友達のような付き合いをしながら同居する家を探したり、以前から学びたかった英語や音楽を自分の好きな服を着て習いに行く行なの。
まだ妖婦の片鱗は見えず、讓治しか頼る人がいない状況下で言葉少なげにひっそり生活するナオミがなんだか可愛くて仕方ない。やがて大輪の花が咲くように豹変するナオミに対しては20%の軽蔑、70%の憧れ、10%の愛ならぬ哀を感じるわ。この視点ってどこか親父臭い気がする・・・気のせいよね。
しかし女たるもの、自分を主張するには常日頃から武器を磨き、戦況の変化に対応すべく戦術を立てるということが重要であると読む度に痛感させられてしまう。ナオミのような戦術士官にはなれないけれど、まずは美白から始めるとしよう・・・そしていずれは・・・無理ね。
2015年06月06日
戦艦日記 平和を求めて編

戦艦は一般には映画などの世界でしか見る事ができないけど、これは本物を触るいい機会だなと感じ早速GO!!
一般公開されたのは護衛艦の「夕霧」…護衛艦ですから防衛と海上交通の保護が主任務ですが、やっぱり武器をリアルで見ると凄い。護衛艦といえども、速射砲やミサイルランチャーに魚雷…その内部の精密さに独特の美的な何かを感じたわ。
そして、お越しのお客さまがユニークでこれも楽しかった…旧日本軍の軍服に身を包み丁寧に乗員に挨拶をしてる方もいれば、あきらかに武器マニアっぽい人が船員に専門的な質問をしているし、歴女っぽい女性も結構確認…勿論ファミリー層も多いのだけど、独自の空気感が漂っていたのでした。
実戦ならではの注意プレートの内容が凄くて、【総員離艦安全守則】なるものを発見!!…7つの注意事項があって「あわてるな」「衣服を着用せよ」「救命胴衣を装着せよ」「早く艦から遠ざかれ」「集団を作れ」「無理な泳ぎはするな」そして、最後が強烈…「水中爆発及びサメに注意せよ」
以前ピックアップした名作戦争映画「眼下の敵」が頭をよぎったわ…戦艦ですから離艦はすなわち敵襲想定でしょうからこのプレートにとてつもなく重みを感じたのよ。今日本は平和だからこうやって一般公開を楽しむレジャーの一環だけど、いつまでもこの状況が続いてくれるよう願うばかりです。
2015年06月05日
nemo日記 ムサコのパン魂編

以前はこの近辺に住んでいたことがあるのだけど、最近は急激に開発が進みタワーの建設予定もあるということでお散歩がてら覗いてみたわ。
武蔵小山は美味しくて手頃なお店が多く、商店街を廻りきるには時間がかかってしまうの。ここ数年はお洒落なパン屋さんやケーキ屋さんも数が増え、大分雰囲気も変わったわ。
中でも商店街を外れたところにひっそりと佇むベーカリー「nemo」は人気店のひとつ…外観はパリの小さなカフェという可愛らしい風情で、平日にも関わらずレジに並ぶ人、奥のカフェでお茶と料理を楽しむ人達でごった返していたわ。
こちらのお店は数々の名店でベーカリーシェフを務め上げたパン職人、根本孝幸氏が商品毎に十種類の粉を使い分け、独自のブレンドにこだわったパン達が勢揃い。厳選された素材に季節ごとのアイディアを盛り込んだ芸術品の数々がトレイに並ぶ。
この日は黒と萌葱色藻鮮やかなオリーブのフォカッチャ、海藻を盛り込んだブール、生ハムとチーズのフォカッチャをチョイス。どれも生地がモチモチで、素材の味わいがほどよく主張していて上品なの。見た目通り、の美味しさと言うべきかしら・・・食べても胃が重くならないので、幾らでも食べてしまいそうなのが怖い。更に新商品の抹茶を織り込んだ食パンを頂いたのだけど、これまた焼くと程よく抹茶の風味がじわっと出てそのままでも十分美味しいのよ。
シンプルにバターを少し乗せてみたけれど、和とも洋とも言えない不思議な味わいが楽しめたわ。こちらではオリーブオイルも量り売りしているので、次回はパンにつける分だけ頂こうかしら、と考えながらレジ横のフィナンシェに目移りしてしまったりして・・・
奥のカフェではシンプルなトーストからサンドイッチ、クロックムッシュと多岐に渡るメニューが満載よ。この日は残念ながら満席だったので、次回スモークサーモンのサンドをスパークリングワインと一緒に頂こうと誓い帰途へ。昼だけでなく夜もお酒と一緒にパンを楽しめるので、仕事帰りお気に入りの本をお供に立ち寄るのも楽しそう。
しかしながら、有無を言わさずパンを楽しむ事に集中することになるのは間違いないけれど・・・パンと真剣に向かい合いお店は多々あれど、ふんわりとした優しい雰囲気の中に燃え上がるパン魂を見た気がするわ。皆さんも是非お試しあれ!
【nemo web】
http://www.nemo-bakery.jp
2015年06月03日
おかしな2人日記 小粋なサイモンをどうぞ・・・編

NYを舞台に料理に掃除にと主婦を超えた主夫で妻から離婚された潔癖&完璧主義のフィリックスと、不潔感満載のスポーツ記者でこれまた妻から縁を切られたオスカー(「頑張れベアーズ」で有名なウォルター・マッソー)との共同生活の中で、人間関係を詳細に掘り下げて行くサイモンお得意の世界よ。
もう約50年前に発表されたという事が信じられない程、小粋でエッセンスの利いた作品なのよ…センスがあるというのはこういう事ね…どこかのドラマのように状況説明をセリフに織り交ぜたり、無意味なシーンがとってつけられたりなんて事は全くなく、音楽のように心地よいテンポで進んでいくの。
シェイクスピアも対極的な人物設定で物語を単純化して主人公の背景を深く洞察するけど、サイモンも同じ。ただ違うのはシェイクスピアの対極は善と悪、戦争と平和、権力と民衆など歴史的二面性、サイモンは個人の人間的二面性かしら。どちらも突き詰めると同じかもしれないけど、そこに愛が絡まって永遠のテーマになるのかしらね。
サイモンの面白さは主役以外の人物設定がやたらと可笑しいのよ。他人の悩みは何でも解決できるけど自分の事は何もできない精神科医や他人に厳しく自分に優しい警官など、仕事とプライベートの対比も巧みに折込んでるから凄いわ。
「おかしな二人」は70年代に「おかしなカップル」と題しTVシリーズ化されこれも大ヒット…ここを制作したゲーリー・マーシャルは後に「プリティ・ウーマン」等で映画監督として一世風靡し、当時女優としてサブレギュラーで登場していたペニー・マーシャルは米映画界で影響力のある女性に選ばれプロデューサー業を本業に今でも現役。このTV版はまたあらためてピックアップしたしましょうね…フフ。
いずれにしても、最近は過激なコメディが多いから、ほのぼのとリラックスできる暖炉のような優しく心地良い温もり感のある作品はとても好き…でも、今だったらフィリックスの役は必ずゲイと間違いされてしまうでしょうね・・・
2015年06月01日
アパートの鍵貸します日記 恋のメビウスの行く先は・・・編

物語はご存じの方も多いかと思うけれど、NYの保険会社に勤める平社員のバクスターは、自分の部屋を4人の上司と愛人との密会場所として貸していたの…彼はその見返りといて勤務評価を上げてもらい遂に出世することに。
自信をつけたバクスターは前から気になっていたエレベーターガールのフランをデートに誘うけれど、すっぽかされてしまう。実は彼女は、バクスターが自分のアパートを使っていた部長のお相手だったのよ。フランは部長との関係に悩み、真実を知ったバクスターは傷心、部長は家庭を守りながらもフランを手放そうとしない・・・そんな中、部長との関係に疲れたフランはアパートで自殺を図り、そこから彼らの運命が大きく変わり始めたわ。
一歩間違えばそれこそソープディッシュのような展開であるにも関わらず、ジャック・レモン演じる主役のバクスターのリズミカルな動きを基軸に物語全体のテンポが構成され、実に小粋でコミカル且つハートフルに仕上げがっているのが素晴らしい。
冒頭、社内の遠近的な天井と机が並ぶという構図の中で、バクスターが上司にアパートの時間予約の確認をする場面では、彼が会社の中の歯車の一部でありいかに無能であるかということが完璧に表現されているわ。この手法は「アメリカン・ビューティ」でもオマージュされており、主役の夫、レスターのうだつのあがらなさがよく表現されていたのが強く記憶に残っているのよね。
フランを演じるのは、今や精神世界の著作でも有名な女優シャーリー・マクレーン…彼女の演技力は、当時女優はビジュアルのみの添え物であるという役割を覆したと言えるかも。可憐で明るいマスコット的存在でいながらその心の奥で道行きならぬ恋に苦しむという、女性誰もがかかってしまう恋愛病を演じきり、非常にシンクロ率は高かったわ。そして驚くべき事に、若き日の彼女はビョークに似ている!!!
その他にも以前部長と関係のあった秘書が一波乱起こしたりと、どことなく少女漫画的展開であればあるほど全体のテンポが上がり、バクスターとフランの純粋さが強調されているのも素晴らしい。他にも女性達のファッションやヘッドドレス、アパートの内装なども見所はたくさんよ。
お洒落をして映画を見に行くというのが最大の娯楽だった時代・・・そんな良き時代に思いを馳せながらモノクロームの世界から語りかけてくる彼らにシンクロしてみては?これぞまさに「映画」よ。