2013年11月
2013年11月30日
変わり者日記 振り返ればヤツがいる・・編

「IT業界の人間は殆どが変わり者で、性格にも仕事への取組にも奇癖がある・・」と。
彼曰く、IT系の人のDNAがこの世界に魅せられる特定の性格を形成しているか、暗い職場環境とコンピューターの画面からの放射物によって徐々に異変しているのが原因ではないかと考えているそうよ。
彼の職場では、ずば抜けて優秀だけどずっと話しっぱなしのエンジニアや歌詞調のコメントを送りつける開発者など、仕事は出来てももの凄い奇癖の持ち主が多かったんですって…そのうち奇癖が作業の進行の障害に発展していったそう。
管理者の立場からすると奇癖の問題にはなるべく関与したくないと思うのが常。結局問題が大きくなり問題児を解雇という結果になってしまったらしいわ。確かにIT業界は変わり者が多いという事実には納得・・。
常識は人それぞれだけど、普通の社会生活を送り、人と関わり合って生きていく以上最低限のラインというのはある。しかしそのラインを飛び越え、予想も付かない行動や言動をやってのけてしまう妖怪的な人が・・!
でもそれって非ITの会社にも存在するわよね。
音楽業界も殆どが変わり者と言って良い!ポジションにもよるけど、よほど自分のビジネスに対しての確固たる信念や行動力が無ければ、駄々っ子軍団と言って良いかもね・・ふふ。
PIPOKOも昔から変わり者と言われるけど、最近はその事実を少しずつ受け入れることにしたわ。ただし、"物づくりの立場"においては変わり者でないと意味がないけどね!さ、今日も猫の後ろ足の匂いを嗅いでからお仕事!
2013年11月29日
キックスターター日記1 GO or Canceled編

昨年の暮れにBlogでピックアップしたビョークのiPad用アプリ「Biophila」…リリース後はAppleの強力なバックアップもあって大ヒットしたのですが、もちろんこの時点でアンドロイド版リリースの予定は全くなかったのですね。
ところが、ビョークファンから教育的見地から是非アンドロイドとWindows8版も!という要望で彼女が選んだ戦略はKickstarter…でも残念ながら公募期間中に目標額に達せずファンドはキャンセルに…ビョークの知名度を持ってしてもダメだったわね…でもキックスタートではダメだったけど、この教育的価値を認めたスポンサーが後に現れて無事アンドロイド版は完成したから一概に失敗とも言えないわ…メッセージを伝える手段としてのキックスターターも存在価値があるのね。
逆にエンタメ系で成功した例では、米で人気だった海外ドラマ「ヴェロニカ・マーズ」の制作陣が映画化しようとスタジオ側にプレゼンしたのだけど「大手配給会社が製作する作品としてふさわしくない」と難色を示しNG…そこで2億円を30日間で集められたら制作するとの条件を取り付けキックスターターしたのよね。
ファンの方々に支援してもらうためにTVシリーズに出演した懐かしのキャストたちが詰めかけるという“ファン大興奮”の動画を作ったりと、ファン視点のプロモーションを短期間で展開…結果たった1日で2億円を集めるのに成功…KickStarter上史上最速の100万$を集めたプロジェクトになったわ…映画は2014年公開予定で大成功した一例と言えそうね。
ちなみに100万円以上出資したファンにはウェイター役での映画に出演することができる権利!セリフまでついてくるから嬉しい限りよね。あと、50万円以上では出資者の住む街で50名を招待して試写会開催とか色々な企画盛り沢山。PIPOKO的にウケタのは4万円以上だと、主役と原作者が1年間Twitterでフォローしてくれるとか!
日本でも似たようなクラウドファンディングサービスが始まったけど、基本的に出資法だったりとか色々規制があって、なかなか北米のようなビッグスケールにはできないわ…先の「ヴェロニカ・マーズ」も米とカナダからしか受付はできませんしね…この辺のファイナンスの仕組みはうちの専門スタッフ聞いてネタにしてみようかしら…フフ。
2013年11月27日
Dolby ATMOS日記1 驚愕の音響システム上陸編

それはDolby ATMOS(ドルビーアトモス)なる名称の最先端音響システム…既に北米では導入が進んでいてアジアでは中国が先だったのね。
一般の人にはDolbyと言ってもあまり馴染みがないかもですが、音楽関係者には昔からなくてはならない機材だったのよ。まだレコーディングがTapeだった時代にノイズを抑える画期的なシステム…時代はアナログからデジタルに進化しDolby社自体も新たな音のサポーターとして進化してるのね。
難しい事はさておき、スタッフのウケウリを交えて解説よ…今回のATMOSは何が凄いかと言いますと、家庭でもDVDやBRで5.1chや7.1ch等のサラウンドがあるけど、それは既にレンダリングされた音が個々のスピーカーに割り当てられ音が出る仕組み…このATMOSは写真の様にスクリーン裏スピーカーを含め、天井・背面・両サイドと映画館内をスピーカー群(今回は49台)が包み込むように設置(数は限定されない)され、スクリーンチャンネルにその場でサラウンド音(オブジェクト)をデータからリアルタイムでレンダリングするのよ。

活字にしてるPIPOKOも分かってるようで分からないのだけど、音をキッチリとポジショニングできるのよね…それも劇場にあわせて自動的に最適化してくる優れもの…ボワ~と音が聞こえるのじゃなくて、そこに在るって感じかしら。その位置を自由に変えられるからビックリね…つまり出来上がった音じゃなくて、その場でMIXしてる感覚に近いわ。
ちなみに、ハード的にはレコーディング世界ではお馴染みのProToolsにATMOSのプラグインで視覚的に音場を調整するのだけど…今後はスクリーンチャンネルもATMOS前提に完全なリアルタイムMIX作品もどんどん出てくるでしょうね。

実はATMOSだけでなくて、新しくTCXなるTOHOシネマズの独自スクリーンで壁いっぱいにやや湾曲してデジタルIMAXとはちょっと違った臨場感も素晴らしいわ!
で、一本目は「パシフィック・リム」…既に2D、3D、吹替版、IMAX版と全てのフォーマットで鑑賞済みなのでこのTCX+ATMOSでどうなるか・・いやぁ〜驚きの一言よ。
この作品は実は巨大なマシンの重量感を出すために重低音の再現がとても大事なのだけど、地響きのような重低音がATMOSのナチュラルなダイナミックレンジで凄い奥行きが出て、通常ならやや耳に付く高域もうるさくないのよ…細々としたオブジェクト音もちゃんと立体で定位してるし、その移動もリアル。音だけで無く俳優の衣装の生地の毛玉まで良く分かるスクリーンの上質さはデジタルIMAX以上だったわ。
二本目はこれも試写レベルから何回も鑑賞済みの「STAR TREK:イントゥ・ダークネス」…今度は座席をやや前方のセンターに移動して音のスイートスポットに変化があるか確認よ。この作品のサウンドはゴージャスなオーケストラ的な部分が多いのでそれとオブジェクトの馴染みをチェックね。
一般的に今までの劇場では音のスイートスポットはセンターからやや後方にベストチューニングされてるのだけど、ATMOSのそれは広いはず…劇場前方で見る利点はスクリーンから視界がはみ出ないのでその世界にどっぷりつかれる事、でも音はNG的な感じだったのだけど…う〜むこれも素晴らしい音場…恐るべしATMOS。天井のスピーカーもあって前方でも立体感は損なわれず、SF的な作品は今後はこのポジションが良いかもしれないと思ったわ。
何だかATMOSはおどかし的な音響と勘違いされるかもしれないけど、それこそ勘違い。リアルタイムレンダリングによるレンジ感の広さはとても自然な音響になるって事なのです…このようなシステムは映画だけで無く音楽LIVE映像にも最適ね。絶対に自宅では体感できない劇場だったら人は集まるし、逆にゴミのような作品だったら宝の持ち腐れになる…当面、このATMOSが活きる作品は海外作品だけでしょうけど、国内でもこのような最新技術を前提にした作品作りを関係者に期待したいわね。
さて、その上映場所はTOHOシネマズららぽーと船橋…モニタリング的な設置で、今後都内で初になるのは日本橋に来年3月にできるTOHOシネマズ日本橋との事。船橋での「パシフィック・リム」と「STAR TREK:イントゥ・ダークネス」上映は好評につき12/6ま延長らしいから絶対にご覧になったほうが良いわ。これは色んな意味で歴史的な上映会だから!!
2013年11月26日
コラテラル日記 フィルム・ノワールの闇と夜明け編

「ヒート」や「インサイダー」などの作品で有名ね。 舞台はロス、日没から翌朝までの出来事を、殺し屋(トム)とタクシー運転手(ジェイミー・フォックス)の関係を心理描写を巧みに絡めながら物語は進んでいくの。
「ゴッドファーザー」のように男系映画は先入観があってあまり見る機会がなかったけど、最近面白さが分かってきたのかもしれないわ。この作品も、仕事として淡々と殺しをしていくクルーズが時に寂しく、むなしく、空虚にも思えるけど、背景的に知的な世界観や哲学を持ってるから、どこか悟り的な部分を多く感じたのよね。
相反する小さな夢を追いかけていたら、殺し屋ツアーに捲き込まれてしまったフォックス演じる運転手…自分の人物像を淡々と分析されキレてしまうも、結局逃れようとせずに従属的に(コラテラル)流されてしまう自分の弱さ。この二人の対照的でありながらどこか同穴的な共通点の描き方はお見事。それを見事に演じきるクルーズとフォックスは素晴らしすぎるわ。
映画はフィルム・ノワール的な行き場のない閉塞感を、色味やBGM、台詞にちりばめ、マイケル・マンが得意とするロスの風景を背景に世間では何事もなかったように時間だけが過ぎ、それを夜明けとラッピングさせながらシミが消されていくかのように人の虚無感を表現しているの。
悪役のトムもかっこいい拳銃使いではなく実践的な銃さばきで、この作品のためにトレーニングしているのだなと感心していまったわ。そして何と言ってもジェイミー・フォックス!
フォックスは同年のアカデミー賞で「レイ」の主演男優賞を受賞して、この「コラテラル」でも助演男優賞にノミネートされてたのね。それにしても、彼は出る作品の選出感覚が素晴らしい!「ドリームガールズ」「路上のソリスト」他、秀作ばかりなのね。これも彼の強みかもしれないわ。
2013年11月25日
恋するリベラーチェ日記2 トリビュート公演編

先日ご紹介した素晴らしい映画で現在公開中の「恋するリベラーチェ」…その楽しそうな情報が届いたのでお伝えするわ。
それはリベラーチェ財団公認のピアニスト・マーティン・プレストン氏によるトリビュート公演…場所はブルーノート東京で「マーティン・プレストン as リベラーチェ/ア・トリビュート・トゥ・ザ・レジェンダリー・ショウマン・アンド・ヒズ・ミュージック」が決定との事。
このようなリアルタイムなイベントは日本では珍しいので、既に映画を見られた方は是非リベラーチェの世界を堪能してみてね!
日時は以下の通りよ!
■日時:2014年1月15日(水)
[1st ] open 17:30 start 19:00
[2nd] open 20:45 start 21:30
■会場:ブルーノート東京
(107-0062 東京都港区南青山6-3-16 ライカビル)
http://www.bluenote.co.jp/jp/artists/liberace/
■Music Charge:¥6,300
2013年11月23日
アメリカン・ヒーローズ・カフェ日記 実況見分編

場所は再開発真っ只中の東京駅丸の内口方面で、丸の内ビル1Fにある「カフェease」の内装を変更して12/1までオープンしてるのよね。
元々、「Happiness Town Project」に同期するイベントで今年で90周年を迎えるディズニー祭りの一環としてマーベル関連もイベント化されてるといった感じ…何しろ今はマーベルもディズニーの傘下ですから当たり前と言えば当たり前かしら・・。
実 は結構期待して行ってみたのだけど、過度期待で「え、これだけ・・」と思ってしまったのは仕方ないかも。
まぁ〜期間限定でcafeなので、これが限界か な…cafeの外には「ザ・ダークワールド」のポスターを大きく壁に転写、店に入るとレジ横にHot Toys社製アヴェンジャーズの各ヒーローのフィギュアが勢揃い。
店中にはソーとキャプテンアメリカに1/1スケールの人形が・・これだけかよと思ったら 階段の上った奥にパネル展示とTVモニターなんだけど、実は奥のスペースが喫煙席で、禁煙席の人はじっくり見る事ができなかったのね。
お客さんの中には禁煙席で入って、喫煙席にチェンジする人もチラホラ…これ明らかに座席の区域設定ミスよね。
テーブルには「あなたの彼氏としてふさわしいヒーローは誰?」みたいたYes/Noチャートがあるのだけど、ちょっと客層をディズニー色レベルで勘違いしてるわ。
特別メニューにもひねりは無く、ディズニーランドのカフェ的な子供向けって感じ…これはディズニー傘下であることの悪影響かもと・・ただ並べるだけじゃダメなのよね。
場所が丸の内なんだからもう少し大人の演出ができれば筋の良い企画だけに残念ね。でもお近くの方はお暇だったら是非どうぞ…通常のカフェご飯はとても美味しいですから!
【アメリカン・ヒーローズ・カフェ】
<開催日時> 11/8(金)~12/1(日) ※カフェease営業時間に準ずる
<開催場所> 丸の内カフェ ease
【カフェease web】
http://cafeease.jp
2013年11月22日
レトロ&オルタナティブポスター日記1 抽出されるイメージ編

プロのアーティストからファンの作品までそれは色々あって見てて楽しいのよね。
これをオルタナティブと呼ぶのかレトロと表現するかはこの際置いといて、先ずはこんな感じ!
何点かピックアップしたけど、そのどれもが作品のエッセンスを上手く抜き出して見事なのよね。
これらの作品の特徴は映画の抽象化なんだけど、よくよく考えると名作になればなるほど簡素な表現ができるのよ…つまり駄作は抽象化できないって事なのよね。
それを一番表現してるのは4枚目のスタンリー・キューブリック作品「博士の異常な愛情」…ホットラインの電話が原爆になって落っこちてくる…見事な感性のスライスですこと!!
1枚目の「STRA WARS/A New Hope」も迫り来る暗黒面と生まれ落ち救世主の構図が完璧だわ。
2枚目の「パシフィックリム」はテーマと言うよりキャラクターの存在感を表現し、3枚目の「ブレードランナー」は混沌とした近未来に生きようとする緊張感が漂ってる。
因みにこの様な場合の権利関係はパブリック的な扱いで、スタジオ側も宣伝の一環として活用してるわ。
このような事ができるのも今はディズニー傘下になったルーカス・フィルムが最初かもしれない…権利でしばるのではなく、その活用を認めて更にはファンに協力して質を高めていく…コミュニティーがエコシステム的に形成され一つの文化に育つのよね。
今後も上質な作品を定期的にピックアップしていきますね。
2013年11月21日
キールズ日記 やっと出会えた最強コスメ・・・!編

そんな中もう一度スキンケアを見直そうと思い悩んでいると、新装開店した品川駅アトレ内に「Kiehl's (キールズ)」というドクターズコスメの直営店がオープンしていたので覗いてみたの。
白で統一された店内はシンプルな内装で清潔感があり、店頭にMr.ボーンズなる骸骨人形が・・・これは期待できそうな雰囲気!早速、スタッフの女性に肌の状態を見てもらうことにしたの。聞けば、「キールズ」は1851年にNYで調剤薬局として誕生したのが始まりなんだそう。創業当時、世界中から集めた天然由来成分を基に医療強壮剤や薬用軟膏を処方していたの。
1930年に起きた恐慌ではNY市民を救うべくハーブ治療や薬を提供し続け、地域に根付いた薬局として活動。その後は薬学、科学、ハーブの知識を基に皮膚科医などの協力を得て皮膚科学スキンケアラインを確立し、2008年に日本上陸・・・しかしながら160年もの長い歴史があったとはビックリよ。スタッフの女性は私の肌を見るなり、素早く基本ラインをチョイスしてくれたわ。
大抵化粧品メーカーの人は他メーカーの併用は苦い顔をするものだけど、こちらのスタッフは併用を肯定した上、足りない物だけを補ってくれたの。それは自分の商品に絶対の自信があるという表れなのよね・・・やはり期待大。肌荒れの最大の原因は乾燥なので、「ハーバルトナー」というマリーゴールドの花びらが入った化粧水と「コンセントレート」というピュアビタミンの入った美容液と使ってみることにしたわ。
少し浸しただけで、肌の奥まで潤いを浸透し維持させることが出来るの。更に肌の不要な角質を取り除く「エクスフォリエーター」というスクラブ洗顔料のサンプルを頂いたわ。通常は吹き出物がある場合スクラブは御法度だけど、この洗顔料はメラニン迄取り除く上、弱った肌のターンオーバーを促すという優れものなのよ。これで役者は揃ったわ。
更に「ミッドナイトボタニカル」という夜用の美容オイルのサンプルを使ってみると、暖房の強い中で眠ってしまっても乾燥どころか朝までふっくらとした肌をキープ!以前、数万円する美容液を使ってもこれほど短期間で効果が出ることは皆無だったわ。
キールズは「まず試す」という事を提唱しているので、サンプルもかなりたっぷりとしたサイズなの。これも自信の表れであると同時に、お客さんが余裕を持ってじっくり試せるようにという気遣いを感じるわね。使い始めてまだ1週間だというのに肌の状況は徐々に改善され、この冬は乾燥知らずで越せそう・・・こんな事初めてよ!
その他にもベビー専用、ワンちゃん専用の製品もあり、全てが植物から抽出されたエキスで作られているの。もっと早く「キールズ」に出会っていたら肌荒れに悩まされることも無かったかも。でも肌がボロボロになったお陰で出会えたのだからついていたと思うべきね。
乾燥やトラブル肌で悩んでいる方、騙されたと思って是非使ってみて。これまでのコスメの常識を覆す最強のラインナップだと確信できるはずよ!これからはキール一筋でいきます!!
2013年11月20日
ルパン・ザ・サード日記 大人のエスプリ編

でも、原作に最も忠実でサイケな旧作品をきちんと見たくて・・鑑賞!
チャーリー・コウセイ氏のあの独特な粘りある歌声を懐かしみながら、青ジャケット、黒シャツ、黄タイのスタイリッシュなルパンに再会よ。いや~これでしょう!!
ストーリーの展開の早さに違和感を感じさせる間もなく、見ている側を納得させてしまう凄さ…それはきっとキャラクターの背景がきちんと出来上がっていること、声優陣の素晴らしさ、そして独特な演出にあるんでしょうね。
効果音が突然切れたりあからさまに無音で「おや?」と思う部分が多々あったり、原画の荒々しい線がそのままトレースされていても、とにかく良い味を出しているし、萌えポイントは満載よ。
今から40年前に制作された大人向けのこの秀作、すぐには受け入れられなかったらしいけど、ファンとしてはこの路線をずっと貫いて欲しかったなあ。でも、赤ジャケットで親しみやすくなったから今の位置があるのか・・複雑。ルパン自身、女性好きではあるけど、どこか"緩い"のも魅力のひとつね。
PIPOKOが見ていた新シリーズは子供向けでもあるから"勧善懲悪"が色濃く出過ぎて、ちょっと肩が凝る部分もあったもの。そしてミューズ・不二子ちゃんもセクシーというよりは小悪魔の可愛らしさが充分出ていて旧作の方が断然良いわ。
二階堂有希子さんの声もピッタリ合ってるし・・でもやはり増山江威子さんのセクシーボイスは捨てがたいけどね。サブタイトルも遊び心満載、大人のエスプリを忘れない"小憎たらしさ"が作品全面に溢れてるの!制作陣も今日本のアニメ界を支える重鎮ばかりよ。
「ノーラ」で監督等を努められた御厨さと美氏が、アシスタントとしてエンドロールに載っていたのも感動的だったわ。作画的に「カリオストロの城」でルパンは終わった・・とがっかり。ルパン3世シリーズのベストはこの最初のTVシリーズしかない!これからの日本、大人が増殖を続ける一方なのだら、子供向けのアニメだけでなく「元祖ルパン」の様に"粋な作品"に人気をかっさらって頂きたいものですな。ルパン~ルパン~♪
2013年11月19日
ノア日記1 ノアの方舟は無事出航できるか編

内容的にはダーレン・アロノフスキー監督解釈による『ノアの箱舟』って事になるのかしらね…その予告編が公開されたのでお届けよ
主演は「Man of Steel」でスーパーマンのパパを演じたラッセル・クロウ…何分どのように展開するのかの情報がまだなのだけど、この映像を見る限り神話ベースの人間臭いディザスターなお話であることは間違いなさそうね。
そうそう、臭いと言えば、聞いたところによると、このノアを演じるラッセル・クロウはリアルな描写にこだわり、撮影中は殆ど体を洗うこと無く、共演者から臭くて大変だったとの余談が・・これは確かに人間臭いお話だわね。
そんな事はさておき、人間の内なる本能を徹底的に描く彼だけに今から楽しみですが、噂では旧約聖書の題材ですから、完成前試写の段階でその筋の方からは結構批判的な意見が多く、もしかしたら大幅な修正も加えられて公開延期の可能性も・・。
でもそんな事に負けないでダーレン・アロノフスキー監督作品に徹して欲しいわね。え、「ブラック・スワン」や「レクイエム・フォー・ドリーム」もピックアップしろって・・フフ、わかってますって。
そう言えば監督は数年前に「子連れ狼」の映画化を進めていたのだけど権利関係で頓挫したのよね…彼の「子連れ狼」が見たかったわ(余談)。
2013年11月18日
ダーレン・アロノフスキー日記1 π…挑発的モノクロ編

PIPOKOも「π」が物凄くお気に入りの1本なのよ…モノクロ映画で殺気にも近い気合い…単色で表現するって本当に難しい…だからこそ物語の本質がしっかりしていないと飽きられてしまうわ。
「π」を見た時、白黒でありながらその襲いかかるくらい勢いのある映像にやられっぱなし…高度な鉛筆デッサンを見せつけられた気分ね。制作費は数百万円程度で友人から1口数万を募って完成させたとの事・・。
物語は自宅のスーパーコンピューターを使って株式市場予想の研究をしていた天才数学者が、突然暴走したコンピューターが吐き出した数字の塊を発見。それは世界を解明する万能の数式で、その数字をめぐってマフィアとユダヤの秘密結社から狙われる事になったわ。数式への誘惑とどこまでも続く鬼ごっこ・・疲労困憊した彼の選んだ道は!?
とにかくどんどん主人公にシンクロして辛くなってくるの。一番素晴らしいと思ったのは数学者が頭痛に悩むシーンよ!いまだかつて頭痛というものをこんなにうまく"音"で表現した人はいるかしら?
鋭利な金属音というかノイズ系というか言葉では言い表せないけど感覚にズン!と来たわ!!自分もひどい頭痛持ちなので納得させられちゃいましたね…ダーレンも相当な頭痛持ちとみた。
一番感動したのは、映像をモノクロにした事で余計なものが削ぎ取られ、画面には必要な部分がより強調されて浮き出てきたという点よ。そのひとつは血の色!本来の赤よりもどろっとした質感が出ていて不気味なの。そして街中の解放感、部屋の中の圧迫感もさながらその場にいるかのような臨場感があるし、人物の表情が細かく出るわ!実力のない役者だったら一発でアウトかもしれない・・。
実はこの作品の買いつけ・配給にうちのスタッフが当時関わっていて、ダーレンによれば、この映像処理に関して低予算に色々知恵を絞った結果だったと・・バストアップの画が多いのも、画像がザラザラしてるのも、効果音も…限られた時間と予算の中でどうするかだったそうよ。それが後の彼のスタイルに結びついてくるのね。
友人や家族から制作資金を借りるのもペーパーナプキンを借用書代わりにしてたとか…正に彼のやる気が周囲を巻き込んだのね…そして今ではメジャー監督の仲間入り…たいしたものね!
何でもそうだけどお金をかければ良いものが出来る訳じゃないのね。作品自体がしっかり出来ていれば、素描だろうがアカペラだろうが十分に表現できるもの。またもやこの映画によって教えられてしまった・・はぁぁ。
そして、明日はその彼の最新作「ノア」をご紹介するわね。
2013年11月16日
ビッグバン★セオリー日記1 キング・オブ・シットコム編

でも今や視聴者側が自分の見たい作品をチョイスし、簡単に見れる時代…最近では、周囲で海外ドラマを楽しんでいる人が殆どと言っていいかも。勿論自分もその一人よ。素晴らしい作品は数あれど、特にお薦めしたいのは「ビックバン★セオリー」!!!
その人気は桁違いで、全米視聴者数第1位という怪物番組なの。既に6シーズン目を突入しており、主役のジム・パーソンズ氏はエミー賞で2年連続主演男優賞を受賞、更に作品賞など計5部門ノミネート獲得という快挙を遂げたわ。さて、この作品の驚異的な魅力は一体何なのか…有名な俳優が出演している訳でも(ゲストは別ね)、ストーリーが壮大という訳でもないの。
ストーリーは…冴えない、いわゆるオタクの物理学者の男性シェルドンとレナードが同居するアパートの向かいの部屋に、セクシーな美女ペニーが越してくるところから始まるのよ。それまで科学と「STAR TREK」やアメコミ等にしか興味を持たなかった彼らは、無縁とも言える女性や恋などのセオリーに向かい合うことに。これぞまさに人生のビックバン勃発!といったコメディドラマなのよ。
この奇妙な男女3人を取り巻く仲間たちも個性派揃いで、そのアクの強さが作品の核の部分になっているのが素晴らしい。頭脳明晰でも世間一般からはるかにかけ離れるシェルドンとレナード、物理どころか教養はあまり無く、でも恋愛に自由奔放な美女ペニーの異文化交流が面白可笑しく描かれているのが見所ね。
かつて日本でもオタクを描いた作品はあったけれど、上辺の表現だけでリアリティが全く無かった気がする。しかしながら今作に登場する主人公のオタクと彼らのマニアックな友人達は、それぞれの部屋に置かれているフィギアや服装、生活スタイルや行動が細部に渡り描かれ、オタクならではのセリフも「本当にこの人達オタクなんじゃなかろうか・・・」と思わせるほどのリアリティで溢れかえっている。
これは個々についたアドバイザーの手腕によるもので、そういう意味でも真剣に作品に取り組んでいる事が理解出来るわね。もうひとつの特徴として、本作は俳優達が観客の前で演じ、そこで起こるどよめきや笑い声を活かしたシットコム方式を取り入れているのだけれど、これがまた作品の味わいを深くし視聴者側に更なるリアリティを与えているの。
そしてテンポある構成、脚本、強力な俳優陣・・・どれをとっても研ぎ澄まされ、全くの無駄がひとつもない。見終わった時には、まるでジェットコースターから降りた後のような爽快感が残るのよ。とにかく驚異的な作品である事は確かだわ!さて、次回は愛するべき登場人物について紹介させて頂くわね。
【SuperドラマTV web】
http://www.superdramatv.com/line/bigbang/
2013年11月15日
恋愛小説家日記 おひとりさまの美学編

マンハッタンのアパートに暮らすひとり者の売れっ子恋愛小説家メルビン。彼の恋愛小説は甘く優しい愛の言葉に満ちていたけど、実生活は人間嫌いで潔癖症の嫌われ者なの。他人に気づかうことなどまったく意に返さない毒舌は行く先々で被害者を生み出す始末。
彼の隣に住むゲイの画家サイモンも愛犬バーデルをダストシュートに投げ込まれた被害者よ。そして唯一彼をあしらうことのできるシングルマザーでウエイトレスのキャロルは、再婚を考えてはいるが息子の病気が気がかりで、いつもチャンスを逃してしまう。しかしそんな彼にもやがて恋心が・・という物語よ。
映画でありながらまるで舞台を見ているようなシチュエーション、画面に映るだけで妙な重量感を漂わしてきたニコルソンのある意味新鮮な不気味さ。"シャイニング”顔が物語が進行するにつれて何ともキュートに見えてくるのが良いわ。そして、何気ない動きがとてもナチュラルが見事なヘレン・ハント…母であるけど女でもありたい、その心情が要所要所に見え隠れする見事さ…これじゃあ、アカデミー受賞というのも当然じゃないかしら。
最近"おひとりさま"という言葉をよく耳にするけど、メルビンもこのパターン。
自立が出来ている、自分のペースで生活している事に満足しているから異性などにかき乱されたくない・・でも本当は誰かと暖かな関係を築きたいと思ってるのよ。ダスターシュートに投げ込んだ犬のバーデルを一時預かることになった時、初めて自分以外の存在を身近に感じて愛情を注いでいく姿は感動的。
不器用ながら、人を愛そうと努力する様は母性本能をくすぐられてしまったわ。だからこそ母さんモード全開のキャロルはその"変わり者"に惹かれていったのかも・・。女性の大半は男性に頼りたいしリードしてもらいと思うもの。でもその反面こういう不器用さが垣間見えると"萌え"るのかもね。
明け方二人が散歩をするシーンがあるのだけど、ここが一番素敵だなと思ったの。ただ話をしながら誰もいない早朝の町を歩く・・でもこれだと何だか変だから理由をつけよう。「じゃ~、パン屋が開くからパンを買いに行くという理由はどうか?」どんな時間であっても会って話をしたいと思うのは恋愛が始まる時のSweetな衝動…でもそんな事を照れくさく感じるから理由をつけようなんてなんとBitterな台詞…これほど純粋で小粋な演出がかつてあっただろうか・・いやあ、ノックアウトです。
惚れたはれたが苦手な人、おひとりさまを楽しんでいる人、どうして相方が見つからないのかと悩んでる人、是非この作品で"自分カウンセリング"してみて下さい。何かが見えてくると思うわよ!
2013年11月14日
ザ・ダークワールド日記5 見事な野外広告編

その中でも素晴らしかったのがコレ!
野外交通広告の一環でしょうが、待合所にソーのハンマーが3Dのような立体感で突き刺さってるのよね。それも最初のガラスを突き破ってる発想が凄すぎるわ。
もしコレが日本ならガラスが割れてるように見えるから絶対にNGだし、公共機関に何かダメージを与えてるようなラッピングは問答無用でダメって言われるのよね。
数年前にも米でゾンビを運んでるリアルなトラックが街中を走ってて騒然とした事があったけど、これも日本だとコミカルにする事でしか難しいのよ…貞子3D広告みたいな感じ。
日本は、とにかくこれだけ街中に看板が溢れて広告による街の汚さでは世界のTOPを走ってるのに、このタイプの交通広告には非協力的なのよ。日本をロケ地ビジネスになんて言ってるけどPTA推奨的な作品以外はNGなのが現状。
逆に海外ではAKB的な手法はお縄になってしまうのですよ…やっぱ日本は浮いてますね…ヤレヤレ。
2013年11月13日
ヒグチユウコ日記 やっぱり猫が好き!編

大の猫好きでもある親友のゆうり君に誘われ、これまた猫のイラストで有名な"ヒグチユウコ"さんの個展「秘密の宴」にお邪魔してきたわ。
ヒグチさんは猫の他にきのこ、うさぎ、少女、蛸などをモチーフにした作品が多数あり、写実的なタッチにダークファンタジー的な要素が加わった特異な作風が特徴的よ。女子なら1度は目にしたことのある摩訶不思議ブランド"あちゃちゅむ"のデザインも手掛けており、実に多才だわ。
ご自身猫を飼われているそうで、ちょっとした猫の目の動きや表情、毛並みの描写など実にリアルで可愛らしい・・・猫好きにはグッとくる視点で描かれているのがお見事ね。
今回の会場は、表参道から10分ほどのところにあるアパルトメント風のお店「Shop cabaret」…Moulin Rougeの踊り子の楽屋をイメージしたというこのお店は、大衆には好まれない、しかし好きな人は好きというコンセプトがヒグチさんの世界観にぴったり。
店内には所狭しと彼女の作品が並び、親友は歓喜の声を上げていたわ。原画は勿論、小さな絵はがきに、シールが自在に貼れるシールブック、陶器の置物からバック、そしてオリジナルファブリックを使ったお洋服までが勢揃い。原画の一定の筆圧と繊細さは驚異の域であり、どれもキュートさとシュールさが程よくマッチしているの。
金魚が猫の少女に「ドジョウ飼っていい?」と両ひれで持ったバケツの中のドジョウを見せたり、ベビー服姿の猫の赤ちゃんがリアルな雀とは虫類のぬいぐるみを持って甘えたり・・思いつきそうで思いつかない、昆布入りのマシュマロを食してしまったかのような、じわじわとした意外性が癖になると言ったところかしら。
来場してたファンの女性陣も独自のスタイルを貫くお洒落さんばかりで、何だか納得してしまったわ。お洋服やバックは量産されていないので4万円台から6万円台と高額ではあるけれど、人とは違うお洒落を求める人にとっては心を揺さぶられるものばかり。
極端な話、生地自体さほど高級でなかったとしてもオリジナルファブリックのデザインがしっかりしていて、それを生かす裁断が可能なら重厚な作品が出来上がるのではないか、と思えるほどヒグチさんの絵のパワーは強いのよね。コンセプトというより、好きなものをじっくりと愛情たっぷりに描き続けているという印象が強いヒグチさん・・・次はどんな猫魂を見せてくれるのか楽しみよ!
2013年11月12日
風邪より怖い伝染病日記 それは孤独編

教授はこれまで習慣や感覚の伝染を探る研究を行っており、ネットワークの周辺部に追いやられた人は、孤独を周囲の人にまき散らし、繋がりを切断するという結論に至ったそうよ。
理由として、孤独で繋がりを信じない人が、不信の感情を周囲の人に引き起こす為だと言われているわ。孤独感は家族より友人経由の方が感染しやすく、男性より女性へ広がりやすいらしい。研究によれば、伝染は3次の隔たりがあり、孤独感を持つ友人が居る人は孤独感を持つ可能性が40~65%、そのまた友人は14~36%の可能性があるんだそうよ。怖い・・。
孤独感は実際の繋がりが無いことを意味するわけでは無く、繋がり自体が"充分満足いくものではない"というものなのかも。孤独から態度がよりよそよそしくなり、社会的ネットワークから離れる…残された友人は繋がりが弱まって世界に不信感を持つ…そのサイクルが社会的な影響をもたらし、健康問題にも発展してしまう可能性も高いわ。
以前とてつもない孤独感に襲われた事があったけど、引き籠もっていたせいか(笑)さほど周囲の友人への影響は無かったようで、逆に彼らの暖かいエネルギーを頂いて復活できたの。
孤独感同様、暖かく前向きなエネルギーも伝染するのだと身をもって理解できたわ!これからは良いエネルギーを量産して、世の中の役に立てなくては・・!
2013年11月11日
ザ・ダークワールド日記4 ロキvs子供 編

子供向け番組局のコメディセントラルのよる30秒CMなんですが、教室(娯楽室)の中でロキが子供達に「Who's Better Super Hero Thor or Loki?」(ソーとロキのどっちがスーパーヒーローかな??)と聞くと、間髪を入れずに「ソー!!!」と答える子供達!
「なんで?」とロキが聞くと「だって、ソーはハンマー持ってるし・・それで地面を叩くと・・」等々…そして話が終わらない少女をロキが「ハンマーなんかいらねーよ」と突き飛ばすという展開。
文書にするとロキが意地悪そうですが、それは逆にロキの子供っぽさが強調されてて30秒ながらとても感じの良い宣伝になってます。
シリーズではこの子犬的なロキがある女子系に大人気なんですが、潜在的な彼の人気を上手く使った宣伝ですよね。このセンスは日本の宣伝業界も見習った方が良いですよ…フフ。
2013年11月10日
Jean Luc Ponty日記2 アラン・ホールズワース編

タイトルのAtacama(アカタマ)とはチリ北部のアンデス山脈の西側に南北にひろがる砂漠でチリ硝石銅銀などの産地としても有名な場所のエクスペリエンスで、紀行的なイメージアルバムかなと思ったら、これが結構良い感じで中期のPontyを彷彿させる内容だったのよ。
特に必聴なのが4曲目となる「Point of No Return」…なんとここであのアラン・ホールズワースがゲストギタリストとして参加してるのね。アラン・ホールズワースがどんなプレイヤーかは皆さまの方がお詳しいハズ!
全盛期に彼が全面的にフューチャーされたアルバム「Enigmatic Ocean」はBest of JLPと称されるほどの名盤…元々アランのギターはヴァイオリン的なレガートとフレーズでコード・ボイシング奏法はPontyとの相性も良く、それぞれ70~80年代に黄金期を確立したわ。でも残念ながらアランは生真面目で商売が苦手な事もあって、一時期全ての楽器を売却して凌いだ時期もあったとの事。それをビジネス的に支援したのがエドワード・ヴァン・ヘイレンってのも有名な話よね。
そんなアランも既に60代でPontyと共にお互い角が取れたアンサンブルは円熟の響よ…何だかタイトルの「Point of No Return」もとても意味深に感じてしまう・・。
アルバムとしては他にも「Back in the 60's」ではそのまま60年代を感じさせるエレピのコード感、「Celtic Steps」は軽快なリズムで前期のPontyを前面に、「Desert Crossing」はアコースティック1本で技巧系、アルバムタイトルでもある「The Atacama Experience」は一転アンビエンス系等々…勿論若いときのような荒々しさは無いけど、その心中にとてもアグレッシブなものを感じ取る事のできた作品だったわ。
是非、70代としての新作を期待するわよ!
【Jean Luc Ponty web】
http://www.ponty.com
【アラン・ホールズワースweb】
http://www.therealallanholdsworth.com
2013年11月09日
Jean Luc Ponty日記1 ヴァイオリンの新境地を開いた男編

ご存じ無い方もいらっしゃるかもしれないから、このブログを通じて過去の作品をピックアップしながら彼の業績を振り返るわ。
既に彼は71才で円熟と言うよりレジェンド的な存在なのだけど、時系列的に紹介するより先ずは最近作の2枚のアルバムをピックアップして過去にさかのぼってみようかしら。
2002年にリリースされた「Live at Semper Opera」…70年代後半から80年代前半の全盛期を過ぎ、90年代は良きパパとしてスケッチ的な音の風景に特化した生活で、先日のクララも独り立ちし、半ばリハビリ的な2001年LIVEツアーを始めその時のドイツでのステージがこのアルバムね。
代表曲でもある「Imaginary Voyage」がオープニング…全盛期を知る人にとっては、そのリズム感は若干キレが無くなり不安な感じなんだけど、段々自分を取り戻して行くジャンリュックが素晴らしいわ。
収録曲は「Enigmatic Ocean」「MIrage」を含むブレイクした中期の名曲を中心に60代になったのPontyの落ち着いたアレンジに手直しされているのね。「全盛期のLIVEはJazzRock的なアプローチでWorldTourを敢行してステージではひたすら弾きまくるロックアーティスト顔負けのステージで物凄かった・・」と70年代日本公演を見たスタッフ。
当時のVideoが残っていて、それを見た時は本当にビックリよ。エレクトリックヴァイオリンのSoloではなんと10分近くもTapeエコーとか当時のアナログエフェクトを駆使して、ピンクフロイドも真っ青って感じよ。
そんなPontyの復活LIVEはリズムこそ地味ながらそのスピリッツは健在だわ…場数を踏んでるアーティストに共通なのは歳をとっても最初こそもたつくものの、血が蘇ってしまうのね。このアルバムはその過程を十分にパッケージしててPontyファンにはたまらない作品である事間違い無しよ…PIPOKOも全盛期を生で見たかったわ。
そして、旧友アラン・ホールズワースをゲストに迎えた新作はまた明日に!
【Jean Luc Ponty web】
http://www.ponty.com
2013年11月08日
クララ・ポンティ日記2 14年後の彼女編

1997年のデビューリリースから14年後の2011年に発表された「Into The Light」…彼女がデビューから10年以上経ってどのように変わってきたか・・。
デビュー時はやはり父ジャンリュックの影響が強く、楽曲構成もミニマル的なものが多かったわ。その後何枚かのアルバムリリースを重ね、一皮むけたのがこの「Into The Light」ね。
ピアニストとしても力が抜けてとてもリラックスした演奏が楽しめるようになったのね。そしてなんと言っても歌姫としてのポジションを確立した事。シングルカットされた2曲目の「Sunshine」ではちょっとポップな一面を前面に強調して楽しいのよね。
勿論、父ジャンリュックも数曲参加してて、娘同様父親も力が抜けて最高のアンサンブルとなってるのよ。父親が偉大すぎると子供は概して反対に進もうとするケースが多いけど、こちらの親子はそんな懸念も無く家族愛的なサウンドに磨きがかかてるから羨ましい。
レーベルも既にメジャーからジャンリュックのプライベートレーベルへ移籍していて、仕事とプライベート両面で補完し合ってる感じ…初期のインストからシンガーソングライターとして成長したこの10年、本当に素晴らしいわね。
優しさや暖かさを感じるアルバムって最近少なくなってきてるだけにクララ・ポンティはとても心を落ち着かせてくれるアーティストになったのよね。
今は親子でツアーをしてるクララとジャンリュック…全12曲、心温まる仕上がりに音楽一家の理想型を見出したわ。クリスマスがそろそろ近くなってきたこの時期、是非聞いてみてはいかがしら、オススメよ!
で、明日は父ジャンリュック・ポンティの近作を中心にお届けするわ!
【クララ・ポンティweb】
http://www.claraponty.com